【内容情報】(出版社より)
幼少期の親子関係で刷り込まれた
“強迫性”がうつ症状を引き起こす
ひきこもり・摂食障害・閉所恐怖……
数々の患者の悩みを解決してきた精神科医が語る
うつ症状の改善方法
うつ症状は、単に気持ちが落ち込んだりやる気が出なかったりするだけではなく、
摂食障害などを引き起こし健康上深刻な状態につながっていく危険性をはらんでいます。
しかし、原因や解決法を特定しにくいため改善が難しい場合もあり、
多くの人が悩みを抱え込んでしまっています。
精神科医として長年多くの患者を診察してきた著者は、うつ症状は主に「強迫性」に
よって引き起こされると考えています。
強迫性とは「ちゃんとしないといけない」といった自分を縛る抑圧的な意識であり、
特に幼少期の親子関係において過剰に刷り込まれてしまった場合、
社会に出たあとで無自覚に自分を追い詰める要因となってしまうのです。
この強迫性を解消し、それに起因するうつ症状を改善するために最も大切なのは
「自分の好きなこと」に目を向けることだというのが著者の主張です。
自分には好きなことなどないという人でも、自分の「こうしたい」「こうありたい」
という素直な気持ちを明確にすることで、強迫性による束縛から解放されて
心を楽にすることができるようになります。
本書では、著者が豊富な臨床経験から得た知見を基に、強迫性に縛られないために
「自分の好きなこと」を大事にして、さまざまなうつ症状を改善する方法をまとめています。
誰にも相談できずに苦しんでいる人にとって希望の光となる一冊です。
はじめに
第1章 薬物療法と休養だけでは改善しない!?
神経症性障害によるうつのさまざまな治療方法
うつ病とは
神経症性抑うつ
不安うつ、不安症と抑うつ状態
不安うつは治りにくいか
精神療法
生活指導というアプローチ
第2章 社交不安、摂食障害、パニック症……
“強迫性”を由来とするさまざまなうつ症状
強迫性(しないといけないにやる気を出そうとする傾向)とは
強迫性と親子関係
口唇期・肛門期・エディプス期
エディプス葛藤、子からみた三角関係、近親相姦タブー
エディプスコンプレックスと摂食障害
世話役心性
エディプスコンプレックスとひきこもり
去勢不安
去勢不安と肛門期退行
不安症
社交不安(社会不安)症について
パニック症、閉所恐怖
安全・安定・普通でいたい
時間・約束
自己不信
自分は後回し・我慢をすること
人間関係を理由に仕事を辞めたくなる
べき思考
第3章 過去の親子関係にとらわれず現在へと視点を向ける
精神療法の視点からみる健康的な親離れのすすめ
親から愛されること(自分の中の親)
親子の触れ合い
子が親を思う気持ち
自分がする、自分でする
父親不在
自己への向き換え
「親離れ」について
親離れと「友だち」
親離れと「恋愛」「愛すること」
親孝行か親離れか
無意識的罪悪感
まず過去でなく現在の問題を扱う
現在の体験は過去の記憶を修正する
親子関係 過去の親子関係から現在の家族に
現在の家族
第4章 自分の「好き」がうつを治す
思考の優先順位
子離れしない親から親離れしにくい
欲動(欲しい、したい)の向き
好きなもの
心配している
素直な気持ち
話すこと、気持ちを言葉にすること
精神交互作用
目的本位と行動本位
欲望と不安は心の両面 不安と希望は表裏一体
愛することと働くこと
無理していい
頑固から素直に
どうなりたいか
あるがまま
心は万境に随って転ず
おわりに
- 出版社 : 幻冬舎
- 発売日 : 2023/6/2
- 新書 : 176ページ