Last Updated on 2024年10月8日 by 菅間 大樹
フットワークが使えない、剣さばきのテクニックとスピード
競技概要
脊髄損傷や下肢切断による、下肢に障がいのある人を対象とする車いすフェンシングは、「ピスト」と呼ばれる装置に固定した競技用車いすに座り、上半身だけで競技します。相手を剣で突くとポイントになるなど、ルールは立って行うオリンピックのフェンシングとほぼ同じです。しかし、フットワークが使えず相手との距離が近く、一定なので、剣さばきのテクニックやスピードが重要なポイントになります。スピーディーな展開の中、息詰まる攻防が続き、一瞬たりとも目が離せません。
パラリンピックでは、選手は3つのクラスに分けられ、カテゴリーA(Class 3およびClass 4)、カテゴリーB(Class2)の2つのカテゴリーのいずれかで競います。
より障害が重いカテゴリーBのClass 2には、障がいがあるが座位バランスは取れ、剣を持つ腕に障害がない選手が該当します。例えば下半身まひ、または四肢まひがあるが剣を持つ腕には障害がなく、いずれも座位バランスが取れるのが要件となります。
Class 3は、下肢の支えなく座位バランスが取れ、剣を持つ腕に障がいがない選手のクラスです。
Class 4は、下肢の支えによって座位バランスが取れ、剣を持つ腕に障がいがない選手のクラスです。
種目としてはメタルジャケットを着た胴体だけを突く「フルーレ」、上半身の突きを行う「エペ」、上半身の突きに斬る動作が加わった「サーブル」の3つがあります。
ルール
車いすフェンシングは剣やマスク、ウエアなどの道具はフェンシングと同じものを使い、相手を突いたかどうかを電気信号によって機械的に判定する電気審判器を使う点も同じ。
試合はまず、2台の車いすの車輪をピスト上の中央線(センターバー)に対して110度の角度で固定することから始まる。続いて、両選手間の距離を決める。2選手の腕と剣の長さを測り、短いほうの選手に合わせる。こうして1試合ごとに準備を整え、試合開始となる。
競技中は車いすの座面からお尻を離してはいけない、足はフットレストに常に置かれていなければいけないなどのルールもある。そのため、使用する車いすは選手ごとに体格や障がいに合わせて規定の範囲内でカスタマイズした競技専用のものを使用する。
エぺ、フルーレは国別団体戦(3対3)が行われる。団体戦のチームは3人の中にカテゴリーBの選手を必ず1名含まなければならない。
試合時間は、個人戦の予選では3分間で5トゥシュ(突き)先取制、決勝トーナメントでは3分間を3セット行い、15トゥシュ先取制で行われる。また、1チーム3選手で戦う団体戦では1人が3分間5トゥシュ先取制の試合を3セットずつ行い、最高9セット中に45トゥシュ先取か、タイムアップ時点で得点の多いほうが勝ちとなる。個人戦、団体戦とも、同点の場合は1分間の延長戦がサドンデス方式で行われる。
種目
・エペ
個人 カテゴリー A(男子/女子)
個人 カテゴリー B(男子/女子)
団体(男子/女子)
・フルーレ
個人 カテゴリー A(男子/女子)
個人 カテゴリー B(男子/女子)
団体(男子/女子)
・サーブル
個人 カテゴリー A(男子/女子)
個人 カテゴリー B(男子/女子)
カテゴリーA
腹筋があり、十分な座位バランスがある
カテゴリーB
腹筋がなく、座位バランスがない
対象障がい
肢体障がい
ロサンゼルス2028パラリンピック情報
日程:未定
会場:未定