【内容情報】(出版社より)

特集 マルトリートメントと虐待,親と子それぞれのレジリエンス

「マルトリートメント(maltreatment)」とは「不適切なかかわり」と訳され,養育の状況下で子どもの発達に対して悪影響を与えるようなかかわりをさす。マルトリートメントを経験すると,後年に心身の不調をきたす確率が高くなるといわれており,いかにマルトリートメントと呼ばれるようなかかわりをなくしていくかが課題となる。しかし,子どもにかかわる親,周囲の大人も完璧な存在ではない。子育てのしづらさが指摘され,体罰や暴力を肯定する文化が潜む現代日本社会において,どうすれば問題を克服することができるのだろうか。

本特集では,はじめに「児童虐待」「マルトリートメント」の定義とその言葉が生まれた背景について整理する。続く記事では,いま子育て中の親を「加害者」にしないため,支援者が抱きやすい処罰感情について知り,「ほどよい支援」の大切さを述べている。そして,すでにマルトリートメントが発生してしまった場合,その後,被害者に対してトラウマインフォームドケアの観点から支援する重要性と,脱暴力支援による加害者の変容可能性についても検討した。

マルトリートメントはたしかにおそろしい。ただ,すべての人間には「レジリエンス」,つまり問題を乗り越える力が備わっているのだという考えが本特集の前提となっている。支援者は当事者の「レジリエンス」をひきだすサポートができるはずだ。

  • 出版社 ‏ : ‎‎ 精神看護出版
  • 発売日 ‏ : ‎2023/2/20
  • 単行本 ‏ : ‎80ページ

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Written by

今井 靖之

findgood編集者、ライター。

大手電機メーカーで半導体電子部品のフィールドアプリケーションエンジニア、インターネットサービスプロバイダのプロモーションやマーケティングに従事。以後フリー。

身内に極めて珍しい指定難病者を抱える。

神奈川県川崎市在住。サブカルヲタク。「犬派?猫派?」と聞かれたらネコ派、猫同居中。