【内容情報】(出版社より)
6月号(18巻2号)2021年 夏号 「摂食嚥下障害の作業療法―基本と臨床へのアプローチ」 編集 百田貴洋 食は、人にとって生命維持に欠かせないものであると同時に、他者と関係を形成す る場であり,文化でもある。医療福祉の臨床現場で作業療法士が関わる場合,食の 質,楽しみ,参加としての食の意義が見えてくる。それが対象者の摂食嚥下機能の可 能性や潜在能力を吟味して,「栄養補給以外の側面の重要性」と「現在進行形での根 拠に基づいた摂食嚥下機能と将来にわたっての可能性」を追求しなければならない。
「人は作業を通して健康や幸福になる」という基本理念と学術的根拠に基づいて、作 業療法は行われる。食の重要性を考えると、摂食嚥下障害は作業療法にとって避けて は通れないテーマである。病院に限らずさまざまな場面で作業療法士が活躍できる今 だからこそ,摂食嚥下に関わる作業療法をあらためて考える機会としたい。
本NOVAを通して、作業療法士が臨床で関わる際のハンドブックや,養成校における 教科書として活用できるよう企画・構成した。まず、作業療法士が食に関わることの 意味について、ページを割いた.次に、食に関わるうえで理解しておくべき基本的知 識として、基本メカニズム・介入方法について解説する。そして、時期別・領域別で みる摂食嚥下の作業療法と題して,それぞれのフェーズで臨床に活かせるような実践 的な場面で説明を加えた。
最後の章では,これからの摂食嚥下を発展させるにあたっ て、必要な気づきを与えてくれる話題をピックアップした。摂食嚥下への関わりが増 え,対象者や作業療法の可能性が広がる前提として、生活を視野に入れた基本的で臨 床的なアプローチを網羅している内容となっている。 序にかえて 百田貴洋 003
第I章 作業療法士が食に関わることの意味
1 人と食 百田貴洋 007
2 作業療法士が摂食嚥下に関わる法的根拠と必要性 千田直人 012
3 生活行為向上マネジメント(MTDLP)で考える
摂食嚥下障害と作業療法 青木佑介 016
4 リハビリテーション栄養の視点で考える作業療法士の役割と可能性
田中 舞 023
第II章 食に関わる作業療法士が理解しておくべき基本的知識
1 おさえておきたい嚥下のメカニズム 百田貴洋 036
2 摂食嚥下に関する評価と標準的介入方法 植田友貴・太田有美 043
3 「食べる」を再建する練習の考え方 稲本陽子 053
4 摂食嚥下のための姿勢介入 佐藤彰紘 059
5 食事動作のためのリハビリテーション 佐藤彰紘 065
br> 第III章 時期別・領域別でみる摂食嚥下障害の作業療法
1 急性期における摂食嚥下障害と作業療法 太田有美・植田友貴 072
2 回復期における摂食嚥下障害と作業療法 黒住千春 080
3 訪問サービスにおける摂食嚥下障害と作業療法 上山翔太郎 086
4 通所事業所における摂食嚥下障害と作業療法 上山翔太郎 092
5 高 齢者施設における摂食嚥下障害と作業療法
野尻明子・京極久美子 098
6 小児領域における摂食嚥下障害と作業療法 神作一実 104
7 緩和ケア領域における摂食燕下障害と作業療法 田尻寿子 112
第IV章 これからの摂食嚥下障害に対するリハビリテーションを考える
1 摂食嚥下障害に対する筋へのアプローチ
伊藤隆人・鈴木重行・上田周平 120
2 サルコペニアと摂食嚥下障害 森 隆志 128
- 出版社 : 青海社
- 発売日 : 2021/6/18
- 雑誌 :