Last Updated on 2023年7月27日 by 菅間 大樹

車いすを利用している方が転職を考えるとき、向いている仕事(適職)は何か、続けられる仕事は何かと迷われることもあるのではないでしょうか。

仕事で苦労している方がいらっしゃる一方で、自分にあった仕事を見つけることで楽しく仕事が続けられているという話も耳にします。

今回は、車いすを利用しながら働いている方78人の体験談やアンケートから、働きやすい職場、業界、業種を調査・分析いたしました。

車いすを利用している方に人気の仕事や満足度の高い職場、おすすめの業界や業種など、実際の分析データとともにご紹介していきます。

車いすを利用していることは同じでも、生活状況や働き方などにより悩みはそれぞれだと思います。ご自身の特徴などと見比べながら転職のヒントにしてみてください。

目次

  1. 車いすを利用している方の職場に対する満足度
  2. 車いすを利用している方にとって満足度が高い職場
  3. 車いすを利用している方にとって満足度が低い職場
  4. 車いすを利用している方におすすめの業界
  5. 車いすを利用している方におすすめの職種
  6. 車いすを利用している方の転職活動の進め方
  7. まとめ

1.車いすを利用している方の職場に対する満足度

まずは満足度の高い職場について、その傾向をみてみましょう。

※アンケート「あなたはその会社の就労環境に満足していますか?」を集計して割合を抽出

このグラフは、今回アンケートに回答してくださった方の職場に対する満足度の割合を表したものです。

・とても満足している 15%
・満足している    41%
・満足していない   9%
・全く満足していない 10%

という結果になりました。
半数以上の方が職場に対して満足していることが分かります。

では、「満足度が高い職場」にはどんな特徴があるのでしょうか?

2.車いすを利用している方にとって満足度が高い職場

次のグラフは、車いすを利用している方の職場に対する満足度が高いと答えた方の理由を集計した結果です。

※アンケート「あなたが答えた満足度について理由を教えてください」を分類しプラス評価している内容を集計して割合を抽出。5人未満の少数回答は除く。

満足度が高いと感じる1番の理由は「施設や設備が整っている」

車いすを利用する方が働く際には、職場の施設や設備が働きやすいよう整っていることが必要不可欠です。トイレやちょっとした段差、道の広さなど一般の方には何ともないことでも、車いすを使用している場合は働きやすさに直結します。施設や設備が整っていることは職場の満足度が高いと感じる上で必須と言えるのではないでしょうか。

では「施設や設備が整っている」職場に関して寄せられたコメントを見ていきましょう。


上司に相談し、トイレの改造を始め、車椅子で働けやすい環境に対応して頂いた
自動車・運輸・輸送機器、エンジニア・技術職

バリアフリーで車椅子動線が確保され、病気についての理解があったから
医療・福祉・介護、福祉関係、男性

物のしまう場所の変更とレイアウトの変更。車椅子で移動しやすいところに座席がある
団体・連合会・官公庁、一般事務、女性

設備やスペースには不自由がなく、通勤手段も自家用車の利用が認められていること
化学・素材、軽作業、男性

コメントからは、「施設や設備が整っている職場」とは以下のような職場だとわかります。

  • 車いすでも利用しやすいトイレがある
  • 職場内をスムーズに移動するための動線が確保されている
  • 物の置き場所やレイアウトが工夫されている

また、車いすを利用している方は、通勤に関する悩みを多く取り上げています。職場の中の設備が整っているだけでなく、車通勤の可否や職場までの距離なども重要になりますね。

一番上に紹介したコメントで「上司に相談し、トイレの改造を始め、車いすで働けやすい環境に対応して頂いた」というものがありました。働きやすい環境が整っていない場合は、車いすの方の雇用に合わせて設備の改装を施してくれるのが理想ですが、全ての職場でそのような対応ができるとは限りません。
しかし、大きな改装ができなくても、物の配置や周辺の動線を確保してくれるなどの対応は満足度の高さにつながります。

では次に、満足が高い職場の2番目の理由について見ていきましょう。

続きは

へ。


Written by

今井 靖之

findgood編集者、ライター。

大手電機メーカーで半導体電子部品のフィールドアプリケーションエンジニア、インターネットサービスプロバイダのプロモーションやマーケティングに従事。以後フリー。

身内に極めて珍しい指定難病者を抱える。

神奈川県川崎市在住。サブカルヲタク。「犬派?猫派?」と聞かれたらネコ派、猫同居中。