導入の背景:管理職が抱える「キャリアの閉塞感」

神奈川県茅ヶ崎市や藤沢市を中心に、福祉用具の販売・レンタル、バリアフリーのリフォーム工事、機能訓練型デイサービスなど、多岐にわたる事業を展開する株式会社ニッショウ。同社には現在12の事業所があり、各事業所を率いる管理職14名が在籍しています。これらの管理職は現場のリーダーとして非常に優秀で、長年にわたり同社の成長を支えてきました。

しかし数年前、一部の管理職から「これから先のキャリアが見えない…」という声が上がり、キャリアに対する漠然とした不安を抱える社員がいることが明らかになりました。特に中小企業では、組織のピラミッド構造上、上位ポストの選択肢が限られることで、「自分のキャリアはここで行き止まりではないか」という閉塞感を抱きやすい傾向があると言われています。

そこで同社は、社員が自身のキャリアを前向きに捉え直し、今後の歩みを考えるきっかけを作るため、外部サービスの利用を検討し始めました。社内の人事担当者には話しにくい本音でも、外部のキャリアコンサルタントであれば安心して話せるという点も、外部サービスに期待するポイントでした。

Kakedas選定の理由と、導入後の反響

Kakedasの導入にあたり、株式会社ニッショウは他社との比較検討を行わず、Kakedasを選択しました。その背景には、Kakedasの親会社である株式会社ジェイックとの長年にわたる信頼関係がありました。社員のキャリアに関する悩みは非常にデリケートな問題であるため、長年の付き合いがあり、同社の状況を理解しているジェイックグループのサービスであれば安心して任せられるという確信があったとのことです。

面談サービス導入後、劇的な変化がすぐに現れたわけではないものの、面談を受けた社員からは「利害関係のない第三者に話を聞いてもらえたことで、自分の中に溜まっていた『モヤモヤ』を吐き出せた」と好評でした。社内での1on1や面談では、上司が評価者であるため、社員はどうしても本音を話しにくい心理的なブレーキがかかります。その点、Kakedasのキャリアコンサルタントは「第三者」であり、キャリアの専門家であるため、会社とは切り離された安全な場所で相談できることが、社員にとって良い機会となりました。

データレポートから見えた組織課題と次なる一手

1年目の面談終了後、Kakedasから全体傾向をまとめたデータレポートが提供され、その解説を受けました。データレポートの結果は、同社の代表取締役が普段から抱いていた組織の印象と近いものであり、Kakedasが会社の内情を知らないにもかかわらず、面談データの分析を通じて、当事者の感覚に近い結果が出たことに納得感があったと言います。

レポートから特に浮き彫りになったのは、管理職たちの承認欲求が満たされていなかったという点です。彼らは日々の業務で現場のスタッフを褒め、認め、モチベーションを維持する「与える側」の役割を担っていますが、データ分析を通じて、彼ら自身が誰かに認められ、自身の価値を再確認できる機会が少なかったことが判明しました。このレポートは、管理職も一人の社員として承認を求めているという事実に、改めて気づかされるきっかけとなりました。

このレポート結果を踏まえ、Kakedasの担当者から「自分の強みを再発見し、お互いに承認し合える機会を作るためストレングスファインダー研修を実施してはどうか」という提案がありました。同社はこの提案を前向きに捉え、速やかに計画、実施することにしました。

Kakedas(カケダス)とは

株式会社Kakedasが提供する「Kakedas(カケダス)」は、「相談のインフラを築く」というミッションのもと、企業の従業員を対象にキャリア自律の促進、キャリアオーナーシップ向上、エンゲージメント強化、離職防止、組織課題の抽出を実現するキャリア面談プラットフォームです。

利用者はKakedas上で、自身が相談したい国家資格キャリアコンサルタントを選んでキャリアや仕事に関する相談を行うことができます。守秘義務が守られる社外の第三者だからこそ、安心して本音を話すことができ、感情や思考の整理や内省が促進され、前向きな思考や行動が引き出されます。

Kakedasには4,105人(2026年1月31日時点累計)の国家資格キャリアコンサルタントが登録しており、性別、年代、ビジネス・キャリア・人生経験も多種多様です。利用者は、性格特性によるマッチングやキーワード検索機能、詳細プロフィール、過去の相談者レビューなどを参考に、自身に合ったキャリアコンサルタントを指名できます。

福祉分野で働く人々のキャリア支援の重要性

株式会社ニッショウの事例は、福祉分野で働く人々が抱えるキャリアの課題に対し、外部の専門家による客観的な視点とサポートがいかに重要であるかを示しています。社員一人ひとりが自らのキャリアを前向きに捉え、成長していくことは、結果として組織全体の活性化に繋がり、ひいては提供される福祉サービスの質の向上にも貢献するでしょう。

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findgood

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77