鹿児島県大隅半島の農業と福祉を結ぶ画期的な取り組みが、新たな商品として結実しました。大隅半島ノウフクコンソーシアム(ONC)が2024年11月上旬より発売する「ノウフク スナック」は、農福連携と食品ロス削減という二つの社会課題に挑戦する商品です。

「小いもプロジェクト」から生まれた「ノウフク スナック」

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この商品は、ONCが推進する「小いもプロジェクト」から生まれました。通常なら規格外として廃棄される小さなサツマイモを、障がい者や高齢者など多様な人々の手で収穫し、高付加価値商品へと変身させる試みです。

大隅半島は、日本の中でも高齢化が進んだ地域の一つで、エリアによっては高齢化率が50%を超えています。このような状況下で、農業と福祉の連携は地域活性化の切り札となっています。ONCは2021年の発足以来、約60の事業者・自治体・団体を巻き込み、農福連携を軸とした地域課題の包括的解決に取り組んでいます。

「ノウフク スナック」の製造過程では、株式会社オキスを中心に、地域の多様な人材が活躍しています。収穫から加工、パッケージングまで、様々な工程で障がい者や高齢者が重要な役割を担っています。これにより、新たな雇用が生まれ、地域経済の活性化にも貢献しています。

さらに、この商品は食品ロス削減にも一役買っています。通常なら廃棄される小さなサツマイモを有効活用することで、農産物の無駄を減らし、環境負荷の軽減にも寄与しているのです。

消費者にとっても、「ノウフク スナック」は単なるお菓子以上の意味を持ちます。この商品を購入し、味わうことで、誰もが気軽に大隅半島の農福連携や食品ロス削減という社会課題の解決に参加できるのです。美味しさと社会貢献が一体となった、まさに一石二鳥の商品と言えるでしょう。

大隅半島ノウフクコンソーシアムの取り組みは、農業と福祉の連携という枠を超え、地域全体の持続可能な発展モデルを示しています。「ノウフク スナック」の発売は、その取り組みの一つの到達点であり、同時に新たな挑戦の始まりでもあります。この商品を通じて、多くの人々が大隅半島の魅力と課題に触れ、共に解決策を考える機会が生まれることが期待されます。

美味しく楽しく、地域の未来を応援する3種の味わい

「ノウフク スナック」ではこのたび、いずれも製造過程で農福連携を推進し食品ロスを解決する「じゃがバター」「しいたけ黒こしょう」「ごぼうサラダ」の3種を展開いたします。

また今後とも、シリーズ展開として新しい味わいを開発・販売する予定です。ぜひご期待ください。

小いもプロジェクト

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Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77