ASD(自閉スペクトラム症)のある方の中には、その特性とうまく付き合いながら仕事を続けている方もいれば、仕事との向き合い方に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
例えば、コミュニケーションが苦手、感覚過敏がある、臨機応変な対応ができないなど、ASD(自閉スペクトラム症)ならではの悩みを感じることはありませんか?
悩みを解決するためには、同じ境遇の方々の声が参考になります。今回のコラムでは113人のASD(自閉スペクトラム症)のある方から寄せられた口コミをもとに
・仕事の悩みと解決策
・仕事の探し方
に関するアドバイスをご紹介していきます。
障害者雇用の専門家 水谷愛さん(精神保健福祉士、公認心理師)にもアドバイスをいただきました。
仕事関する悩みや不安がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
*この記事は水谷愛さんに監修していただきました 水谷愛さん 精神保健福祉士(精神科ソーシャルワーカー:社会福祉専門職の国家資格)、公認心理師、臨床心理士、産業カウンセラーの資格を取得。精神障害者デイケアにて5年、スクールカウンセラーとして10年、発達障害者就労支援センターにて4年の経験を積み、現在は障害者就労移行支援事業所にてサービス管理責任者として勤務しています。著書『「がんばり屋さん」のこころのトリセツ』も好評。 |
目次
- ASD(自閉スペクトラム症)とは
- ASD(自閉スペクトラム症)の特性による仕事の悩みと対策
- ASD(自閉スペクトラム症)の方が職場で抱える悩みとその対策
- 転職や就活ではASD(自閉スペクトラム症)をオープンにするかクローズにするか
- ASD(自閉スペクトラム症)の方におすすめする企業・業界・職種
- 求人の見つけ方
- 企業情報の集め方
- 専門家からのアドバイス
- 最後に
1.ASD(自閉スペクトラム症)とは
大人のASD症状には、以下のような特性があると言われています。
・親密なつきあいが苦手
・人と共感しない
・冗談やたとえ話がわからず字義通りに理解する
・会話が一方的である
・急な予定変更に混乱する
・融通がきかない
その特性は、人により異なります。そしてこれらの特性により、仕事との向き合い方に悩む方もいます。
厚生労働省のサイトでは、ASDの方に対する職場での支援を以下のように示しています。
職場での発達障害支援 1.大人になってから診断される発達障害では、診断自体よりもASD特性を評価することが重要である。 2.評価した医師は、職場の産業保健スタッフと連携して、職場と個人の両方に方針を示さなければならない。 3.職場で起こった問題を安易に個人の発達障害が原因であると考えず、まず職場がもつ問題をふりかえり、職場で可能な対応を考える。 4.職場と医療を知り、職場に適切な対応を提案できる産業医の役割は非常に重要であり、精神疾患であるとして外部や嘱託の精神科医に任せ過ぎないことが望まれる。 参考:厚生労働省「こころの耳」 |
まずは、自分のASDの特性をよく知る事が大切です。その上で、どのような仕事が向いているか、どのような働き方が必要なのかをじっくり考えていきましょう。 アンブレに寄せられた口コミには、自分の工夫と必要なサポートや配慮事項を職場とすり合わせることで、特性とうまく付き合いながら働く方法がたくさん寄せられています。詳しくみていきましょう
2.ASD(自閉スペクトラム症)の特性による仕事の悩みと対策
ASD(自閉スペクトラム症)のある方は、仕事をする際にどのような悩みを抱えているのでしょうか? 先にも述べたようにASD(自閉スペクトラム症)といっても、症状は人それぞれです。
症状も違えば、悩みも異なることと思いますが、アンブレに寄せられた多くの口コミから悩みの傾向を見てみましょう。
【ASD(自閉スペクトラム症)の特性による仕事の悩み】 ・気分に波がある(やる気のある時、ない時の差が激しい) ・コミュニケーションが苦手(他人の気持ちを察することが難しい、空気が読めない) ・ワーキングメモリーが少なく忘れっぽい ・ミスが多い ・集中しすぎて疲れやすい |
では、これらの悩みへの対策、皆さんはどのようにしているのでしょうか?
ここからは具体的なコメントとともに紹介していきます。
2-1.気分の波による仕事の悩みと対策
ASD(自閉スペクトラム症)のある方が仕事をする上で悩むことの一つが「気分に波がある」ことです。やる気のある時とない時の差が激しいときもあります。
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