共同研究の背景と目的:なぜ今、リハビリテーション人材育成DXが求められるのか?
現代社会において、リハビリテーション専門職の需要は高まる一方、その人材育成と教育の質の向上は喫緊の課題です。特に、高齢化社会の進展や多様な障害を持つ方々への支援ニーズが増大する中で、より高度な専門知識と実践的な判断能力が求められています。
株式会社デジリハが開発・提供するデジタルツール「デジリハ」は、これまで全国の病院や放課後等デイサービスといった医療福祉の現場で、リハビリテーションDXツールとして活用されてきました。利用者の状態に合わせた個別プログラムの提供や、楽しく継続できるリハビリの実現に貢献しています。
さらに、「デジリハ」は2023年から展開している課題解決型ワークショップ「デジリハACADEMY」などを通じて、専門職の育成や定着支援という新たな側面にも注目が集まっています。今回の共同研究は、この「リハビリツール」としての役割を超え、「人材育成ツール」としての「デジリハ」の可能性を深く探るものです。
研究の概要:ICTを活用した専門職教育の科学的検証
本共同研究では、「ICTを活用したトレーニングの専門職教育における効果検証」を研究題目としています。具体的な目的は、ICT(デジリハ)を用いた教育(座学+ワークショップ)が、従来の既存教育と比較して、作業療法士・理学療法士(OT/PT)養成課程の学生の臨床判断能力にどのような影響を与えるかを検証することです。
研究内容は、ケース動画を用いたICT活用トレーニングを実施し、「ICT教育群」と「既存教育群」に学生を分け、トレーニング前後の臨床判断能力の変化を比較するデザインを採用しています。これにより、ICTを活用した教育が、専門職の育成にどれほど効果的なのか、その科学的エビデンスが示されることになります。
順天堂大学 松田雅弘教授のコメント:実践的なICT活用能力の育成へ
順天堂大学保健医療学部の松田雅弘教授は、今回の共同研究について次のように述べています。
「医療福祉教育におけるICT活用は急速に広がっていますが、それを真に使いこなし、臨床現場で価値へと変換できる人材の育成は、いまだ大きな課題です。本共同研究では、デジリハを単なるツールとして教えるのではなく、ICTを『どのように使い、どう患者さんの可能性を引き出すか』という実践的な活用能力を養うカリキュラムの構築を目指します。次世代のセラピストが、テクノロジーを武器に新たなリハビリテーションの形を創造していけるよう、教育現場からICTによる変革を起こしていきたいと考えています。」
松田教授の言葉からは、単なるツールの操作方法を教えるだけでなく、ICTを患者さんの可能性を引き出すための手段として活用できる、真に実践的な能力を持つセラピストの育成への強い思いがうかがえます。これは、未来の障害福祉サービス提供の質を向上させる上で非常に重要な視点です。
株式会社デジリハ 研究開発部 大松聡子氏のコメント:教育ツールとしての可能性と未来への貢献
株式会社デジリハ研究開発部の大松聡子氏も、本共同研究への期待を寄せています。
「デジリハはこれまで、医療福祉の現場で多くの専門職の方々にご活用いただいてきましたが、デジリハが教育ツールとしても機能し得るかどうか、その可能性について科学的に検討する余地があると感じていました。今回、順天堂大学保健医療学部の先生方とともに、ICTを用いた教育の効果を厳密な研究デザインで検証できることを、大変光栄に思っています。研究の結果がどのような形であれ、その知見をもとにデジリハをさらに磨き続けることが私たちの責務であると考えています。リハビリ専門職の教育の未来に、少しでも貢献できれば幸いです。」
大松氏のコメントからは、これまで現場で培ってきた「デジリハ」の実績を土台に、教育分野での新たな可能性を追求し、リハビリ専門職の育成に貢献したいという強い意欲が感じられます。この研究が、より質の高いリハビリテーション教育プログラムの発展に繋がることを期待する声は大きいでしょう。
本研究が目指す未来:リハビリテーションDXが拓く人材基盤の強化
今回の共同研究を通じて、順天堂大学と株式会社デジリハは、以下の実現を目指しています。
- リハビリ専門職の養成校教育におけるICT活用の有効性を示す科学的エビデンスの創出
- 「デジリハ」を活用した、標準化・再現性の高い専門職教育プログラムの開発
- リハビリテーションDXの概念を「現場でのリハビリ提供」から「専門職育成」へと拡張し、業界全体の人材基盤を強化
これらの目標が達成されれば、将来的にリハビリテーション専門職の教育は大きく変革し、より実践的で質の高い人材が育成されることでしょう。これは、結果として障害を持つ方々へのリハビリテーションサービスの質向上に直結し、誰もが安心して暮らせる社会の実現に貢献すると考えられます。
順天堂大学と株式会社デジリハについて
順天堂大学
順天堂大学保健医療学部は、理学療法学科と診療放射線学科を有し、2019年4月に開設されました。医学部および医学部附属病院と同一キャンパスに位置する環境を活かし、1年次から臨床現場での実習を実施するなど、高度な専門知識と確かな技術力を持つ医療専門職者の育成に取り組んでいます。
株式会社デジリハ
株式会社デジリハは、リハビリ・療育・教育の現場で使えるデジタルツール「デジリハ」を開発・提供しています。2021年4月1日に設立され、リハビリテーション分野のDX推進に貢献しています。
株式会社デジリハ公式サイト
まとめ
順天堂大学と株式会社デジリハによる共同研究は、リハビリテーション専門職の教育に新たなスタンダードを築く可能性を秘めています。ICTツール「デジリハ」が、単なるリハビリ支援ツールとしてだけでなく、未来のセラピストを育成するための強力な教育ツールとして確立されれば、それはリハビリテーション業界全体、ひいては障害福祉サービスを受けるすべての人々にとって大きな恩恵となるでしょう。
この画期的な取り組みから目が離せません。今後の研究成果が、リハビリテーション教育と障害福祉の未来をどのように変えていくのか、引き続き注目していきましょう。



