日本パラ・パワーリフティング連盟、選手支援のデジタル化へ「Atleta」導入

日本パラ・パワーリフティング連盟は、障害者スポーツとしてのパラ・パワーリフティングの普及と競技力向上を目指し、日々強化活動を行っています。国際大会やパラリンピックでの活躍を目指す中で、選手のコンディション管理と情報共有は極めて重要な要素です。

パラスポーツの現場では、選手それぞれの障害特性や身体状況に応じた適切なコンディション管理が求められます。日々の体調やトレーニング状況を正確に把握し、競技力向上へと繋げることが課題でした。また、選手、指導者、スタッフが離れた場所で活動することが多いため、効率的な情報共有の仕組みづくりも喫緊の課題とされていました。

このような背景から、日本パラ・パワーリフティング連盟は、選手のコンディション管理やトレーニング状況の共有を可能にするデジタル基盤として「Atleta」の導入を決定しました。これにより、選手の日々の状態が可視化され、指導者やスタッフが選手の状況を把握しながら強化活動を進められるようになります。

Atletaアプリ画面

「Atleta」が解決する3つの課題:持続可能な運用と効率的な選手管理

日本パラ・パワーリフティング連盟は、「Atleta」の活用により、強化活動の質を向上させるための具体的な目的を掲げています。これらは、パラスポーツにおける選手支援の持続可能性と効率性を大きく高めるものとなるでしょう。

業務の属人化解消と持続可能な運用体制の構築

これまで、合宿の募集や参加管理、スケジュール入力といった業務が特定のコーチや担当者に集中し、「属人化」が課題となっていました。「Atleta」を導入することで、これらの業務を標準化し、誰でも対応できる運用体制を構築することを目指します。これにより、組織として持続可能な形で強化活動を継続できる基盤が整います。

選手管理と合宿運営の効率化

合宿の欠席・出席確認、事前アンケートの実施、終了後の交通費精算報告、コーチからのフィードバック回収など、多岐にわたる事務作業は、これまで多くの時間と労力を要していました。「Atleta」上ですべての情報を一元管理することで、これらの事務作業が大幅に効率化され、選手もスタッフも本来の業務や競技に集中できる環境が生まれます。

選手のコンディション管理をデジタル化

日々の健康管理、トレーニング記録、合宿に向けた練習強度の把握などは、これまで紙や個別の連絡手段に頼ることが多く、情報の集約や分析に課題がありました。「Atleta」の導入は、これらの情報をデジタル化し、指導者がより正確に選手の状況を把握できる環境を将来的に整備することに繋がります。個々の障害特性に応じたきめ細やかなサポートが可能になるでしょう。

パラ・パワーリフティング連盟が目指す「応援の力を証明する競技」

日本パラ・パワーリフティング連盟の担当者からは、「Atleta」の情報共有一元化によって、選手・コーチ・スタッフが同じ情報を同じ場所で共有できる環境を整えたいというコメントが寄せられています。これにより、選手が競技に集中できる基盤が作られ、将来的にはコンディション管理などの機能も活用しながら、チーム全体で選手を支える体制へと発展させていくとのことです。

連盟が目指すのは、パラ・パワーリフティングを「応援の力を証明する競技」にすること。会場の声援やボルテージが選手の記録を動かす瞬間があり、応援は選手だけでなく応援する人の力にもなるという考えに基づいています。Atletaを通じてチームの基盤を整えることは、選手が競技に集中できる環境をつくることでもあり、その環境の中で、応援の力が人の可能性を引き出す瞬間を競技を通じて社会に示していきたいという強いメッセージが込められています。

すべての体に、最高記録は眠っている。

この取り組みに対し、クライムファクトリー株式会社も「応援の力を証明する競技へ」という連盟の考え方に共感を示しており、競技を支える環境整備の一端を担えることを意義深く感じているとコメントしています。Atletaは単なる情報共有ツールではなく、強化活動に関わる情報を一元化し、選手が競技に集中できる環境づくりを目的としたプラットフォームとして、今後もパラスポーツの発展に貢献していくことでしょう。

障害福祉とスポーツDXの未来:「Atleta」が拓く可能性

今回の「Atleta」導入は、デジタル技術を活用したパラスポーツの競技環境整備の重要な一歩となります。パラスポーツにおいては、競技環境の整備や選手支援体制の充実が重要な社会的課題の一つとされており、このようなスポーツDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は、障害福祉分野における大きな可能性を秘めています。

クライムファクトリー株式会社は、選手データとチームコミュニケーションプラットフォーム「Atleta(アトレータ)」の開発・提供を通じて、スポーツ界への貢献を目指しています。同社は2024年に新会社として再出発し、スポーツ分野におけるデジタル利活用を推進しています。詳細については、以下のリンクからご覧いただけます。

まとめ

日本パラ・パワーリフティング連盟による「Atleta」の導入は、パラアスリートのコンディション管理と情報共有のデジタル化を推進し、選手支援体制を強化する画期的な取り組みです。業務の属人化解消、合宿運営の効率化、そして選手のコンディション管理のデジタル化を通じて、持続可能で効率的な強化活動が実現されることでしょう。

 

 

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77