Last Updated on 2025年12月18日 by 菅間 大樹
重症筋無力症(MG)が抱える課題
MGは厚生労働省により「指定難病」に定められている希少疾患で、日本国内の患者数は約3万人と年々増加傾向にあります。筋力低下、複視、構音障害など症状は多岐にわたり、時間や日によって変動するほか、個人差も非常に大きいのが特徴です。そのため、患者一人ひとりの生活の質(QOL)を著しく低下させる要因となっています。
患者が経験する「筋力が落ちると関節が痛い」「複視があると吐き気が出る」といった二次的症状や日常の困難は、医学書の定型的な記述とは異なることが多く、これが診断・治療開始の遅れや社会的誤解、生活支援の滞りにつながっています。
患者の声を医療と社会へ届けるプロジェクト
このプロジェクトは、「医学は本来、患者の経験から始まる」という原点に立ち返り、医学書には記されていない患者の声を医療現場と社会に届けることを目指しています。
中心メンバーの一人であるナツミさんは、「非典型例や診断に至っていない患者の訴えは、『診断の枠外』として扱われ、適切な理解や支援につながりにくい。こうした経験から、患者の経験や思いが適切に医療や社会に届けられる仕組みが必要」と語っています。
新プロジェクトの主な活動内容
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MGに理解のある若手医療者を顕彰する制度
MG患者のリアルな症状に真摯に向き合うキャリア初期の医療従事者(医師、看護師、理学療法士など)を、MG専門家のコメントとともに顕彰します。これにより、医学書にはまだ掲載されていないMG患者の実態と症状への理解を広め、質の高い医療の提供を支援します。 -
患者の実体験の記録(ペイシェントジャーニー)の作成
発症、診断過程、症状の多様性、治療の選択、人生への影響などを質的データとして整理し、専門家監修のもと教材として出版します。「100人いれば100通りのMGがある」という多様性をエビデンスとし、医療教育の改善や診断精度の向上につなげます。
永続的な仕組みとしての財団設立
活動を一時的なものにせず、次の世代にも渡せる「社会を変えるためのインフラ」として機能させるため、以下の永続的な仕組みを構築します。
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基本財産を国債で運用
集まった寄付金は財団の基本財産として元本保証の国債で運用され、その運用益によって活動が行われます。一度寄付された資金が無くなることなく、長期的に活動を支え続ける仕組みです。 -
プロボノによる運営体制
理事は全員ボランティアとして活動し、監事や評議員に就任予定の医師らもすべてプロボノ(専門家による無償ボランティア)として参加しています。法律関連は西村あさひ法律事務所、税務・会計関連は税理士法人フィデス会計社からプロボノ支援を受けています。
クラウドファンディングで支援を
現在実施中のクラウドファンディングは、初期目標300万円を達成間近であり、事業拡充のため400万円をネクストゴールに設定しています。2026年3月には正式に一般財団法人としての登記を目指しています。
この取り組みには、国際医療福祉大学医学部脳神経内科学教授の村井弘之氏、公益財団法人東京都医学総合研究所社会健康医学研究センター客員研究員の川村佐和子氏、国立精神・神経医療研究センター病院身体リハビリテーション部主任の寄本恵輔氏といった専門家からも応援メッセージが寄せられています。
ぜひ、重症筋無力症の患者さんの未来を拓くこのプロジェクトにご賛同いただき、ご支援をお願いいたします。
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クラウドファンディング期間:2025年11月7日(金)〜2026年2月7日(土)
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目標金額:初期ゴール 300万円、ネクストゴール 400万円
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クラウドファンディングサイト:https://congrant.com/project/mg-kikin/20055
このクラウドファンディングは「GIVING100 by Yogibo」の応援プロジェクトであり、目標金額を達成した場合、寄付決済時に発生する決済手数料は株式会社Yogiboが全額負担します。
本件に関する問い合わせ先
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団体名:重症筋無力症かけはし基金 設立準備委員会
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メールアドレス:mailto:info@mgkikin.jp

