Last Updated on 2023年7月16日 by 菅間 大樹

突然の発作。てんかんは、いつどんな症状が出てくるか予測が難しい病気の1つです。仕事をする上で、その症状から悩みを抱えることも少なくありません。
たとえば、「仕事はこのまま続けていけるのか」「転職したいけれど希望の仕事を見つけることができるのか」こんな悩みにぶつかることは、ありませんか?

突然の発作を考えると、通勤方法までしっかり安全な方法を吟味する必要があります。やりたくてもできない仕事もあり、就職先が決まらないと焦りを感じてしまうかもしれません。そして、長く続けられる仕事の見つけ方に迷うことがあるかもしれません。

今回は就職に関する悩みを解決するためのヒントとして、実際にてんかんと付き合いながら、仕事をしている体験者の方々のリアルな声を集めました。
アンケート結果を元に、仕事選びのポイントや、オススメのサービス・企業を紹介します。ぜひ、お仕事選びの参考にしてください。

目次

  1. てんかんとは
  2. てんかんの方が語る「困難と悩み」
  3. てんかんの方に聞く、満足できる職場とは
  4. 「てんかん」について会社に伝える
  5. てんかんの方にオススメの企業とは
  6. 求人の見つけ方
  7. 企業情報の集め方
  8. 面接の受け方
  9. 入社後にこころがけたこと
  10. 最後に

1.てんかんとは

てんかんは、突然意識を失って反応がなくなるなどの「てんかん発作」をくりかえし起こす病気ですが、その原因や症状は人により様々で、乳幼児から高齢者までどの年齢層でも発病する可能性があり、患者数も1000人に5人~8人(日本全体で60万~100万人)と、誰もがかかる可能性のあるありふれた病気のひとつです。
「てんかん発作」は、脳の一部の神経細胞が突然一時的に異常な電気活動(電気発射)を起こすことにより生じますが、脳のどの範囲で電気発射が起こるかにより様々な「発作症状」を示します。しかし症状は基本的に一過性で、てんかん発作終了後は元通りの状態に回復することが特徴です。
原因は様々で、脳腫瘍や頭部外傷後遺症などの明らかな原因がある場合は「症候性てんかん」、原因不明の場合は「特発性てんかん」と呼ばれます。 治療は適切な抗てんかん薬を服用することで、大部分の患者さんでは発作は抑制され通常の社会生活を支障なくおくれます。一方、抗てんかん薬では発作を抑えることができず、「難治性てんかん」として複数の抗てんかん薬の調整や外科治療などの専門的なてんかん治療を必要とする場合もあります。
てんかんをもつ人にとって、発作が起こっている時間は通常数秒から数分間にすぎないため、発作が起こっていないその他のほとんどの時間は普通の社会生活をおくることが可能です。従って、病気の特性を周囲の人がよく理解し、過剰に活動を制限せず能力を発揮する機会を摘み取ることのないよう配慮することも、てんかんをもつ人に対するケアを行う上で大切なポイントです。
またてんかんをもつ人は、小児では発達や就学、成人では就労や自動車運転、女性では妊娠と出産など、生活上のさまざまな問題に対する継続的なサポートを必要としています。

参考:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」

てんかんの方は治療を行い症状と付き合いながら過ごすこともでき、また発作があっても多くの方が普通に社会生活を送ることが可能とのことです。
ただ大切なのは、周りの方の理解やサポートです。仕事をする上でも大切ですね。

これを念頭に置きながら、まずはてんかんの方が仕事を行うときに悩んでいることを、アンケート結果から見てみましょう。

2.てんかんの方が語る「困難と悩み」

実際にお仕事をする中で、てんかんの方が感じた困難や悩みには、どんなものがあるのでしょうか。アンケートから、いくつかの声を紹介します。

2-1 てんかんの方に多い悩みは「制限」と「疲労」


「残業が続いたりして疲労がたまると、手の指先が痙攣する。そのためパソコンでの仕事に支障がある時がある。」
「疲れやストレスが蓄積すると発作や痙攣を起こし酷い時には入院する事になる。」
「日常生活や仕事には特段の影響はないが、突然意識を失うことがある。 よって、高所での作業や運転を要する仕事に制限がある。」
「てんかんはいつ発作がおきるか分からないから夜勤や一人での勤務が難しい。」
「基本給が安い。週に29.5時間以上勤務することが出来ないので、上限も決まってしまう」
「とてもありがたいとは思っていますが、仕事内容の量が少なすぎることです。」
「自動車の運転免許を持つことができなかったから通勤に時間がかかった。」

車の運転や勤務時間の制限などにより、業務内容や時間、通勤方法が制限されるとために、自分の希望との相違がでてしまうようです。また疲れがたまることで症状があらわれやすいこともあり、常に自分の体調を確認しながら仕事を進めることが必要のようです。
また、突然あらわれる症状とその影響に悩む方も多くいらっしゃいます。

続きは

へ。


 

Written by

今井 靖之

findgood編集者、ライター。

大手電機メーカーで半導体電子部品のフィールドアプリケーションエンジニア、インターネットサービスプロバイダのプロモーションやマーケティングに従事。以後フリー。

身内に極めて珍しい指定難病者を抱える。

神奈川県川崎市在住。サブカルヲタク。「犬派?猫派?」と聞かれたらネコ派、猫同居中。