Last Updated on 2025年12月25日 by 菅間 大樹

鳥居みゆきさんが語る「生きづらさ」との向き合い方

当日はタレントの鳥居みゆきさんがゲストとして登壇し、講演を行いました。鳥居さんは、自身がこれまで感じてきた「生きづらさ」について、ユーモアを交えながら率直に語りました。

幼少期から周囲と同じように振る舞うことの難しさや、居場所が見つからなかった経験。社会に出てからも、強い不安や緊張を感じながら日々を過ごしてきたという体験が共有されました。そうした体験を通して、鳥居さんは「無理に自分を変えようとするのではなく、自分の特性を知り、どう付き合うかを考えるようになった」と伝えました。自身のキャパシティをあらかじめ狭く設定することや、事前に起こりうる状況を想定して準備することなど、日常生活の中で実践してきた工夫は、参加者にとって共感と気づきを与える内容となりました。

青い服を着た女性がマイクを手に持ち、ステージ上で話している様子。ショートヘアで、左手でジェスチャーを交えながら講演やプレゼンテーションを行っている場面を捉えた一枚です。

「変わっている」は欠点ではなく、視点の違い

講演の中では、鳥居さんの幼少期のエピソードをもとにしたクイズ形式の紹介も行われました。父の日の似顔絵、写生大会で描いた眼鏡のフレーム、人物画で無意識に量産してしまった“ウォーリー”など、当時は「変わっている」と受け取られていた表現も、今振り返れば鳥居さんならではの視点や感性の表れであることが示されました。

鳥居さんは「昔は否定されていたことも、見方を変えれば個性になる」と語り、会場には笑いとともに深い納得感が広がりました。

室内で行われている講演会またはセミナーの様子です。ステージ上の登壇者2名がマイクで話しており、後方の大画面にはその様子が映し出されています。会場には多くの聴衆が着席し、複数のカメラで撮影が行われています。

会場全体で共有された“あきらめない”というメッセージ

本フォーラムのテーマである「生きづらさは個性」という言葉は、講演を通して単なるスローガンではなく、実体験に裏付けられたメッセージとして参加者に届きました。福祉・就労支援に関わる関係者だけでなく、当事者やその家族、支援に関心を持つ一般の方々が一堂に会し、それぞれが自身や身近な人の生きづらさについて改めて考える時間となりました。

今後に向けて

ReSowホールディングス株式会社は、今後も「アキラメナイフォーラム」を通じて、誰もが自分らしく生きることをあきらめなくていい社会の実現を目指し、発信と対話の場をつくり続けていくとしています。生きづらさを抱える人が孤立することなく、その特性を理解され、活かされる社会へ。今回のフォーラムは、その実現に向けた一歩となる時間となりました。

豪華な装飾が施された広間で行われているフォーラムの様子です。多くの参加者が椅子に座り、正面のスクリーンに映し出された「アキラメナイ フォーラム」という文字を見ています。歴史的な建造物で開催されているイベントのようです。

イベント概要

  • イベント名: 第3回アキラメナイフォーラム~「生きづらさ」は「個性」~

  • 日時: 2025年12月11日(木)14:00~16:00

  • 会場: 大阪市中央公会堂 中集会室

  • 内容: ReSowホールディングス代表挨拶、鳥居みゆきさん講演

  • 参加費: 無料

  • 後援: 大阪市・神戸市・徳島市・福井市・金沢市・渋川市・三田市・糸満市

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Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77