Last Updated on 2025年7月1日 by 菅間 大樹
株式会社スタートラインは、茨城県牛久市と協力し、障害者の新たな雇用機会の創出と地域社会の活性化を目指す包括連携協定を2025年6月23日に締結しました。
包括連携協定締結の背景にあるものとは

この連携の背景には、牛久市が掲げる「障がいのある人もない人も、その人らしくだれもが安心して暮らせる共生社会」という理念があります。2024年に市が実施したアンケート調査では、市内の障害者の54.1%が就労意欲を示す一方で、約半数が「職場での障害への理解」を必要としている実情が明らかになりました。牛久市はこのような市民の声に応え、多様な就労の推進に向けた支援を模索していました。
協定の核となるのが、JR常磐線牛久駅に直結する複合商業施設「エスカード牛久ビル」3階に新たに開設される「Diverse Village(仮称)」です。この施設では、スタートラインが提供する3つの特徴的な障害者雇用支援サービスを一つのフロアに集約。具体的には、ロースタリー型の「BYSN」でコーヒー豆の焙煎を、屋内農園型の「IBUKI」でハーブや葉物野菜の生産を、そしてサポート付きサテライトオフィス「INCLU」でオフィスワークを担います。
これにより、入居する企業に雇用された障害者は、コーヒー製造からPC業務まで、自身の特性や習熟度に合わせて仕事を選択できる環境が整います。このような多様な選択肢をワンストップで提供する試みは全国初となり、約30社の企業が入居し、約120名規模の新たな障害者雇用が生まれる見込みです。

エスカード牛久ビルの空き床問題の解消にも寄与
この事業は、牛久市の中心市街地活性化にも大きく貢献します。長年の課題であった「エスカード牛久ビル」の空き床問題を解消し、市が設けた「牛久市特定中心市街地事業所開設等補助金制度」の認定第1号案件となることで、福祉と経済の好循環を生み出します。さらに、施設内に設けるコミュニティスペースでは、地域住民と働く障害者が自然に交流できるイベントを開催し、共生社会の実現を後押ししていく計画です。