アスペルガー症候群の特徴があり仕事をしている方の中には、うまく付き合いながら理想の職場で働いている方もいらっしゃれば、悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
例えば、今の職場や仕事の様子から「周囲とのコミュニケーションがうまくとれない」「騒がしい職場は落ち着いて仕事ができない」「上司からの指示があいまいでわからない」こんな悩みや不安を感じることはありませんか?
そんなときは、同じようにアスペルガー症候群の特徴がある方のお仕事の様子に耳を傾けてみませんか?今回のコラムでは136人のアスペルガー症候群の特徴がある方の口コミをもとにどのようなことに悩み、どのように解決されたのか、仕事探しはどのようにされたのかをご紹介していきます。
これから就職や転職を考えている方のお役に少しでもなれれば幸いです。
現在、アスペルガー症候群については以下のように自閉スペクトラム症と表現されています。 これまで、自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていましたが、2013年のアメリカ精神医学会(APA)の診断基準DSM-5の発表以降、自閉スペクトラム症(ASD;Autism Spectrum Disorder)としてまとめて表現するようになりました。 ▼参考:e-ヘルスネット ASD(自閉症スペクトラム症、アスペルガー症候群)について ASDの特徴は広範囲であるため、このコラムでは、ASDの中でもアスペルガー症候群の特徴がある方の口コミに焦点を絞り、仕事の悩みとその解決策を紹介していきます。 |
目次
- アスペルガー症候群とは
- アスペルガー症候群の特性による仕事の悩みと対策
- アスペルガー症候群の方が職場で抱える悩みとその対策
- 転職や就活ではアスペルガー症候群をオープンにするかクローズにするか
- アスペルガー症候群の方におすすめの企業・業界・職種
- 求人の見つけ方
- 企業情報の集め方
- 最後に
1.アスペルガー症候群とは
アスペルガー症候群は、広い意味での「自閉症」のひとつのタイプです。最初に症例を報告したハンス・アスペルガーというオーストリアの小児科医の名前にちなんでつけられました。
アスペルガー症候群は、自閉症の3つの特徴のうち
- 対人関係の障害
- パターン化した興味や活動
の2つの特徴を有し、コミュニケーションの目立った障害がないとされている障害です。言葉の発達の遅れがないというところが自閉症と違うところです。知的発達に遅れのある人はほとんどいません。
アスペルガー症候群の人々には、「表情や身振り、声の抑揚、姿勢などが独特」「親しい友人関係を築けない」「慣習的な暗黙のルールが分からない」「会話で、冗談や比喩・皮肉が分からない」「興味の対象が独特で変わっている(特殊な物の収集癖があるなど)」といった特徴があります。このほかに身体の使い方がぎこちなく「不器用」な場合が多くみられます。
参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」
※上記URLは2020年10月13日現在、「ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について」のページに移行されます。上記の記載内容は、移行される前に同URLにて掲載されていた内容です。
アスペルガー症候群の方の特性はさまざまです。
では実際にどのような悩みを感じているのか、そして悩みを解決するためにどんな工夫をしているのか、口コミをヒントに見ていきましょう。
2.アスペルガー症候群の特性による仕事の悩みと対策
アスペルガー症候群の方は仕事をする際、どのような悩みを抱えているのでしょうか。口コミからは、大きく分けると以下のような悩みを抱えやすいことがわかりました。
【アスペルガー症候群による仕事の悩み】 1.人間関係の構築 2.言語コミュニケーション 3.物事を進める手順や細部へのこだわりが強く、臨機応変な対応が難しい 4.感覚過敏 |
これらの悩みを、具体的な困りごととそれに対する解決策とを照らし合わせながら見ていきましょう。
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