この記事で分かること
- インクルーシブ社会(共生社会)およびDE&Iの基本概念と、障害福祉における重要性
- 株式会社アシックスと株式会社神戸新聞社が共同開催するスポーツイノベーションWorkshopの概要
- **「愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会」**に向けた企業とパラスポーツの連携・支援の形
- 目隠し体験(ブラインド競技)などのパラスポーツ体験がもたらす視点変化と社会変革
「障害の有無に関わらず、誰もが自分らしく暮らせる社会をどのようにつくるか」というテーマは、現代の障害福祉や企業経営において重要視されています。
近年、多様性を認め合う社会を示す言葉として「インクルーシブ社会」や「DE&I(多様性・公平性・包摂性)」というキーワードを耳にする機会が増えました。しかし、これらを具体的な行動や体験として捉える機会はまだ限られているのが現状です。
そうした中、株式会社アシックスと株式会社神戸新聞社は、パラスポーツを起点に共生社会のあり方を考えるスポーツイノベーションWorkshop「パラスポーツから考える、インクルーシブな社会の推進」の開催を発表しました。
本記事では、障害福祉に関心のある方や企業の社会貢献活動(CSR)・DE&I担当者に向けて、パラスポーツを通じた社会の変革や、イベントで提案される体験価値について専門用語の解説を交えながらわかりやすく解説します。
パラスポーツと障害福祉が拓く「インクルーシブな社会」の基本
インクルーシブ社会(共生社会)の定義と障害福祉における役割
インクルーシブ社会(包摂的社会)とは、障害の有無、年齢、性別、国籍などに関わらず、すべての人が一人の人間として尊重され、共に支え合いながら社会に参加できる状態を目指す考え方です。
従来の障害福祉では、環境の整備や直接的な支援が中心とされてきましたが、近年では「社会の側にある障壁(バリア)を取り除く」という社会モデルの視点が普及しています。パラスポーツは、運動機能や視覚などに障害を持つ選手が工夫と技術で競い合うスポーツであり、人々の意識変革やバリアフリーの推進において大きな役割を果たすと期待されています。
企業活動で注目される「DE&I(多様性・公平性・包摂性)」とは?
企業や組織の持続的成長において、DE&Iの推進が欠かせない要素となっています。各単語の意味は以下の通りです。
- Diversity(ダイバーシティ/多様性):性別、年齢、障害の有無、文化など多様な背景を持つ人々が存在すること。
- Equity(エクイティ/公平性):スタートラインや抱える課題の違いに応じた適切なサポートを提供し、実質的な機会の平等を確保すること(「平等(Equality)」とは異なり、個別の事情に応じた個別の配慮を行う概念)。
- Inclusion(インクルージョン/包摂性):多様な個性が尊重され、組織や社会の一員として活かされていると感じられる状態。
障害福祉の文脈においても、単に障害者を雇用・支援するだけでなく、持てる能力を発揮し、対等に活躍できる環境をつくる取り組みとしてDE&Iが注目されています。
アシックス×神戸新聞社「スポーツイノベーションWorkshop」の概要
愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会に向けた機運醸成の狙い
2026年10月18日より愛知県・名古屋市を中心に「愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会」が開催される予定です。この大会に向けて、オフィシャルパートナーを務める株式会社アシックスと株式会社神戸新聞社は、大会の機運醸成とインクルーシブ社会の理解深化を目的としたワークショップを開催します。
アシックスは、さまざまな背景を持つアスリートがスポーツに取り組める環境づくりを目指し、パラスポーツ競技団体や大会のサポートを継続して行っています。本イベントでは、パラスポーツを切り口に、多様な特性を持つ人々が個性を活かして活躍できる社会の姿を参加者とともに考案する機会が提供されます。
ワークショップの開催日時・会場・参加費などの基本情報
ワークショップの実施概要は以下の通り発表されています。
| 項目 | 詳細内容 |
|---|---|
| イベント名 | スポーツイノベーションWorkshop「パラスポーツから考える、インクルーシブな社会の推進」 |
| 開催日時 | 2026年10月7日(水)15:30〜17:00(受付15:15〜) |
| 会場 | アンカー神戸(兵庫県神戸市中央区加納町4丁目2-1 神戸三宮阪急ビル15階) |
| 対象者 | パラスポーツ・インクルーシブ社会・スポーツビジネスに関心のある方 |
| 定員・参加費 | 定員50名程度/参加費無料(事前申込制、10月6日17時締切) |
アシックス担当者とパラアスリートによるプログラム構成
イベントでは、アシックスでパラスポーツ事業やウェルビーイング推進を担う社員に加え、パラアスリートとして実績を持つスタッフが登壇します。
【登壇者情報】
- 大谷 忍 氏:株式会社アシックス パラスポーツ企画部 部長
- 萩原 保 氏:株式会社アシックス ウェルビーイング推進部 部長
- アシックス パラスポーツ企画部 オペレーションチーム担当者:ロンドンパラリンピックのゴールボール女子日本代表金メダリストであり、リオ・東京パラリンピックにも出場。現在はブラインドフットボール選手として活動。
【タイムスケジュール】
- 15:30〜15:55:パラスポーツへの取り組みに関するプレゼンテーション
- 15:55〜16:20:登壇者によるトークセッション
- 16:20〜16:30:参加者との質疑応答
- 16:30〜17:00:パラスポーツ体験会(ブラインド競技体験)および記念撮影
体験型プログラムが促す「障害理解」と社会変革の可能性
ブラインド競技体験(目隠し体験)を通じた視点転換
本ワークショップの大きな特徴の一つが、目隠しを装着してブラインド競技の世界を体験する「パラスポーツ体験」です。
ブラインド競技とは、視覚障害を持つ選手が行うスポーツ(ブラインドフットボールやゴールボールなど)であり、音や声、触覚を頼りにプレイします。健常者が目隠しをして実際に体験することで、普段意識しにくい「見えない状態でのコミュニケーションの工夫」や「環境側の課題」に直接気づくきっかけになると期待されています。
体験を通じて視点を転換することは、単なる知識の習得を超えた本質的な障害理解や、配慮の必要性に気づく大きな効果があるとされています。
企業・地域・アスリートの「共創」がもたらす障害福祉への寄与
アシックスのようなグローバル企業と、地域メディアである神戸新聞社、そしてパラアスリートが連携し共創(Co-Creation)を行う取り組みは、障害福祉の周知拡大において効果的であると考えられます。
企業が自社のリソースや製品開発力を活かしてパラスポーツを支援し、行政や地域社会と協力することで、障害者がスポーツや社会活動に参加しやすいインフラ整備や意識改革が進むと期待されています。
よくある質問(Q&A)

Q1. パラスポーツの普及は、障害者の日常生活や社会参加にどのような影響を与えますか?
A. パラスポーツの普及は、障害者の健康維持や体力向上だけでなく、外出機会の増加やコミュニティ形成といった社会参加の促進に寄与すると考えられています。また、観戦者や企業側の理解が深まることで、街のバリアフリー化や合理的配慮の普及にも好影響を与える可能性があるとされています。
Q2. 企業の「DE&I推進」において、パラスポーツ支援はなぜ注目されているのですか?
A. パラスポーツには、障害や多様な特性を持つ人々が工夫を取り入れながら力を発揮するプロセスが凝縮されています。企業がパラスポーツ支援に取り組むことで、社内のダイバーシティ意識が高まるだけでなく、多様なユーザーのニーズに応える製品・サービスの開発や、社会的信頼の向上につながると捉えられています。
Q3. 「愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会」におけるアシックスの取り組みにはどのようなものがありますか?
A. アシックスは大会のオフィシャルパートナーとして、スタッフやボランティアが使用する製品の提供や、大会の成功・機運醸成に向けた多様な活動を実施することが発表されています。
まとめ|パラスポーツから始めるインクルーシブ社会への第一歩

障害福祉における「インクルーシブな社会の実現」は、特別な誰かだけが担うものではなく、社会全体で関心を高め、行動を重ねていくことが重要視されています。
アシックスと神戸新聞社が企画する「パラスポーツから考える、インクルーシブな社会の推進」のようなワークショップは、講義や当事者との対話、そして競技体験を通じて、誰もが自分事として多様性を捉え直す好機になると期待されます。
パラスポーツを知り、体験し、考えることをきっかけに、障害の有無に関わらず互いを尊重し合える共生社会への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

