Last Updated on 2023年7月27日 by 菅間 大樹
ADHDを含めた私たち発達障害の当事者は、できることとできないことの差が極端で、職場でも誤解されやすいものです。周囲の理解が得られなければ、仕事上の人間関係にも大きく影響します。
「上司や同僚からの理解が得られず、解雇されてしまう」「転職を繰り返し、どこの職場でも長く続かない」「面接でも採用してもらえず、なかなか就職先が決まらない…」などの悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
そんなときは、同じ障害を抱える仲間の実体験に耳を傾けてみましょう。
この記事では、働きながらADHDと向き合っている方から寄せられたアンケートによる体験談、そして私の経験をもとに、ADHDの方に「職場選びのポイント」や「オススメの企業」をご紹介します。
目次
- ADHDとは
- ADHDの方がオススメする続けられる職場
- ADHDの方がオススメする企業や業界
- ADHDの方に向いている企業の探し方
- 面接のポイントを押さえておこう
- ADHD当事者が入社後に心がけていること
- 最後に
1.ADHDとは
■ADHD(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)は ・注意欠如・多動症 ・注意欠如・多動性障害 ・注意欠陥・多動性障害などと訳されます。 「多動性・衝動性」症状がみられる神経発達症の一つと考えられています。 ※神経発達症とは「発達障害」とほぼ同じ意味で使われる言葉 ■多動性・衝動性 症状とは ①「不注意」症状 ・忘れ物が多い ・課題が間にあわない ・うっかりミスが多い ②「多動性・衝動性」症状 ・じっとしていられない ・落ち着かない ・待つのが苦手 大人になると、もともとの傾向は変わらないものの、症状の一部(特に「多動性」)が目立たなくなって、診断の枠に入らない状態になる人もいると言われています。 自閉スペクトラム症(社会的コミュニケーションやこだわりの問題)や限局性学習症(読み、書き、算数能力の問題)、発達性協調運動症(不器用の問題)などの、その他の神経発達症の症状が同時にみられる場合があります。 一方で、ADHD傾向のある人の中には、普段は不注意が目立つが大事な時にものすごい集中力を発揮したり、多動性が「高い活動性、積極性」として評価されたり、衝動性が「優れた決断力、発想力」として認められたりすることもあり、その傾向がうまく生かされて社会の中で活躍している人もいると考えられています。 ADHDは、不注意や多動性・衝動性の症状が同年代よりも強く認められ、症状の少なくとも一部は小さいころから連続して存在していたと考えられ、さらに学校や職場や社会で、その症状のためにうまくいかず困っている状態が確認された場合に診断されます。診断はこれまで児童精神科や小児科で行われてきましたが、最近一般の精神科でも診断されることが少しずつ増えてきています。 ■子供と大人の症状の違い 一般的には子どものときにはどちらかというと多動性が目立ち、おとなになると多動性が外面的には目立たなくなるため、相対的に不注意が目立つようになると言われています。 ■大人のADHDの症状 ①不注意 ・仕事や日常生活での不注意ミスが多い ・仕事上で、注意の持続が困難。上の空と周囲から注意される。会議中寝てしまう。 ・仕事の優先順位を考え、計画を立てるのが苦手。仕事を先延ばしにしたり、ためこんだりする。 ・整理整頓が苦手。机に物を積み上げる。 ・落とし物、失くし物、忘れものが多い。 ・スケジュール管理ができない。約束を忘れる。遅刻が多い。 ②多動性、衝動性 ・いつも落ち着かない感じを与える。 ・体を動かしていることが多い。じっとしているのが苦手。 ・静かにすることが苦手。おしゃべりとか声がでかいとか言われる。 ・順番待ちや交通渋滞、その他の待つことが苦手。 ・熟慮せずに発言するまたは行動する。おせっかいや余計な一言が多い。 ■周りの方のサポート ADHDの方は、「自己不全感(うまくいっていない感じ)」や「疎外感」に悩まされていることが多いため、周りの人はまずADHDについて理解し、本人が悩んでいる点について理解を示してあげる必要があります。自己不全感や疎外感を助長するような声かけは、事態をさらに悪化させる場合が多いと考えられています。 ■ADHDの方が注意すること ADHD傾向を持つ人の中には、その傾向のプラスの面が評価され、世の中で活躍している人もいます。現状としてうまくいっていない人でも、適切な支援や治療を受けることにより、ADHDの特性自体は変わりませんが、学校や職場、社会への適応の度合いは向上することが多いと考えられています。 ADHDという診断を受けた場合には、まずは主治医との治療関係が良い形で築かれることが大切です。おとなのADHDの人は、もともとの特性から通院日や通院時間を忘れてしまったり、服薬が規則的にできなかったりするので、主治医や家族とも相談して、服薬や通院が安定してできるシステムを構築していく必要があります。 また、ADHDへの理解とそれに伴う自己理解を進めていく必要があります。医療機関や専門機関などが主催する勉強会や講演会に参加したり、当事者向けの本を読んだりすることをおすすめします。 また、自分をサポートするネットワークを作っていくことも必要です。ADHDの人にとって、安心感のある居場所・行き場所や達成感のある仕事・課題・趣味活動が設定できることは、社会で生きていく際に最も大事なことだと思います。医療機関や地域の生活支援、就労支援事業など、社会資源をうまく活用し、自助グループ、当事者の会などに参加して、できるだけ社会の中で孤立せずに生活していくことが大切です。 |
このように、ADHDによる症状は人によりそれぞれではありますが、ある程度の傾向がみられるようです。まず自分の理解を深め、周りに理解してもらうことが必要のようですね。 それは、仕事をする上でも同じです。
まずは、ADHDの方の悩みを見てみましょう。
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