多様な発達段階の子どもを支援する「グループ指導カリキュラム」

グループ指導カリキュラムの最大の特徴は、発達水準の異なる一人ひとりの子どものニーズに対応しながら、グループで共通の目標に沿った活動を展開する「多層水準指導」にあります。保育所や幼稚園、認定こども園などの幼児教育施設、また児童発達支援センターや放課後等デイサービスなどの福祉通所施設といった集団場面でのグループ指導に活用できます。

『ポーテージ早期教育プログラム』と同様に、5領域の観点からアセスメントを行い、個別の保育・支援・指導計画を作成することが可能です。子どもの集団活動を観察し、全員の発達の状態や他者とのかかわり方、遊びの様子などを把握することで、一人ひとりの発達水準やニーズに応じた計画を立て、グループでの活動に繋げていきます。

ポーテージプログラムの理念を継承し、集団活動へ応用

グループ指導カリキュラムは、ポーテージプログラムの理念をそのままに、集団での活動や遊びの本質を掘り下げます。ポーテージプログラムには以下の3つの特徴があります。

  1. 一人ひとりの子どもの発達に応じたアプローチをする個別プログラム: 個々の子どもの発達や興味に応じた行動目標を細かく作成できるチェックリストが用意されています。
  2. 親・家族が指導の中心となって、主に家庭などの日常生活の中で指導を行う家庭中心プログラム: 家庭や日常生活の中で子どもの発達を見る目を養い、応用行動分析の原理を適用して子育て力を培う「親のエンパワメント」が重視されています。
  3. エビデンスに基づいた応用行動分析の原理を活用したスモールステップでの技法: 科学的根拠のある応用行動分析に基づき、「適切なほめ方」を通じて子どもが自ら学習する力を育みます。望ましい行動を強化し、望ましくない行動に対しては代替行動を促すといった原理が応用されます。

グループ指導カリキュラムは、家庭環境から集団保育へと活動の場を広げ、多人数の集団の中で適切に活動できるスキルを子どもたちが身につけることを目的としています。チェックリストは12名まとめて記入でき、クラスやグループの発達ニーズや段階を一目で把握できるため、個別の目標設定やクラスの課題特定、さらには個別支援計画や年間計画の作成に役立ちます。

訪問介護や生活援助に関するサービス計画書や実施記録のような複数の書類

参加しやすい形式に刷新された研修セミナー

今回のグループ指導カリキュラム研修セミナーは、受講者がより参加しやすい形式に刷新されました。合計4時間分の事前視聴講義(オンデマンド)と、一日完結のオンライン集合講義・演習で構成されています。これにより、多忙な福祉施設や幼児教育施設の職員も、研修に参加しやすくなっています。

また、2025年に改訂されたリニューアル版グループ指導カリキュラムセット(定価15,000円)が資料に含まれており、研修後すぐに現場で活用できます。このリニューアルでは、福祉サービスにおける報酬改定や認定こども園を含む幼児教育施設での障害のある子どもに対する保育の現状など、最先端の情報が提供されるとのことです。

「第21回グループ指導カリキュラム研修セミナー」開催概要

  • イベント名: 第21回グループ指導カリキュラム研修セミナー
  • 開催日時: 2026年2月7日 10:00〜17:00
  • 開催形式: オンラインセミナー(ZOOMとGoogleスプレッドシートを使用した演習) ※事前オンデマンド講義あり
  • 参加費: 32,000円(日本ポーテージ協会会員 28,000円)
  • 定員: 30名
  • 主催: 認定NPO法人日本ポーテージ協会
  • 詳細・お申し込み: 協会ホームページグループ指導カリキュラム研修セミナー申込ページ

プログラム(予定)

  • 10:00〜10:40 開講式・オリエンテーション・オンデマンド学習の確認
  • 10:40~11:10 保育所における「グループ指導カリキュラム」の活用 ~PDCAサイクルに基づく指導計画の作成~
  • 11:20~12:20 児童発達支援センターにおける「グループ指導カリキュラム」
  • 13:20~16:40 演習(Googleスプレッドシートを使用し少人数のグループで行います)
  • 16:40~17:00 質疑応答・閉講式

認定NPO法人日本ポーテージ協会とは

日本ポーテージ協会は、1985年に「ポーテージプログラム」を日本全国およびアジア地域に普及させるために創立されました。2014年には東京都より認定NPO法人に認定され、2025年に創立40周年を迎えました。

緑色の抽象的なロゴマーク

『ポーテージ早期教育プログラム』を活用し、発達に遅れや偏りのある乳幼児の家庭での親(保護者)指導について、早期からの発達相談とその家族支援を行っています。現在、会員数約500名、全国に30支部を擁し、地域に根ざした相談活動を展開しています。

協会は、ポーテージプログラムを学びたい方やポーテージ相談員の養成のため、初級研修セミナーを年3回、中級セミナーを年1回開催しています。また、インクルージョン保育のためのグループ指導カリキュラムセミナーを年1回開催するほか、要望に応じて講師派遣も行っています。

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Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77