Last Updated on 2025年12月18日 by 菅間 大樹
「不便だけど不幸じゃない」義足パパ・大塚一輝氏が垂井町「人権フォーラム」で語る、自分らしく生きる大切さ
2025年12月6日、岐阜県不破郡垂井町文化会館で開催された「人権フォーラム」に、義足ユーザーとして積極的に情報発信を行う大塚一輝氏が登壇しました。大塚氏は「不便だけど不幸じゃない」と題した講演で、自身の経験や家族との温かいエピソードを交えながら、「自分らしく生きること」の尊さを伝え、会場は多くの共感と前向きな気づきに包まれました。

「すべての人への思いやり、そして幸せを~気づきから行動へ~」
本フォーラムは、町民、教育関係者、児童生徒が人権について深く考える場として、「すべての人への思いやり、そして幸せを~気づきから行動へ~」をテーマに開催されました。垂井町が目指す「ひととまちが輝く地域共創都市」の実現に向け、人権尊重の精神を共有し、日々の生活における気づきや行動へとつなげることを目的としています。
義足を「隠す」から「魅せる」へ
大塚氏の講演では、義足ユーザーとしての実体験と、二児の父としての家族との日常が語られました。「ロボットみたい!」という子どもの言葉がきっかけで、義足を隠すのではなく「魅せる」という価値観に至った背景が紹介され、義足のある生活のリアルな一面がユーモアを交えて伝えられました。
講演中には、実際に義足を手に取って体験する機会も設けられ、子どもたちの純粋な好奇心や笑顔が会場にあふれました。


大塚氏は、全国の小中学校で出前授業を展開し、義足の「かっこよさ」や「自分らしさ」を伝える活動を通じて、子どもたちの自主性や参加意欲を育む取り組みも紹介しました。
参加者の声に広がる共感と前向きな変化
講演後には、多くの参加者から感動と共感の声が寄せられました。
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「義足って“かわいそう”だと思い込んでいましたが、講演を聞いてイメージが大きく変わり、先入観がなくなりました」
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「“どうやったらできるか”を考える姿に勇気をもらいました」
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「子どもにも見せたい、聞かせたいと思える講演でした」
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「“不便だけど不幸じゃない”という言葉が心に残りました」
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「“大丈夫ですか?”よりも“お手伝いしましょうか?”という声かけの工夫が、人との関わり方を考えるきっかけになりました」
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「特別扱いではなく“自然に接する”というメッセージが、日常の中でできる優しさだと気づきました」
会場には、笑顔と共感、そして「自分も何かできるかもしれない」という前向きな空気が広がり、「もっと多くの人に聞いてほしい」「学校や地域でもぜひ話してほしい」といった声が多数寄せられました。
「できない」ではなく「どうやったらできるか」
大塚氏からは、「義足でも、家族と一緒にFC岐阜を全力応援しています。この笑顔が、僕の生きる力です。“できない”ではなく、“どうやったらできるか”を考える毎日。今日のフォーラムが、垂井町の“やさしさと活気”につながる一歩になったと感じています。これからは、全国の学校や地域で出前授業や講演会を行い、義足の“かっこよさ”や“自分らしさ”をもっと多くの人に届けていきたいと思います。」とのメッセージが寄せられました。

「義足の未来を変える会」の活動
大塚一輝氏が代表を務める「義足の未来を変える会」は、以下の活動を行っています。
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講演活動・出前授業の実施:学校、地域、医療福祉機関などで義足のリアルな生活や体験を伝える講演を実施。実物の義足を使った体験型授業や、子どもたちとの対話を通じて、共生社会の意識を育みます。
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義足に関する情報発信(SNS・ブログ):義足ユーザーの生活、転職・婚活・子育てなどの体験談を発信し、「義足でも人生を楽しめる」ことを伝え、当事者や家族の不安を軽減する情報を届けています。
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制度改善・社会啓発への働きかけ:義足ユーザーの声を行政や地域に届け、制度や環境の改善を目指す活動を展開。2024年には県議会議員とともに厚労省へ制度改善の提言も行われました。
大塚氏の活動や日常については、ブログ「義足パパの歩み」でさらに詳しく知ることができます。

大塚氏の活動は、義足を持つ人々だけでなく、多様な背景を持つすべての人々が自分らしく輝ける社会の実現に向けた、大きな一歩となるでしょう。

