理学療法士が映画界へ進出!障がい児の映画出演を支える新たな専門職
映画制作の現場で、医療・福祉の専門家が重要な役割を担う事例が注目されています。中島哲也監督の最新作『時には懺悔を』(2026年8月28日全国公開)では、岩崎学園横浜リハビリテーション専門学校の卒業生である理学療法士の安田一貴氏が「スペシャルニーズスーパーバイザー」として参加し、障がいのある子どもたちの映画出演を多角的にサポートしました。
医療・福祉の専門知識が映画制作に貢献する「スペシャルニーズスーパーバイザー」とは
安田一貴氏は、小児分野を専門とする理学療法士であり、写真家としても活動しています。理学療法士とは、病気や怪我、障がいなどによって身体機能が低下した人々に対し、運動療法や物理療法を用いて身体機能の回復や維持を支援する医療専門職です。
今回安田氏が務めた「スペシャルニーズスーパーバイザー」は、映画やテレビなどの制作現場において、特別な支援や配慮が必要な出演者、特に障がいのある子どもたちに対して、専門的な知識と経験に基づきサポートを行う役割を指します。安全確保、体調管理、心理的ケア、撮影環境の調整など、多岐にわたるサポートを通じて、出演者が安心して演技に集中できる環境を整えることが求められます。
理学療法士・安田一貴氏の映画制作への参画と役割
安田氏は、理学療法士としてリハビリテーションや重度障がいのある子どもたちの支援に携わる傍ら、写真家として障がいのある子どもたちを撮影する活動を続けてきました。この活動を通じて撮影された一枚の写真が映画制作スタッフの目に留まったことがきっかけで、2023年から映画『時には懺悔を』の制作に参加することになりました。
映画『時には懺悔を』には、身体的・知的・精神的な障がいや発達特性により個別の配慮を必要とする子どもたちが20人以上、俳優として出演しています。安田氏は、キャスティング段階からスペシャルニーズスーパーバイザーとして参画。日頃の支援活動で築き上げた子どもたちやその家族との信頼関係を活かし、配役候補となる子どもたちを制作チームへ紹介しました。
撮影現場では、子どもたちの体調管理や安全面の配慮、身体の姿勢や抱き方、撮影環境の調整などを担当。医療・福祉の専門性を最大限に活かし、子どもたちが「一人の俳優」として映画制作に参加できる環境づくりを支えました。
安田氏は制作時の姿勢について、「専門職がリスクを理由に挑戦を止めるのではなく、安全に実現するためのアシスト役に徹することが重要だと考えました」と振り返っています。中島哲也監督も、安田氏の貢献について「安田さんに入っていただけなければ、この映画は完成しなかったと言っても過言ではない」と、その役割の大きさを評価しています。
映画『時には懺悔を』の概要と障がい児出演の意義
映画『時には懺悔を』は、2026年8月28日(金)に全国公開される中島哲也監督の最新作です。西島秀俊、満島ひかり、黒木華、宮藤官九郎、役所広司といった豪華俳優陣が出演し、探偵が9年前に起こった新生児誘拐事件にたどり着くストーリーが描かれます。
この作品の大きな特徴は、障がいのある子どもたちが多数出演している点です。物語の中で「生きているのが奇跡」と言われた小さな命が、孤独に彷徨う大人たちの心を動かしていく様子が描かれます。障がいのある子どもたちが俳優として参加することで、多様な人々が共生する社会の姿をリアルに映し出し、観客に深いメッセージを伝えることが期待されます。
中島哲也監督のプロフィール
映画監督・脚本家として、『下妻物語』(2004年)、『嫌われ松子の一生』(2006年)、『告白』(2010年)、『渇き。』(2014年)、『来る』(2018年)など数々の話題作を手掛けています。『告白』では第34回日本アカデミー賞最優秀監督賞・最優秀脚本賞を受賞しました。
安田一貴氏のプロフィール
岩崎学園 横浜リハビリテーション専門学校 理学療法学科を卒業後、理学療法士(小児分野専門)として活動。Hospital Play Specialist、写真家としても知られ、映画『時には懺悔を』ではスペシャルニーズスーパーバイザーを務めました。
岩崎学園主催の特別試写会・トークイベントで語られた新たな可能性
2026年8月17日、岩崎学園は相鉄ムービルにて、映画『時には懺悔を』の特別試写会とトークイベントを開催しました。横浜リハビリテーション専門学校の在校生をはじめ、岩崎学園各校の学生、卒業生、医療・福祉関係者など約200名が参加しました。
上映後には中島哲也監督と安田氏が登壇し、映画制作の舞台裏、障がいのある子どもたちとの向き合い方、そして医療・福祉専門職の新たな可能性について語り合いました。学生からは「障がいのある子どもたちと関わる上での注意点や、必要なことを伝える際に意識したことは?」や「臨床実習では見えにくい家族の心情をどう理解するか」といった具体的な質問が寄せられました。
安田氏は、知識だけでなく「一人の俳優として対等に向き合う姿勢」を大切にしたことを紹介。中島監督からは、「人を表面的な態度だけで判断するのではなく、その人がなぜそのような行動を取るのか、背景を考えながら向き合ってほしい」と、これから医療・福祉の現場を目指す学生たちへメッセージが送られました。このイベントは、学生たちが「命」「家族」「障がいのある子どもたちとの向き合い方」について深く考える貴重な機会となったことでしょう。
関連情報:特別対談とイベントレポートが公開中
岩崎学園公式サイトでは、安田氏と中島哲也監督による特別対談形式の卒業生インタビューと、特別試写会・トークイベントのレポートが公開されています。映画制作に参加することになった経緯や制作の舞台裏、医療・福祉の専門性を異分野と掛け合わせることで生まれる可能性などについて、さらに詳しく知ることができます。
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卒業生インタビュー 医療・福祉×エンターテインメントの挑戦──映画監修を通して子どもたちの可能性を拓く理学療法士の選択 安田一貴(特別対談:中島哲也監督):
https://www.iwasaki.ac.jp/career/yasuta_kazuki/ -
イベントレポート 岩崎学園 横浜リハビリテーション専門学校卒業生が映画撮影でスペシャルニーズスーパーバイザーを担当!中島哲也監督との特別試写会・トークイベントを開催:
https://www.iwasaki.ac.jp/news/event/20260820/
また、映画『時には懺悔を』の詳細は公式サイトで確認できます。
- 映画『時には懺悔を』公式サイト:
https://www.tokizan.jp/

