ヤングケアラーとは?その現状と社会の課題

ヤングケアラーとは、家族の介護やその他の日常生活上の世話を行っていると認められる子ども・若者のことです。彼らは、本来大人が担うべき責任の一部を負うことで、学業や友人との交流、自身の健康など、子どもらしい生活に影響が出ることが少なくありません。

品川区では現在、約160件のヤングケアラーと関わりがあり、その多くがひとり親家庭、生活困窮、高齢・障害を持つ家族など、複雑かつ複合的な課題を抱えています。このような状況では、行政の資源だけでは十分な支援が行き届かないケースも存在します。

社会的背景としては、高齢化社会の進展、核家族化、貧困家庭の増加などが挙げられます。これらの要因が重なり、ヤングケアラーの存在が見過ごされやすくなっています。本人や周囲が「当たり前」と捉えてしまい、問題として認識されないことも多いため、社会全体での認識向上が不可欠です。

品川区とサンリオの協働:普及啓発動画制作の背景と目的

品川区に本社を置く株式会社サンリオは、「みんななかよく」という企業理念のもと、「One World, Connecting Smiles.(一人でも多くの人を笑顔にし、世界中に幸せの輪を広げていく。)」をビジョンに掲げ、グローバルエンターテイメント企業として事業を展開しています。サンリオは、そのマテリアリティの一つである「Well-Beingの充足」のもと、以前からヤングケアラーに向けたお仕事体験を実施するなど、支援に取り組んできました。

今回、ヤングケアラーの社会的認知向上と正しい理解を促進するため、サンリオが制作する普及啓発動画に品川区が監修として携わることとなりました。この連携は、区と同社が令和7年度からヤングケアラー支援事業で連携している取り組みの一環でもあります。

動画はこちらからご覧いただけます。
https://youtu.be/nDWzojVjaqM

ヤングケアラー支援における品川区の具体的な取り組み

品川区子ども家庭支援センターでは、ヤングケアラーとその家族を支援するために、以下のような多岐にわたる取り組みを実施しています。

  • 専門コーディネーターの配置

  • LINE相談窓口の開設

  • 配食支援

  • 通訳派遣

  • 生活・学習支援

  • 訪問支援

これらの支援を通じて、ヤングケアラーが抱える負担を軽減し、子どもたちが健やかに成長できる環境を整えることを目指しています。品川区の取り組みに関する詳細は、以下のウェブサイトで確認できます。
https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/

なぜ今、ヤングケアラー支援が重要なのか

ヤングケアラー問題は、個々の家庭の問題にとどまらず、社会全体で取り組むべき喫緊の課題です。特に、本人や周囲がケアを担っている状況に気づくための認識向上と、ヤングケアラーを社会全体で支えていく機運の醸成が重要とされています。

今回の品川区とサンリオの協働による普及啓発動画は、この「社会全体での認識向上」に大きく貢献するものと期待されます。動画を通じて多くの人々がヤングケアラーの存在を知り、理解を深めることで、より多くの支援が必要な子どもたちに手が差し伸べられるきっかけとなるでしょう。

 

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77