就労継続支援A型事業所における活用事例

学会発表では、就労継続支援A型事業所で新たに選任された産業医による活動と職場定着支援の実践が報告され、その中で「キモチプラス」の活用事例が紹介されました。

この発表によると、産業医専任前後の比較において、以下のような成果が示されています。

  • 新規採用者の定着率100%
    それぞれ11か月間に新たに入社した利用者を対象に比較した結果、選任後に入社した12名は短期離職ゼロという、定着率100%を達成しました。
  • 在籍者全体の離職率の半減
    調査開始以前から在籍している利用者も含めた全在籍者を対象とした月平均離職率の比較では、選任前の3.10%に対し、選任後は1.76%と、離職率がおよそ半減しました。

「キモチプラス」の具体的な活用方法

発表では、産業医活動と連携した「キモチプラス」の具体的な支援の取り組みが紹介されました。利用者の体調や心理状態を日常的に把握し、支援につなげる仕組みが特に注目されています。

キモチプラスの活用フロー

  • 日々の勤怠・体調データ参照による面談前の状況把握
    システム上で共有される体調申告や勤怠情報、アラート通知を活用し、利用者の日々の状態を把握した上で面談を実施します。
  • 自己分析ツールを活用した合理的配慮の確認と整理
    利用者が作成した自己分析ツール結果(トリセツ)を参照し、現在の配慮が適切か、追加で必要な配慮はないかを面談の中で具体的に確認・調整します。
  • 面談記録の一元管理と支援者へのフィードバック
    面談内容や支援員への助言をシステム内に直接記録・管理し、共有範囲を制御しつつ通知機能を活用することで、支援者への円滑な情報連携を実現しています。

「キモチプラス」とは

「キモチプラス」は、企業における障害者雇用や福祉施設の運用をサポートするツールです。病気や障害のある方の10,000件を超える実例データをもとに、以下の機能を提供しています。

  • 体調とメンタルの記録、その可視化による自己理解の促進
  • 選択肢を選ぶだけで悩みや対策、相談ごとがまとまる機能による特性理解
  • 情報連携による職員や管理者の方々の負担軽減

「キモチプラス」の詳細については、以下のリンクからご覧いただけます。

現在、「キモチプラス」のトライアル利用も受け付けています。実際の画面を操作しながら、当事者・支援者・管理者それぞれの立場で体験が可能です。ご興味のある方は、info@kimochi-p.com までお問い合わせください。

学会発表概要

「キモチプラス」が紹介された第54回 日本総合健診医学会の概要は以下の通りです。

  • 学会名: 第54回 日本総合健診医学会 (https://www.shuwa-asc.com/jhep2026/)
  • 演題名: 小規模就労継続支援A型事業所における産業医活動と職場定着支援 ― 定着率・離職率の選任前後比較 ―
  • 発表者: 合同会社たむラボ、青山学院大学 田村 拓也、中牟田 ありさ

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77