Last Updated on 2021年5月24日 by 今井 靖之
高血圧の治療薬で使われていた「ケタンセリン」という物質が、ADHD=注意欠陥・多動症や統合失調症などの症状を抑える効果がある可能性があるとする研究結果を島根大学などの研究グループが発表しました。
島根大学医学部の大西新特任教授らの研究チームは、3年前からADHDや統合失調症の発症原因ごとに症状を抑えるための研究を行っています。
これまでの島根大学の研究では、国内の統合失調症患者の2割は、軽度のビリルビンの代謝異常が起きていたことがわかっています。
ビリルビンの代謝異常について、研究チームがラットの脳を分析したところ、症状が出た際に「セロトニン」という物質が脳内で過剰に分泌されることがわかりました。
「セロトニン」が過剰に分泌されると血圧が上がることから、研究チームではかつて高血圧の治療に使われ安全性も確認されている「ケタンセリン」という物質をラットに投与したところ、症状が落ち着くなどの効果が見られたということです。
研究チームでは、今後、臨床実験を行い実用化を目指すとしています。
大西特任教授は「今回、ビリルビン脳症によるADHDや統合失調症のメカニズムが分かり、薬が実用化されれば症状を抑えられる可能性があります」と話しています。
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5/3(月) 12:46 NHK NEWS WEB