パートナーシップ契約の背景と目的
AMATUHIは「『障がい』の有無に関わらず、全ての人が自分らしくあるために、豊かな暮らしを創造すること」をミッションに掲げ、障がい者グループホーム「AMANEKU」の運営を通じて、利用者一人ひとりの可能性を最大限に引き出す支援を行ってきました。
一方、YetiCare社は「尊厳のある、心豊かな毎日を育む(Fosters a meaningful everyday life)」という理念を持っています。両社のミッションが共鳴し、北欧発の先進的なインクルーシブテクノロジーを日本に導入することで、日本の福祉・介護現場における利用者の幸福度と社会参加の実現という課題解決に貢献することを目指しています。
既存の介護テクノロジーが業務効率化に重点を置くことが多い中、YetiCareは利用者のQOL向上(幸福度・自己表現・社会的なつながり)に直接的に寄与するソリューションとして注目されています。
YetiCareソリューションの概要
YetiCare社は、世界幸福度ランキングで7年連続1位を誇るフィンランドに拠点を置くヘルステック企業です。そのソリューションは、以下の3つの特徴的な要素で構成されています。

1. YetiTablet(イエティタブレット)
55~65インチの大型タッチスクリーンを搭載し、Google EDLA認証済みのAndroid OSで動作します。Google Playストアから300万以上のアプリケーションにアクセス可能で、厚さ4mmの強化ガラスを採用しており、アルコール消毒も可能な高い衛生性能と安全性を備えています。昇降・チルト機能を備えた移動式スタンドにより、利用者に合わせた調整が可能です。
2. YetiApps(専用アプリケーション群)
ケア専門職や教育者と共同開発された50種類以上の専用アプリが搭載されています。これらのアプリは、運動機能、認知機能、協調性、社会性の向上を支援し、様々な機関での実験や研究に基づき、その効果が検証されています。
3. YetiLauncher(ユーザーインターフェース)
視覚・身体障がいのある方でも直感的に操作できるよう設計されたユーザーインターフェースです。アプリロック、サイズ調整、カスタマイズ機能が標準搭載されており、高度なデータプライバシー保護も提供されます。
YetiCareは単なる「ケアデバイス」ではなく、すべての人に平等なデジタルへのアクセス機会を提供し、社会参加と自己実現を促す「インクルーシブテクノロジー」として位置づけられています。
今後の展開計画
AMATUHIは、障がい者グループホーム「AMANEKU」において2025年度からYetiCareの先行パイロット導入を実施しています。利用者やご家族、支援職員の声を丁寧に収集し、日本の福祉・介護・医療現場に適した実装モデルの構築を推進中です。
今後は、行政や導入を検討する施設・事業者への情報提供を進め、TAISコード(福祉用具情報システム)の取得を予定しています。また、各自治体と連携し、「介護テクノロジー導入支援事業」などの補助制度への対応も視野に入れ、機能開発・改善を継続していく方針です。
パイロット結果を踏まえ、日本国内での販売拡大を見据えた総代理店契約の締結を検討しており、最終的には全国の福祉・介護・医療・教育施設への展開を目指しています。
両社からのコメント
YetiCare社 Founder & CEOのMaria Jokelainen氏は、自閉症の子どもを育てる親としての経験からYetiCareが生まれたと述べ、テクノロジーが真に人を支える形で設計されるべきだと強調しました。AMATUHIとのパートナーシップを通じて、障壁を取り除き、自立を支え、日常に確かな豊かさをもたらすことを目指すと語っています。
株式会社AMATUHI 代表取締役の吉田竜真氏は、自身も幼少期に精神障がいを経験したことから、誰もが自分らしく豊かに暮らせる社会を創りたいという想いでAMATUHIを創業したと述べています。YetiCareのインクルーシブテクノロジーと出会い、その理念をさらに深化させる可能性を確信しているとのことです。
YetiCare社の背景と実績
YetiCare社は2015年、自閉症スペクトラム障がいを持つ3人の子どもたちの親であるマリア・ヨケライネン氏とヤルッコ・ヨケライネン氏夫妻によって創業されました。「我が子が学び、世界とコミュニケーションを取れるように」という親の想いから、巨大なタブレットの開発が始まりました。この技術が多様な能力を持つすべての人々の学習能力、集中力、コミュニケーション能力向上に寄与することに気づき、事業化に至りました。
現在、YetiCareは世界10カ国以上で展開され、高齢者、障がい者、自閉症の子どもたちなど、多様なユーザーの生活を支えています。
欧州での主要導入実績
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スペイン最大級の介護事業者Clece
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アーケシュフース大学病院(ノルウェー)
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ダンデリード病院(スウェーデン)
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オッダー市行政(デンマーク)
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フィンランド自閉症財団
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Rinnekotisäätiö(フィンランド最大の障がい者支援組織)
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Validia Housing(フィンランド大手福祉住宅事業者)
ラップランド応用科学大学との共同研究プロジェクト「TYÖHYVE」では、74%の職員が「職場の健康に寄与した」と回答し、84%が「入居者の幸福度が向上した」と実感したという成果が報告されています。
利用者からは、社会的孤立の防止、自己表現の促進、グループ活動への積極的参加、達成感と自己効力感の向上といった評価が寄せられています。
YetiCareは、フィンランドをはじめとする欧州全域で、障がい者支援施設、障害児療育施設、特別支援教育、高齢者ケア、医療・リハビリ施設、教育機関など、幅広い領域で活用されています。
企業情報
YetiCare Oy
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本社所在地:フィンランド
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Interim CEO:Emma Granlund
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設立:2022年
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創業者:マリア・ヨケライネン、ヤルッコ・ヨケライネン
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事業内容:医療、福祉、リハビリテーション、教育分野における福祉テクノロジーソリューションの開発および提供
株式会社AMATUHI
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本社所在地:神奈川県横浜市中区桜木町一丁目1番地8 日石横浜ビル10階
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代表取締役:吉田竜真
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設立:2021年2月22日
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資本金:4,100万円(資本準備金含む)
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従業員数:1,220名(2026年1月現在)
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事業内容:障がい者グループホーム及び訪問看護「AMANEKU」の運営、建設・不動産開発事業の展開
AMATUHIとYetiCare社のパートナーシップは、日本の福祉・介護・医療現場に新たな可能性を拓き、障がいを持つすべての人々が自分らしく豊かな暮らしを送れる社会の実現に向けた大きな一歩となることでしょう。

