Last Updated on 2025年12月24日 by 菅間 大樹

宮城こどもホスピスプロジェクトとは

日本には、生命を脅かされる病気や状況にある子どもが約2万人いると言われています。このような子どもたちとその家族が、病院と自宅以外に安心して過ごせる居場所として「こどもホスピス」があります。現在、日本には大阪と横浜の2か所にしかありませんが、宮城こどもホスピスプロジェクトは宮城県での設立を目指し、活動を続けています。

こどもホスピスでは、看護師や保育士などの専門サポーターが、子どもと家族に寄り添い、その子らしく、その家族らしく過ごす時間を支援します。

理念・ミッション・ビジョン

  • 理念: “今”このときを愛しむ

  • ミッション: 生命が脅かされる状態(小児がんや心疾患、重症心身障がいなど)にあるこどもと家族が、笑顔の日も涙の日も、ありのままを受け止め寄り添います

  • ビジョン: 私たちは、生命を脅かされる状態にあるこどもときょうだいやその家族が「その子らしく」「その家族らしく」過ごせるように寄り添い、ともに笑顔になれる「こどもホスピス」を目指します

代表理事からのメッセージ

代表理事の名古屋祐子氏は、「重い病気や障がいを持つ子どもや家族が地域で安心して過ごすためには、きょうだいも一緒に安心して遊びに来られる“こどもホスピス”のような場所が必要です」と語っています。病気や障がいがあっても、子どもたちは日々成長し、毎日がかけがえのない大切な日々であることを強調。また、お子さんが旅立った後にゆっくりと思い出を語る場としても、こどもホスピスが重要な役割を担うと述べています。

代表理事 名古屋祐子氏

2023年10月の法人設立以来、仮施設の運営や普及啓発活動を積極的に行い、今回認定NPO法人として認められました。本施設の建設には公的な補助がないため、多くの人々の理解と支援が不可欠です。名古屋代表理事は、東北初の“こどもホスピス”を目指して活動を続ける決意を表明し、支援を呼びかけています。

活動実績の紹介

1. 川平のおうち

宮城こどもホスピスプロジェクトは、仙台市内で本施設の運営を目指しており、その活動の一環として、2024年4月から「川平のおうち」を開設しています。

川平のおうちでの活動風景

これは、仙台川平教会のお庭と集会室を借りて土曜日に運営されており、病気のある子どもたち、きょうだい、ご家族が安心して過ごせる遊び場となっています。季節のイベントも開催され、子どもたちが遊ぶ間、親御さんはゆっくりとコーヒーを飲んで過ごすことができます。

活動の様子は、以下の動画でも紹介されています。
日テレNEWS

2. 桃の木プロジェクト

「桃の木プロジェクト」では、ボランティアサポーターの協力のもと、各種イベントや街頭で桃の飲み物を販売し、その収益をこどもホスピスへの寄付としています。

桃の木プロジェクトのキャラクター

プロジェクト名の「PEACH」は、「Passionate and Empathetic Action for Children Hospice」(こどもホスピスを熱く応援する活動)の頭文字から取られています。

今後の展望

認定NPO法人として、宮城こどもホスピスプロジェクトは、東北初の「こどもホスピス」設立に向けて、さらに活動を加速させていきます。重い病気や障がいを持つ子どもとその家族が、地域で安心して「その子らしく」「その家族らしく」過ごせる居場所が、宮城県に誕生する日もそう遠くないかもしれません。

プロジェクトの詳細や支援方法については、以下の公式ウェブサイトをご覧ください。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77