「あすチャレ!」とは?共生社会を育むDEI教育プログラムの魅力

「あすチャレ!」は、「SOCIAL CHANGE with SPORTS」をスローガンに掲げるパラサポが、パラアスリートらを講師として迎え、小・中・高・特別支援学校向けの教育プログラムと、企業・団体・自治体・大学向けの研修プログラムとして国内外で展開しています。パラスポーツの体験やアスリートの多様な生き方に触れることで、参加者一人ひとりが多様性を認め、互いを尊重する心を育むことを目的としています。

プログラムは、以下の5つの種類があります。

参加者の心に変化!障がい者イメージ向上と高い満足度

「あすチャレ!」の大きな成果の一つは、参加者の意識・態度変容をデータで裏付けている点です。特に「あすチャレ!スクール」と「あすチャレ!ジュニアアカデミー」に参加した児童生徒を対象としたアンケートでは、授業後に「障がい者に対するイメージ」が大きく変化したことが明らかになりました。

授業前後で障がい者へのイメージがどう変化したかを示した棒グラフ

アンケート結果によると、授業後には「明るい」「尊敬できる」といったポジティブなイメージが上昇し、「不自由な」「かわいそう」といったネガティブなイメージはすべて下降しました。これは、プログラムがDEI社会の実現に向けた意識改革に貢献していることを示しています。

さらに、5つの「あすチャレ!」プログラム全体で、参加者の満足度は98%という非常に高い評価を獲得しています。この高い満足度は、プログラム内容の質の高さと、講師を務めるパラアスリートたちの魅力的なメッセージが参加者に深く響いている証拠と言えるでしょう。

10年の歩みと未来へ:パートナーシップで広がる「あすチャレ!」

「あすチャレ!」は、2025年度末までの10年間で、累計開催回数6,470回、参加人数66万人以上という驚異的な実績を達成しました。このプログラムの詳細は、「あすチャレ!」10年のあゆみで確認できます。

2026年度は、株式会社JTB、株式会社MIXI、中外製薬株式会社の3社を新たなパートナーとして迎え、全国で年間700回以上の開催を目指すとのことです。多様な企業との連携により、プログラムはさらに多くの人々に届けられ、共生社会への理解を深める機会を創出していくことでしょう。

注目すべき2025年度のトピック:進化し続けるプログラム

2025年度も「あすチャレ!」は様々な進化を遂げました。その中でも特に注目すべきトピックをいくつかご紹介します。

あすチャレ!メッセンジャー:インクルーシブ教育の力を全国へ

2025年5月には、パラパワーリフティング現役アスリートであり、パラサポのDEIプログラム推進部ディレクターも務める山本恵理氏が、長野県で700人の教育関係者に向けて「パラスポーツを通じて気づくー子どもたちの可能性を広げるインクルーシブ教育の力ー」をテーマに講演を行いました。

あすチャレ!Academy:防災編で共感力を育む

2025年9月には、パラアスリートから学ぶ共感力・DEI研修「あすチャレ!Academy」に新プラン「防災編」が加わりました。福祉防災学を専門とする同志社大学の立木茂雄教授と、阪神・淡路大震災を経験した現役パラアスリートが共同開発した実践型研修は、学術と現場の知見を融合させ、共感力を通じた防災意識向上を目指します。

あすチャレ!ジュニアアカデミー:新たな講師がデビュー

2025年10月には、北京2022冬季パラリンピックに出場した現役クロスカントリースキーヤーの森宏明選手が、「あすチャレ!ジュニアアカデミー」の新講師としてデビューしました。アスリートの経験を直接聞くことで、子どもたちはパラスポーツと共生社会への理解を深めることができるでしょう。

プログラム開催回数も節目を達成

  • 2025年10月には、5つのDEI教育・研修プログラム「あすチャレ!」の累計開催回数が6,000回に達し、参加人数は61万人を超えました。
  • 2025年12月には、「あすチャレ!スクール」にシドニー2000パラリンピック車いすバスケットボール男子日本代表の石原正治氏が新講師としてデビューしました。
  • 2026年2月には、「あすチャレ!スクール」の累計開催回数が3,000回に達し、参加人数は32万人を超えました。

日本財団パラスポーツサポートセンター(パラサポ)の取り組み

パラサポは「SOCIAL CHANGE with SPORTS」をスローガンに、スポーツを通じてDEI社会の実現を目指しています。2015年5月に活動を開始して以来、パラリンピック競技団体の運営基盤強化、パラアスリートの練習環境向上、普及啓発イベントの実施など多岐にわたる活動を展開してきました。

2018年6月には「日本財団パラアリーナ」をオープンし、これまでに延べ8.3万人を超えるパラアスリートが活用しています。また、2024年4月には、インクルーシブな種目を運動会に取り入れることで、先生や児童生徒がインクルーシブな考え方やその大切さを学ぶ新プログラム「パラサポ!インクルーシブ運動会」もスタートしました。

パラサポの活動について、より詳しく知りたい方は公式サイトをご覧ください。

まとめ:DEI社会実現に向けた「あすチャレ!」の未来

「あすチャレ!」は、この10年間で多くの人々の心に触れ、障がい者への理解を深め、共生社会への意識を高めることに大きく貢献してきました。パラアスリートの情熱と経験が、子どもから大人まで、多様な背景を持つ人々に「違いを認め、誰もが活躍できる社会」の素晴らしさを伝えています。

今後も、新たなパートナーシップやプログラムの進化を通じて、「あすチャレ!」はさらに多くの人々に影響を与え、DEI社会の実現を加速させていくことでしょう。一人ひとりが違いを認め合い、支え合う温かい社会を築くために、この素晴らしい取り組みがますます発展していくことを期待します。

 

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77