【内容情報】(出版社より)

過食,自傷・自殺行為,性的放逸などを繰り返す,境界性パーソナリティ障害(Borderline Personality Disorder:BPD)は,医療機関だけでなく,家庭や学校・職場,地域社会で問題となることが増えている。
本書は,厚生労働省が設置した,境界性パーソナリティ障害の日本版治療ガイドライン作成に関する研究班の6年間の成果を,一般の臨床家向けに書き下ろしたものである。

研究班は,早急な個人精神療法の導入は治療者-患者の「二者関係のド壺に嵌る」可能性があるとして,地域ネットワーク,薬物療法,入院治療と主治医のマネージメントを中心に本ガイドラインを作成した。

さらに本書では,ガイドラインを肉付けするかたちで,揺れ動くBPDの診断の変遷,BPDの長期予後,BPD患者が持つ特有の対人パターン(スプリッティング思考)への対処法,救急医療,外来・入院治療の現状,薬物療法,病名告知と心理教育などを,著者らの豊富な臨床経験および研究にもとづいて詳解している。
国内外のBPD治療を広く検討し,臨床現場で実践可能なガイドラインをめざした研究班の成果は,BPD治療にかかわる精神科医・心理職・ケースワーカー・看護師の方などに役立つ手引きとなるであろう。

目次

1章 日本版治療ガイドラインの作成にあたって:牛島定信
2章 境界性パーソナリティ障害の日本版治療ガイドライン:牛島定信
3章 境界性パーソナリティ障害の長期経過と診断の変遷―一般外来で境界性パーソナリティ障害をどのように診ていくか:傳田健三
4章 境界性パーソナリティ障害と救急医療:牛島洋景,弟子丸元紀
5章 境界性パーソナリティ障害治療の地域ネットワーク―BPD患者の地域社会での流れの現状と対策:大島一成
6章 境界性パーソナリティ障害の長期予後:藤内栄太
7章 境界性パーソナリティ障害の外来治療―クリニックにおける境界患者の治療の現状と問題点:川谷大治
8章 境界性パーソナリティ障害の薬物療法:平島奈津子,上島国利,岡島由佳
9章 境界性パーソナリティ障害の個人精神療法―一般臨床家のために:木村宏之・神谷栄治・成田善弘
10章 境界性パーソナリティ障害の家族へのアプローチ―病名告知と心理教育的アプローチをめぐって:山下達久,和田良久,崔 炯仁
11章 境界性パーソナリティ障害の入院治療(1):小野和哉
12章 境界性パーソナリティ障害の入院治療(2)―入院時の諸問題,グループ・ミーティング:松田文雄,太田順一郎,中島豊爾,石川 元,浅田 護
13章 境界性パーソナリティ障害の入院治療(3)―治療選択,デイケア,病診連携:武田龍太郎

  • 出版社 ‏ : ‎金剛出版
  • 発売日 ‏ : ‎2023/1/27
  • オンデマンド ‏ : ‎228ページ

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Written by

今井 靖之

findgood編集者、ライター。

大手電機メーカーで半導体電子部品のフィールドアプリケーションエンジニア、インターネットサービスプロバイダのプロモーションやマーケティングに従事。以後フリー。

身内に極めて珍しい指定難病者を抱える。

神奈川県川崎市在住。サブカルヲタク。「犬派?猫派?」と聞かれたらネコ派、猫同居中。