自動階段昇降車いす市場が拡大、2032年には8億ドル超へ

高齢化社会の進展と、誰もが移動しやすい環境を求める声が高まる中、自動階段昇降車いすの市場が大きく成長すると予測されています。市場調査レポートによると、この市場は2024年の4億8,602万米ドルから、2032年には8億4,116万米ドルに達し、年平均成長率(CAGR)7.09%で拡大する見込みです。

この成長は、技術革新、人口動態の変化、そして介護提供のあり方を見直す動きが背景にあります。自動階段昇降車いすは、かつては特定のニーズに応える補助的なツールでしたが、現在ではより広範なモビリティ課題を解決する実行可能なソリューションへと進化を遂げています。

技術革新がもたらす進化

自動階段昇降車いすの分野では、アクチュエーション(駆動)、センサーフュージョン(センサーによる情報統合)、パワーマネジメント(電力管理)といった技術の進歩が目覚ましいです。これにより、より安全で効率的な移動が実現できるようになりました。

特に、改良されたバッテリー技術と高出力セルは、車いすの動作時間を延ばし、より軽量で操作しやすい設計を可能にしています。また、AI(人工知能)を活用した制御システムは、利用者の歩行パターンや体重配分、周囲の環境に合わせて最適な支援を提供するなど、パーソナライズされた移動体験を提供し始めています。

高まる需要と業界の取り組み

高齢化社会の進展や、アクセシビリティを重視する政策の広がりにより、自宅や施設内で自立した垂直移動を可能にするソリューションへの需要が高まっています。これに応えるため、製造業者、医療機関、介護サービス提供者など、多様な利害関係者が協力し、安全かつ効率的に自動階段昇降車いすを導入する方法を模索しています。

製品設計においては、モジュール化、コンパクトな収納、既存の交通システムとの互換性といった利用者の期待に応えるため、ロボット工学の専門家、バッテリー技術者、人間工学の設計者が分野を超えて協力しています。

持続的な採用に向けた鍵

自動階段昇降車いすの持続的な普及には、技術的な差別化だけでなく、実証されたサービスモデル、臨床的な有効性の検証、そして地域の実情に合わせた商業化アプローチが不可欠です。耐久性のある部品の使用、充実したトレーニング、メンテナンスサポートを優先するメーカーは、医療機関への導入をより円滑に進められるでしょう。

この市場における主要企業には、WHILL, Inc.、Scewo AG、Levo AG、Mobius Mobility, Inc.、Mountain Trike Ltd、Pride Mobility Products Corp、Permobil AB、Sunrise Medical, Inc.、Invacare Corporationなどが挙げられます。

今後も、技術者、臨床医、サービス機関の継続的な協力が、利用者の自立性と安全性を高めるソリューションを多様な環境で拡大するために不可欠となるでしょう。

本市場調査レポートの詳細は、以下のリンクからご覧いただけます。


Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77