地域課題への挑戦:重症心身障害児と家族の「18歳の壁」と「入浴の負担」

重い障害のある子どもたちが高校を卒業した後、「日中の居場所(生活介護事業所)」が不足していることは、地域社会の深刻な課題です。尾張旭市周辺でも既存施設が満員のため、卒業と同時に社会との接点が途絶えてしまう親子が少なくありません。

また、成長と共に体重が増える子どもたちの入浴や移乗介助は、家族や支援スタッフにとって身体的な負担が大きく、腰痛のリスクも伴います。この身体的負担の軽減と、安心安全なケアの継続が長年の課題となっていました。

新施設「にこライフ」が描く未来:夢の「空飛ぶお風呂」と「ごちゃまぜ」の地域交流

「ないなら、創る」という決意のもと、にこまるは新施設「にこライフ」の開設を進めています。この施設では、以下の二つの特徴的な設備導入を目指しています。

1. まるでアトラクション!「天井走行リフト」でワンダフルな入浴を

抱え上げることなく、部屋中を空飛ぶように移動できる天井走行リフトを導入します。これにより、入浴介助の負担が軽減されるだけでなく、子どもたちが「自分で動ける」楽しみを感じられる設計です。このリフトを使って浴槽まで移動し、ゆったりと湯船につかる「ワンダフル入浴」が提供されます。

天井走行リフトとスリングを使って移動介助を受けている男性と、それをサポートする女性のイラスト

2. 地域とつながる 「トレーラーハウス型にこカフェ」

敷地内にはカフェ機能を持つトレーラーハウスが設置されます。障害の有無にかかわらず、地域住民が気軽に立ち寄り、自然な交流が生まれる「ごちゃまぜの場」が創出され、共生社会の実現が期待されます。

水彩画のようなタッチで描かれた、木目調と青い壁が特徴的なタイニーハウス(トレーラーハウス)

クラウドファンディングで実現へ:ネクストゴール600万円への挑戦

第一目標の100万円は達成しましたが、天井走行リフトの設置には約600万円が必要とされています。にこまるは「ピンチを面白がる」という独自の精神で、この大きな目標への挑戦自体を地域を巻き込むムーブメントへと変えていこうとしています。

代表理事の廣中志乃氏は、「わが子に障害があると分かった日、私の中の『当たり前』は崩れ去りました。でも、地域の方々に支えられ、今があります。この新施設は、私たちから地域への恩返しであり、未来への投資です。天井走行リフトがあれば、子どもたちは重力から解放され、自由になれます。ぜひ、この夢の共犯者になってください」とコメントしています。

笑顔の日本人女性が「にこまる」のロゴ入り紺色ポロシャツを着て屋外に立っています

関連情報と法人概要

特定非営利活動法人にこまるの活動や代表理事の想いについて、さらに詳しく知りたい方は以下のリンクをご覧ください。

法人概要

  • 商号: 特定非営利活動法人にこまる
  • 代表者: 代表理事 廣中志乃
  • 所在地: 〒488-0824 愛知県尾張旭市西山町1丁目3-21
  • 設立: 2015年
  • 事業内容: 重症心身障害児・医療的ケア児の通所支援、居宅介護など
  • URL: https://nikomaru200.xsrv.jp/
  • お問い合わせ: niko25maru00@gmail.com

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77