【内容情報】(出版社より)
立山晃啓(たてやまあきひろ) 1971年9月23日生まれ。山口県出身。
精神疾患を経験した著者が、20年間務めた建設会社を退職後、障がい者施設に通いながら2014年の夏から2015年の春までに書きためた詩をまとめた詩集です。
「 波 」
波の音が聴こえるか
岩礁を打ち砕く波の音が
おまえの耳には届いているか
空に昇った熱気の海が
熱狂の嵐となって岩礁を打ち砕く荒波が
響き渡る衝撃の振動となって
おまえの胸をも打ち砕かないか
耳を澄ませ
感動の波音は
一滴の水の滴りにすら知れる
病と共に歩みながら健常者として土木工事の現場監督に従事してきた著者。
体調の悪化と共に就労の限界を迎え、たどり着いた施設で仲間や職員さんたちと共に癒しの時間を過ごしながら、言葉を綴ることで自己の内面を深く掘り下げていった一年間の軌跡です。
「 あなたは 」
空がこんなにも清々しく明るいのは
あなたが太陽だから
輝く笑顔が 降りそそぐから
風がこんなにも心地よく嬉しいのは
あなたが風の妖精だから
香りも優しく 通りすぎるから
夜がこんなにも穏やかで暖かいのは
あなたが月の神殿だから
癒しの光に 満たされるから
恋がこんなにも愛しく眩しいのは
あなたが輪廻の記憶だから
こころに絆を 呼びさますから
著者は、2021年に長年連れ添った妻と離婚し、旅に出ます。
西日本を中心に神社や史跡を巡り、日本の神話と歴史を学びながら各地を放浪。
旅で出会った友人に長野での滝行に誘われ、2022年6月に長野へ。
りんご畑で働きながら旅の疲れを癒し、2022年師走を迎え再び旅へと導かれます。
「 舟出 」
癒されたか・・
・・では立ちなさい
成すべきことを成しなさい
大海原へと舟を漕ぎだし
赴くままに進みなさい
巡り合わせの道なき海で
凪も、嵐も、太陽も、星空も
あなたに出逢う、あなたの欠片だ
たとえ旅路は果てしなくとも
明日を憂えず、笑顔を忘れず、
さあ、明日にむかって漕ぎだしなさい
2023年春、友人の勧めで再び詩を詠みはじめます。
朗読という新しい挑戦。
詩の世界で、新たな舟を漕ぎだそうとしています。
- 出版社 : NextPublishing Authors Press
- 発売日 : 2023/5/31
- オンデマンド (ペーパーバック) : 78ページ