【内容情報】(出版社より)
精神疾患にかかった人がどんな景色を見ているか、また「見えない障がい」がどんなに周囲から理解されないか。その驚異を克明に綴った衝撃の問題作です。
本書を読めば、精神疾患に苦しむ人たちに何が起きているのか、追体験することができます。「日本人は親切ですが、それは健常者同士の間だけの話です。ひとたび自分たちに理解できない障がいを持った人に直面すると、日本人ほど冷徹な民衆はいません」と著者が綴っている通り、私たちはこの告発を無視することはできません。
日本の出版史上、本書ほどの「言い表せない衝撃」があったでしょうか?この本を読み終えたあなたは、もう昨日までのあなたではなくなっているでしょう。また、絶句するほどの問題作であるにも関わらず、胸を打つ感動があり、息を呑むほど面白い獄中記にも仕上がっています。
どうか本書が、日本や世界で大きなセンセーショナルとなり、精神疾患と闘う方々や、見えない障がいに苦しむ方々が、社会からの理解を得られますように。そして誰もが悲しまず、誰もが生きやすい、そんな社会に近づきますように。著者とともに、そう願ってやみません。
(あらすじ)
13歳で原因不明の症状によって不登校になった著者。家庭が崩壊し、周囲の無理解による孤独の中で、拒食、過食、愛への飢えなど、あらゆるものとの闘いが幕をあけます。18歳になると起床することも困難になり、どんなに頑張っても働けない中、それでも働こうとし続ける著者に、周囲からは「お願いだから働いて」という信じがたい皮肉が浴びせられました。
クリスチャンになり、人一倍正しい生き方を志していた著者でしたが、徐々に自己は分裂し、意思の自由さえも効かなくなってゆきます。自らの意思に反して、自らが嫌う行動ばかりをする自分に振り回され、悩み、叫び、憎み、自害を試みるほど闘った著者。自らを飲み込んでいる症状が、精神障がいによるものだとは、気づくことができませんでした。
25歳の夏、ついに極限状態で街を徘徊し続けた著者は、犯罪を犯し、留置場に収監されます。長い闘いの末、著者は限界まで衰弱していましたが、その日は終わりではなく、まさかの始まりに過ぎませんでした。
自らが病気に冒されているとは知らず、何が起こっているのか理解ができないまま逮捕された著者。この日から彼を待ち受けていたのは、見えない障がいの超越的な「死角」でした。
病気の影響で事件を犯したがゆえに、牢屋の中で味わい続けた異様な思い。どんなに酷い病状になっても、周囲からはそれが一切知られ得ないという凄さ。「ここに来た時点で終わりなんだよ」と看護士が言い放つ拘置所での、終わりのない虐待。刑務所で幾度となく味わった無念。出所後のPTSD。
本書は、日本でこんなことが起きているとはご存知ない多くの方々や、報われない何かを抱えているすべての方に読んでいただきたい本です。あなたも、人には見えない生きづらさを抱えているのではないでしょうか。本書は必ず、社会の片隅で誰にも知られずに泣いている大勢の方々の救いとなり、その涙を拭ってくれると信じています。
- 発売日 : 2020/12/24
- オンデマンド (ペーパーバック) : 213ページ
- ASIN : B08QRZ7QG1
- 出版社 : NextPublishing Authors Press
- 言語 : 日本語
購入はこちら
(上巻)
(下巻)