【内容情報】(出版社より)

本書に興味をもっていただいてありがとうございます。

突然ですが、あなたは今、家族と幸せに暮らすことができていますか?
幸せ?なによりです。
その幸せを明日も明後日も1年後も10年後も、守っていきたいですよね。

しかしその幸せをうつ病という病気によって壊されるかもしれません。
怖いですね。 冒頭から物騒なことを言って申し訳ありません。

はじめまして、飛立未鳥(ひだてみどり)と申します。
はじめに簡単に自己紹介をさせてください。
私は数年前、うつ病になり仕事をしばらく休職した後、退職しました。 失ったものもたくさんあり、つらい時期もありましたが、幸い、信頼のできる主治医と出会うことができ、少しずつ回復をしていきました。

その中で家族のありがたみを感じると共に、逆に家庭環境が与える影響というものも強く感じました。

本書では私の経験などから、未来のあなたとご家族の笑顔を守るための、うつ病予防に関する内容をまとめました。

私たちが日々の時間を過ごす場所は、職場(もしくは学校)と家が多くの割合を占めています。

そのためうつ病の原因を作っている場所というのは職場(もしくは学校)か家庭のどちらかと言っても過言ではないでしょう。 (趣味活動の場もあるかもしれませんが、あくまで趣味なのでかかるストレスも大きくはないはずですし、仮に大きかったとしても、そこから離れることはさほど難しくはないですよね。)

本来、職場という場所は不特定多数の人と関わらなければならない場所であり、理不尽なことも起こりえます。
そのため職場はストレス過多な場所と言えるでしょう。

一方、家庭はと言うと、職場での疲れやイライラを癒す場所であってほしい場所です。
職場で嫌なことがあっても家に帰ったら家族が笑顔で迎えてくれて一緒に笑い合うことができたら、また次の日も頑張ろうって思えますよね。

例えば、水がいっぱいになってしまったらうつ病になってしまう『みずがめ』があると仮定しましょう。
職場で嫌なことがあり、『みずがめ』の水は8割まで溜まってしまいました。
しかし家で家族と触れ合うことができ、『みずがめ』の水は2割まで減りました。
それにより余裕ができ、次の日も仕事へ行くことができました。
家族のおかげでうつ病にならずに済んだわけですね。

では逆に、家庭が、ストレスが溜まる場所だったとしたらどうなるでしょう。
全く癒されることのない、居づらい場所であったとしたら?

同じく『みずがめ』で考えていきましょう。
職場で嫌なことがあり、『みずがめ』の水は8割まで溜まってしまいました。
家に帰りましたが、家では癒されることなく、むしろモラハラを受け、ストレスは溜まる一方。
ついに残りの2割分を超えてしまいました。
水がいっぱいになったらうつ病になってしまう『みずがめ』が、職場と家のストレスによりいっぱいになってしまったのです。
つまり、うつ病になってしまうということです。

もちろん、このようにわかりやすく表されるものではありませんがイメージ的にはこのようなかんじです。

要するに、家でのストレスを減らすことでうつ病にかかるリスクは下げられる、ということです。

ストレスの少ない家庭環境作りを意識することでうつ病の予防ができるのです。
職場でも家庭でもストレスが溜まる、そんな状態はつらいと思いませんか?
職場のストレスはなかなか減らせません。
だからできるだけ家庭でのストレスを減らし、うつ病を予防していきましょう。

ただし、ここで一つお伝えしたいことがあります。
もし既にご家族にうつ病で苦しまれている方がみえるとしても、それは家庭環境が悪かったからだとあなたを責めているわけではありません。

うつ病の原因はさまざまです。
原因に関する詳細は本文に譲りますが、家庭環境がいくら良かったとしてもうつ病になってしまう場合もあります。

また、人それぞれ『みずがめ』の大きさも異なります。その時点での残りの容積も異なるでしょう。

職場だけで『みずがめ』の水がいっぱいになってしまう場合もあります。
だからご家族がうつ病になっていたとしても家庭環境が悪いからだとは一概には言えません。

ただ、家庭環境を良くすることで防げる場合もある、ということを本書では伝えていきたいと思います。

まず第1章では「家族をうつ病で苦しませないために必要な要素」を考えていきます。
必要な要素として、予防、早期発見、早期治療が挙げられます。
そして、予防、早期発見、早期治療のために必要なこととして 第3章で基礎知識、第4章でストレスのない環境作り、第5章で家族の様子の見守り方について考えていきます。

ただしこれらを語る前に第2章で、家とはどのような場所かを考えていただきたいと思います。
そして第6章では、既にご家族がうつ病で苦しんでいる場合に家庭でできることについて考えていきます。
第6章でこのような内容を記載はしていきますが、本書は主に、うつ病になっていない方、なったかなと疑われる方を対象にしています。 既にうつ病でかなり苦しまれている場合には当てはまらない箇所もあるかと思いますのでご了承ください。

目次
はじめに
第1章 家族をうつ病で苦しませないために必要な要素
第2章 家とはどのような場所か
第3章 基礎知識を持とう   
 3-1 症状について知ろう   
 3-2 原因について知ろう   
 3-3 治療について知ろう
第4章 ストレスのない環境作りをしよう   
 チェックリスト   
 4-1 暴力をふるっていませんか?   
 4-2 役割の認識を誤っていませんか?   
 4-3 家族との時間を十分とれていますか?   
 4-4 家族と話をしていますか?   
 4-5 興味を持っていますか?   
 4-6 ルールを守っていますか?   
 4-7 感謝していますか?   
 4-8 適度な距離感を保っていますか?   
 4-9 価値観を尊重していますか?   
 4-10 個を受容していますか?
第5章 家族の様子を常に見守ろう   
 チェックリスト   
 5-1 睡眠を気にかけよう   
 5-2 食事を気にかけよう   
 5-3 時間を気にかけよう   
 5-4 人付き合いを気にかけよう   
 5-5 感情を気にかけよう   
 5‐6 その他
第6章 既に苦しんでいる場合に家族にできること   
 6-1 責めないでほしい   
 6-2 そっとしておいてほしい   
 6-3 家事をすることを強制しないでほしい   
 6-4 好きなことをさせてほしい   
 6⁻5 抱きしめてほしい   
 6-6 いつか明るい未来が来ることを一緒に待ってほしい
あとがき
奧付

  • 出版社 ‏ : ‎‎ Independently published
  • 発売日 ‏ : ‎2023/3/29
  • ペーパーバック ‏ : ‎170ページ

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Written by

今井 靖之

findgood編集者、ライター。

大手電機メーカーで半導体電子部品のフィールドアプリケーションエンジニア、インターネットサービスプロバイダのプロモーションやマーケティングに従事。以後フリー。

身内に極めて珍しい指定難病者を抱える。

神奈川県川崎市在住。サブカルヲタク。「犬派?猫派?」と聞かれたらネコ派、猫同居中。