【内容情報】(出版社より)

苦手克服より、本人に合ったツールを使おう!

◆内容紹介
「熟語が読めない」「練習しても書けない」「作文はひらがなだらけ」
小学校に入学して、授業についていけなくなった次男に対して家庭と学校で行ったサポートについてまとめました。中学校から高校入学までの合理的配慮エピソードが満載。
「学習障害の子どもへのサポート記録」シリーズの2巻。

「はじめに」より
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2冊目になるこの本は、処理速度が弱いことから読み書きに困難を示す次男についての記録となります。保育園から高校生まで、家庭や学校でサポートした様子をご紹介します。

次男は、中学校の通級指導教室の先生とともに「自分に合った学び方」を探ることで、定期テストで合理的配慮を受けることを決めました。

視力の低下をメガネで補うように、次男はPCの音声読み上げでテストの問題文をスムーズに理解し、PCのフリック入力で字の汚さを気にすることなく解答を入力できるようになりました。

次男が中学校に入学した2019年当時は、教室で生徒全員がデジタル端末を用いて学習をすすめるという発想自体がなく、端末利用には抵抗があったようです。

2022年現在では、GIGAスクール構想の名のもとに一人一台のGIGA端末が配布されるようになりました。デジタル端末を持ち込んで板書を撮影したり、調べ物をしたりと、読み書きが苦手な生徒にとって過ごしやすい環境がもたらされはじめているように感じます。

GIGAスクール構想の過渡期に合理的配慮を受けて高校受験した例として、高校入学後はどのように過ごしているかなど、参考になりましたら幸いです。

※合理的配慮とは…障害のある人々が教育や就業、その他社会生活において平等に参加できるよう、それぞれの障害特性や困りごとに合わせておこなわれる配慮のこと。

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◆読者さまの感想より

●適切なサポートを受けることで子どもの意欲が上がって自らできることが増える、というのが大事ですよね。お母さまの熱心なサポートでお子さんが自分の意思で行動を起こす、という部分にはこみ上げるものがありました。

●とても勉強になりました。学習障害の子にしてあげられる事は日々進化していて、地域の環境や親の力量でサポートにかなり差が出るのでは?と感じました。
最後に息子さんのコメントがあって、ほっこりした気持ちになりました。

●親御さんが家でできること、学校に働きかけること、学校や教育委員会の動きについて、保育園時代から高校生までの長期間にわたって知ることができ、とても価値が高い本だと思います。

●LDの合理的配慮の実例、ぴーたんさんは地域での合理的配慮での入試の開拓者なので、参考になる家庭が本当に多いと思います。前例があれば先生は動いてくれやすいですが、初めて申し込みする親の負担は大きいのが問題と感じます。
高校入試に合理的配慮には、今までの実績が必要で、その実績を作るためには担任などの先生の理解が必要。そんな仕組みもよくわかりました。ぜひぜひ先生方にもこの本を読んでいただきたいです!

●本に載っている次男くんの字の綺麗さに驚きました。逆に言うとここまで書けていると、周りも「ひらがなが多いのは、やる気がないからでは?」「もう少しがんばればできるのでは?」といった期待が生まれそうとも感じました。
周りの評価と本人の能力とのギャップが生まれて、周りは間違った方向に頑張れと励ましてしまう状況が生まれるのかなと想像し、苦しい気持ちになります。そんな辛い思いをする子が1人でもいなくなるようになるといいなと改めて思いました。

●ディスレクシアのお子さんのことで、保育園から、高校まで、ここまで詳しく丁寧に書かれた書籍はないんじゃないかと思いました。長男さんや長女さんとの違いも、親としての葛藤や疑問をより明確にしていて、私はより親近感が持てました。タイプは違うとはいえ、同じディスレクシアということで、あるあるエピソードも共感が持てました。

●学校で合理的配慮を受けた体験談は、発達障害の息子をもつ母として、本当に有益で貴重な情報でした。最後の次男君へのインタビュー内容も、ぐっときました。

◆目次

はじめに
学習障害とは?
次男の発達的プロフィール
第1章 保育園生活 ~次男は大丈夫なのではという期待~
1. 小学校就学前の次男の様子
2. 小学校就学前の準備
3. 第1章のまとめ
コラム① 子どもへのサポートを通して、仕事や人生に活かされたこと

第2章 小学校生活 ~読み書きのつまずき発見~
1. 小学校1年生の授業参観で次男の学力の遅れに気づく
2. 小学校3年生で授業に追いつけなくなり、検査を受ける
3. 小学校での学習支援
4. 小学生の学習法
5. 中学校進学に向けて
6. 第2章のまとめ
コラム② 子どもの特性についての周囲への打ち明け方について

第3章 中学校生活 ~合理的配慮の利用~
1. 中学校の学習と通級指導教室での支援
2. 中学生では遅い?病院での確定診断
3. 中学生の学習法
4. 次男に合う高校を探して
5. 合理的配慮を受けて高校受験しました
6. 第3章のまとめ
コラム③ 学習障害があってもタイプの異なる兄弟
コラム④ 読み書き障害を子どもに告知しましたか?

第4章 高校生活 ~合理的配慮はどうなった~
1. 工業高校生になりました
2. テクノロジーに助けられる日々
3. 第4章のまとめ
コラム⑤ テクノロジーを活用しない企業もある?
コラム⑥ 次男に質問してみました

おわりに
参考書籍
参考サイト
学習障害をサポートしてくれる機関のリンク
著者紹介

◆著者プロフィール
ぴーたん
高校生2人、小学生1人の3人の子を持つ母。仕事は教育関係。
ブログやツイッターにて、学習障害、読み書き困難な子どもを持つ保護者に向けた情報を発信している。

  • 出版社 ‏ : ‎‎ Independently published
  • 発売日 ‏ : ‎2023/3/13
  • ペーパーバック ‏ : ‎172ページ

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Written by

今井 靖之

findgood編集者、ライター。

大手電機メーカーで半導体電子部品のフィールドアプリケーションエンジニア、インターネットサービスプロバイダのプロモーションやマーケティングに従事。以後フリー。

身内に極めて珍しい指定難病者を抱える。

神奈川県川崎市在住。サブカルヲタク。「犬派?猫派?」と聞かれたらネコ派、猫同居中。