障害者の就職活動は配慮や制度など、一般的な就職活動とは異なる面がありますが、適切な準備と情報収集により、自分に合った仕事を見つけることは可能です。ここでは、障害のある方の就職活動に役立つ5つのヒントをご紹介します。

ヒント1:自己分析と障害特性の把握

まず、就職活動の軸となる自分自身について深く理解することです。具体的には、自分の強みや興味、そして障害の特性を正確に把握することが重要です。ハローワークや障害者職業センターで実施される適性検査を受けると、自分の適性や能力を客観的に評価できます。これにより、自分に合った職種や働き方を見つけやすくなるので積極的に活用することをおすすめします。

ヒント2:就労移行支援事業所の活用

次に、就労移行支援事業所の活用も検討しましょう。就労移行支援事業所では、就職に向けたビジネスマナーやスキルを習得できるだけでなく、履歴書作成や模擬面接などの実践的なサポートも受けられます。最近はプログラミングやWEBデザインのスキル習得に長けた事業所もあるので、自身の就職の方向性にあった事業所を検討しましょう。また、企業とのつながりを持つ事業所も多く、求人情報の入手にも役立ちます。

ヒント3:障害者雇用枠と一般枠の比較検討

障害のある方の就職活動には、障害者雇用枠と一般枠の2通りがあります。障害者雇用枠と一般枠にはそれぞれメリット・デメリットがあります。障害者雇用枠では、障害に応じた配慮が得られやすく、雇用の安定性が高い傾向にあります。しかし、働きやすい環境が整っている一方、職種や給与が限定される場合もあります。

一般枠では職種や給与の幅が広く、キャリアアップの機会も多いかもしれません。しかし、一般枠の場合は自身の障害を明かさず(クローズ)就労するため、障害に対する配慮が十分でない場合もあるでしょう。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分の状況や希望に合わせて、どちらの枠で応募するか慎重に検討しましょう。

ヒント4:多様な就職方法の探索

障害者が就職する方法は多岐にわたります。企業のホームページから直接応募する、ハローワークを利用する、障害者向け合同面接会に参加する、就職エージェントに相談するなど、様々な選択肢があります。自分に合った方法を見つけることが大切です。

多様な就職方法の例

  • 障害者を募集している企業のホームページから応募する
  • 地域のハローワークで障碍者を募集している会社に応募する
  • 自治体や民間企業が主催する合同面接会などに参加する
  • 障碍者専門の人材サービス会社に登録する
  • 就労継続支援事業所A型や就労移行支援事業所に通い、就労準備を整えてから就職を目指す

ヒント5:積極的な情報収集

障害者向けの求人サイトや各種セミナーなどを活用し、最新の就職情報を収集しましょう。障害者雇用に積極的な企業や、障害者雇用促進法の改正など、関連する法制度の変更にも注目することが大切です。また、すでに就職している障害者の体験談を聞くことも、貴重な情報源となります。

まとめ

これらのヒントを参考に、自分に合った就職活動を進めていくことで、より良い就職先を見つける可能性が高まります。積極的に行動することで、きっと自分に合った仕事を見つけられるはずです。焦らず、自信を持って就職活動を進めていきましょう。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77