障害者アートリース「パル・アート」とは?地域とつながる新しい取り組み

近年、「障害者アート」は、その独創性や表現の豊かさから多くの人々の注目を集めています。この度、生活協同組合パルシステム神奈川(本部:横浜市港北区新横浜)は、障害のあるアーティストの活躍の場を広げ、地域住民との交流を深めることを目的としたアート作品展示の仕組み「パル・アート」を川崎市の配送拠点2カ所で先行導入し、披露目会を開催します。この取り組みは、障害のある方々の「働く」を支援し、地域社会に新たな価値をもたらす画期的な試みとして注目されています。

「パル・アート」は2026年3月に新横浜本部で初めて導入されたプロジェクトで、県内各拠点への展開を目指しています。今回、先行導入される宮前センターと麻生センターは、普段から会議室を開放し、健康マージャンなどのイベントを通じて地域の居場所づくりに貢献しています。多くの地域住民が訪れるこれらのセンターにアート作品を展示することで、障害者アートを身近に感じ、アーティストや支援団体との交流が生まれることが期待されています。

川崎市で開催!「パル・アート」披露目会の見どころと参加団体

2026年5月12日(火)と13日(水)の午後に開催される「パル・アート」披露目会では、川崎市で活動する2つの社会福祉団体に所属するアーティストたちの作品が展示されます。参加者は、作品を鑑賞するだけでなく、アーティストや支援団体との交流を通じて、彼らの活動や作品に込められた想いに触れる貴重な機会を得ることができます。

宮前センターで「ひらま」の作品を鑑賞

宮前センターでは、社会福祉法人ともかわさき(川崎市中原区)が運営する生活介護事業所「ひらま」のアーティストによる作品が展示されます。「ひらま」は、「まちかどパラアート展」や「絵画教室アトリエひらま」などを通じて、障害の有無にかかわらず誰もが芸術を楽しめる環境づくりに尽力しています。アートを通じて人をつなぎ、地域に開かれた活動を展開している団体です。

青い背景に、笑顔のカラフルな猫が描かれたポップな絵画

白いキャンバスいっぱいに、手描きされたカラフルなキャラクターが多数描かれています

白いキャンバスにピンク、黄色、青、ターコイズ、赤などの鮮やかな色が力強い筆跡で描かれた抽象的な絵画
▲宮前センターに展示予定の「ひらま」のアーティストの作品

麻生センターで「たまフレ!」の作品と出会う

麻生センターでは、たまふれあいグループ(川崎市多摩区)が運営する就労支援事業所「たまフレ!」で活動するアーティストの作品が披露されます。「たまフレ!」は医療法人による運営で、障害の特性に合わせて一人ひとりに寄り添いながら、地域に密着した包括的支援を提供しています。地域交流拠点の窓ガラスにアートを描くなど、アーティストたちが積極的に地域と関わりながら活躍しています。

上から見た構図で、複数の手が麻雀牌を囲んでいるイラストです

暗い色調の山が中央に描かれ、その上空には放射状の光を放つ輝く太陽のような星が描かれた絵画

青とグレーを基調とした魚の絵画です
▲麻生センターに展示予定の「たまフレ!」のアーティストの作品

披露目会でアーティストや支援団体と交流

披露目会では、アーティストや支援団体による紹介、フォトセッション、そして参加者同士の交流の時間が設けられています。地域に根差した活動を行う「パル」が「パル・アート」を通じて一堂に会し、新たなつながりが生まれることが期待されます。

障害者雇用調整金を活用!アートを通じた就労支援と地域貢献

「パル・アート」の取り組みは、単なるアート展示に留まりません。その運営資金には、障害者雇用調整金が活用されています。パルシステム神奈川は、法定雇用率を超える21人の障害のある職員が活躍しており、その結果として支給される給付金を「パル・アート」の資金に充てています。これにより、県内の各事業所を訪れる人々に障害者アートを紹介し、障害のある方々のさらなる活躍の仕組みを創出しています。

リース代金が「働く」を支える

作品のリース契約は3カ月ごとに行われ、定期的に作品が入れ替えられます。作品の交換時には、今後各拠点で契約する支援団体に作業を依頼することが予定されており、ここでも障害のある方々の就労機会が創出されます。さらに、交換時にはアーティストや作品を紹介する取材や交流も計画されており、障害の特性により事業所での定期就労が難しい方々も活躍できる新たな仕組みづくりを目指しています。

地域資源を活かした看板が彩る展示空間

展示コーナーに設置される看板にも、地域への配慮と支援の輪が広がっています。宮前センターの敷地内にある竹林の間伐材が活用され、NPO法人横浜移動サービス協議会(横浜市中区)が運営する就労継続支援B型事業所「IKIIKIカンパニー」(横浜市中区)の利用者によって制作されました。これは、地域環境にも配慮する生協の活動の一環として、地域資源を有効活用する素晴らしい事例です。

緑色の竹を数本束ねて作られた壁飾りです

暗い緑色の竹を麻紐で繋いで作られた手作りの吊り下げ飾りです

誰もが活躍できる社会へ:パルシステム神奈川が目指す未来

パルシステム神奈川は、「パル・アート」を通じて、地域に暮らす多様な立場の人々が手を取り合い、誰もが活躍できる地域社会づくりを目指しています。この取り組みは、障害のある方々の才能を発掘し、社会に発信するだけでなく、地域住民がアートを通じてつながり、共生社会への理解を深めるきっかけとなるでしょう。

「パル・アート」に関するイベントレポートはこちらからご覧いただけます。

「パル・アート」披露目会 開催概要

内容: アーティスト・支援団体紹介、フォトセッション、アーティストとの交流など

■宮前センター披露目会

  • 日時: 2026年5月12日(火)13時30分~14時30分(13時15分受付開始)

  • 会場: パルシステム神奈川宮前センター2階会議室(神奈川県川崎市宮前区野川本町1-9−2)

  • アクセス:

    • 東急田園都市線「梶が谷駅」から東急バス「梶01系統」鷺沼駅行き「野川中里」下車徒歩1分

    • 東急田園都市線「宮前平駅」から市バス「城11系統」井田病院、新城駅前行き「野川中里」下車徒歩1分

■麻生センター披露目会

  • 日時: 2026年5月13日(水)14時~15時(13時45分受付開始)

  • 会場: パルシステム神奈川麻生センター2階会議室(神奈川県川崎市麻生区王禅寺西5-2−14)

  • アクセス:

    • 小田急線「新百合ヶ丘駅」から小田急バス「新23系統」あざみ野駅行き「日光隧道」下車徒歩1分

パルシステム神奈川のウェブサイトはこちら:

パルシステム生活協同組合連合会のウェブサイトはこちら:


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Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
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