ベッドサイド訪問ハープ奏者とは

「ベッドサイド訪問ハープ奏者」とは、ホスピスや緩和ケア、病院、高齢者施設などで、一人ひとりの患者さんのそばでハープの生演奏を提供する音楽家を指します。その演奏は単なるコンサートではなく、目の前にいる方の状態やその人らしさに深く寄り添いながら、心に響く音を届けることを大切にしています。

この日、『あいの実ラズベリー』でハープの音色に耳を傾けたのは8名の子どもたちでした。曽我氏は全体への演奏の後も、一人ひとりに優しく語りかけながら、再びハープを奏で、静かな癒しと温もりを提供しました。

医療ケアを受ける女の子のためにハープを演奏する曽我あかね氏

曽我あかね氏の活動の原点

曽我あかね氏は、かつてあいの実を利用していたご家族の一員でした。重度の障がいを持つ息子さんと過ごしたご自身の経験が、現在の「癒しの音」を社会に届ける活動の原点となっています。

曽我氏は、ハープとの出会いを次のように語っています。息子さんがNICUで過ごしていた頃、ハープに触れる機会があり、弦の振動が骨まで伝わり、深い癒しを感じたと言います。そして、演奏に対する息子さんの反応について、「ハミングなどしてくれましたが、残念ながら私の息子にそのような反応はありませんでした。それでも、happy birthdayなど、折々の気持ちをハープに込めて伝えることができて、良かったと思っています」と述べています。

曽我氏にとってハープは「相棒であり、なくてはならないもの。そして私と、旅立った息子をつなぐものです。演奏を、自分と息子で届けているのかな、という思いもあります」と、その深い絆を明かしています。

ハープの演奏を見つめる子どもたち

大切な方を失った方々へは、「言葉では難しいと思っています。ほんの少しでも自分のできることとして、ハープの音色に思いをこめてお届けしています」とメッセージを寄せています。

笑顔でハープを演奏する曽我あかね氏

社会福祉法人あいの実が目指す「共生の場」

社会福祉法人あいの実では、曽我氏によるハープ演奏をはじめ、療育キャンプ、絵画展、視線入力アートを形にするプロジェクト、外国人介護人材の受け入れなど、多岐にわたる形で地域社会との連携を推進しています。個々の支援に加え、ボランティアや市民、団体、企業との協働を通じて「共生の場」を創出することを目指しています。

曽我氏のような存在は、音楽や芸術を通して福祉施設と社会を優しく繋ぐ架け橋となり、これからの福祉の可能性を広げる力となっていることでしょう。

ハープを演奏する曽我あかね氏のポートレート

曽我あかね氏 プロフィール

曽我あかね氏は、米国 International Harp Therapy Program を修了し、CTHP、「よりそいのハープ」副代表を務めています。息子のNICU入院をきっかけにハープの音に出会い、医療・ケア現場でのハープ実践を学びました。現在は、ホスピスや福祉施設などでハープの音色を届ける活動を行っています。2023年からはInternational Harp Therapy Program 主宰のChristina Tourin氏によるオンライン講座にて、通訳・翻訳も担当しています。

関連情報

曽我あかね氏のハープ演奏活動や社会福祉法人あいの実の取り組みについて、さらに詳しく知りたい方は以下のリンクをご覧ください。

社会福祉法人あいの実 団体概要

  • 法人名:社会福祉法人あいの実

  • 所在地:宮城県仙台市

  • 代表者:理事長 乾 祐子

  • 設立:2021年(令和3年)

  • 事業内容:重症心身障害や医療的ケアを必要とする方々への生活介護、短期入所、居宅サービス等の福祉事業を展開。地域に根ざした支援と、家族に寄り添う取り組みを続けています。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77