株式会社河出書房新社から、インディペンデント・キュレーター・青木彬さんの新刊『幻肢痛日記 無くなった右足と不確かさを生きる』が発売されています。
切断したはずなのに、足のあった場所が痛む……
青木さんはある日突然、右足を失う事故に遭遇。その後、存在しないはずの足に激しい痛みを感じる〈幻肢痛〉という奇妙な現象を体験します。本書は、その4年間にわたる克明な記録であり、自身の痛みを通じて人間の感覚や創造力、不確かさとどう向き合うかを探求しています。
闘病記や当事者研究の枠を超え、読み手の感覚や価値観を揺さぶる刺激的な内容となっています。
書誌URL:https://amzn.to/4g2DCjP
■本書目次
・はじめに
第1章 幻肢痛の当事者研究
右足を切断しました/無いもののあり方/幻肢痛の当事者研究 一/リアルとファントム/
幻肢痛の当事者研究 二
第2章 幻肢という「不確かさ」
幻肢は宇宙でも足のイメージを保つのか?/幻肢という「不確かさ」/「痛み」の決め方/
切断は欠損ではなかった/目の前の人に幻肢がぶつかる/あの本の中の幻影肢
第3章 踊り出す義足
義足は乗り物/義足が知りたい/踊り出すような義足を/存在の背景/幻肢 on 義足/存在の空白/
パンツとダンタンブクロ/幻肢はわからないからいい/感染症のこと/仮義足の完成と幻肢の常態化
第4章 身体が無くなる可能性
新しい移動と”できなさ”について/戦略的なあいまいさ/静かな山は聞こえない音に溢れていた/
義足の相棒感/普通、足は持たない/「セルフ」を取り巻く技術/身体が無くなる可能性/
アートとか医療とかっていうか、美味しい鍋作りみたいな価値
第5章 わからないものをわからないまま
キカイダーありがとう/幻肢性と飛躍/義足の価値はどこにあるのか?/
わからないことをわからないまま/それはそれ、これはこれ。/語ることにつまずきながら/
土から生まれて、身体を通って生えてくる義足/「無いものの存在」を巡って
・おわりに
■著者紹介
青木 彬(あおき・あきら)
インディペンデント・キュレーター。 一般社団法人「藝と」ディレクター。1989年、東京都生まれ。京都市在住。首都大学東京(現・東京都立大) インダストリアルアートコース卒業。アートを「よりよく生きるための術」 と捉え、アーティストや企業、自治 体と協働して様々なアートプロジェクトを企画している。近年は社会福祉とアートの接点を模索しながら、地域福祉に関する調査や実践を重ねる。これまでの主な活動にまちを学びの場に見立てる「ファンタジア! ファンタジア!─生き方がかたちになったまち─」(墨田区、2018〜)ディレクターなどがある。共編著書に『素が出るワークショップ:人とまちへの視点を変える22のメソッド』(学芸出版)がある。
■書誌情報
書名:幻肢痛日記
著者:青木彬
仕様:四六判/並製/200ページ
発売⽇:2024年10⽉25日
税込定価:2,090円(本体1,900円)
ISBN:978-4-309-23162-4
装丁:マツダオフィス
書誌URL:https://amzn.to/4g2DCjP