【内容情報】(出版社より)
超音波検査で胎児の障害が判明した夫婦は、妊娠期・出産・育児を通じてどのような心理変化をたどるのか。個々の体験の語りを考察し、よりよい医療的・社会的支援の糸口を探る。
【目次】
第1章 先行研究の概観
研究1 胎児異常の診断をうけた女性とそのパートナーの支援に関する文献レビュー
研究2 ダウン症児の母親とその家族の経験に関する文献レビュー
第2章 本書における研究の方法論
第3章 女性とそのパートナー(男性)の体験
研究1 口唇口蓋裂児をもつ両親の体験に関する事例研究
――胎児診断から口蓋形成術後の心理変化に焦点を当てて
研究2 へき地で先天性心疾患児を育てる両親の心理的軌跡
――ライフライン描写と語りの分析
研究3 妊娠期に胎児異常の診断をうけた一夫婦の経験に関する現象学的記述
研究4 超音波検査で胎児診断をうけた女性とパートナーの対処行動と情報ニーズ
コラム 母親のメンタルヘルス
第4章 パートナー(男性)の体験――子どもの生命の危機的状況のなかで
コラム 男性の育児休暇
第5章 女性の体験
研究1 出生前診断から出産までの「生きられた体験」
――羊水穿刺を経て出産に至ったEさんの語り
研究2 あるダウン症児の母親の語り
――出生前診断と子どもの病い
コラム 卵子凍結
終 章 総合考察
付 録
[著者紹介]※初版刊行時のものです
岡本留美(おかもと・るみ)
1981年 兵庫県生まれ。
2015年 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻修士課程修了。
2022年 京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程研究指導認定退学。
助産師として京都大学医学部附属病院、大阪府済生会野江病院等で勤務後、明治国際医療大学看護学部助教、客員研究員を経て、現在は京都大学大学院人間・環境学研究科教務補佐員、医学研究科・医学部非常勤講師、きょうと新型コロナ医療相談センター相談員。
専門分野:看護学、発達心理学
主要論文:「出生前診断をうけて親になる経験:Gさんの語り――子どもの生命の危機的状況のなかで」(京都大学大学院人間・環境学研究科紀要『人間・環境学』29、2020、1-9)ほか。
- 出版社 : 福村出版
- 発売日 : 2023/3/6
- 単行本 : 192ページ