Last Updated on 2020年2月28日 by 菅間 大樹
「地域社会と連携した障がい者雇用」 を実現
アスクルは1月30日、子会社のアスクルロジストが運営する福岡物流センターが、日本能率協会主催「KAIKA Awards 2019」において「KAIKA大賞」を受賞したと発表しました。
アスクルロジストは、アスクルが展開するBtoB・BtoCのEC事業に欠かせない商品の出荷・配送業務を担い、主要拠点となる全国11か所の物流センターを運営。
今回は、九州全県と中国地方への出荷・配送を担う「福岡物流センター(ASKUL Logi PARK 福岡)」が「KAIKA大賞」を受賞。2011年から進めている「地域社会と連携した障がい者雇用」が“障がい者が戦力として安心して働ける場を醸成”し、センター全体として生産性の高い働き方を実現していることが、他に類を見ないケースと評価され、受賞にいたりました。
今回の受賞は、この取り組みについて「障がい者を戦力として雇用し成果を上げている点」、地域社会と連携して障がい者の成長を促進している点」が評価されたとのことです。
【採用率100%、定着率75%、法定雇用率は21.4%を実現】
アスクルロジストは、2012年に特別支援学校から新卒者を採用して以降、毎年採用を行い、今や、福岡物流センターの社員250名のうち43名が障がい者社員となっています。
福岡物流センターでの障がい者の雇用率は17.2%、法定雇用率は21.4%に達し、センター内でのピッキング、商品補充、梱包、検品、事務など幅広い業務に従事。応募者に対しての採用率は8年間で100%を実現、定着率は75%に達し、年次の長い障がい者社員はリーダー職に就き主力のスタッフとして活躍しています。
入社前の「インターンシップ」による事前準備から入社後少なくとも3年間に渡る「支援会議」などのフォローアップを地道に実践することで、個人のみならず、組織全体の生産性向上という結果を生み出しています。
代表的なプログラムのひとつが入社前の「2か月間事前実習」。特別支援学校と家族を巻き込み、障害の度合いや個人の特性を実習期間中から一人一人把握し、本人に適した訓練メニューを考えたうえ反復して理解を促進するもの。これにより、障がい者は入社後には即戦力として働くことができるようになります。
このほか、入社後に毎日、採用者・本人・家庭との間でやり取りする「コミュニケーションノート」を始めとしたフォローアッププログラムや、一人一人に合わせた成長プラグラム実施した結果、そのプロセスで他の社員も成長ができる土壌が育まれ、生産性の向上に繋がっている、としています。
【KAIKA Awardsとは】
日本能率協会(JMA)が主催する、社会価値を生み出す持続的な経営・組織・人づくりを行っている取り組みを称え、紹介するための表彰制度。変化・多様化する経済・社会情勢において、 「個人の成長」「組織の活性化」「社会とのつながり」を軸に、組織風土や意識の改革、仕組みづくりなどの活動に取り組んでいる好事例に対して、そのプロセスや成功要因、現場の知恵、社会的な意義などを共有し、部署・社内にとどまりがちなノウハウを顕在化させ、 活動に取り組んでいる個人や組織にエールを送ることを目的に2014年より実施しているものです。