「自律神経失調症」は症状や原因が様々で診断が難しいとされる病気です。診断までに、多くの病院を渡り歩いて疲れてしてしまったという方も多いことでしょう。

さらに職場では、理解されず辛い思いをしたり、退職を余儀なくされたりした方もいらっしゃるのでないでしょうか。

復職や転職をして働きたいと思うものの、「コントロールできない体調不良でもできる仕事があるだろうか」「上司や同僚が理解してくれるようなよい職場があるだろうか」など、以前の状況を思い出し、ためらうことはありませんか?

でも、自律神経失調症に悩みつつも、病気の特徴を理解し自分に向いてる職場に就職・転職できた方は、たくさんいらっしゃいます。
今回は、そのような方のアンケートの回答を交えながら、仕事探しに役立つポイントをご紹介していきます。

具体的で、力がわいてくるたくさんのアンケート(生の声)が集まっています。ぜひ、今の職場でのお仕事、復職・仕事復帰の参考にしてみてください。

目次

  1. 自律神経失調症の方が経験した悩みとは
  2. 続かない職場と続けられる職場
  3. 続けられる職場の見つけ方
  4. 働きやすい企業・職種と業種
  5. 気になる企業を見つけたら何をするべきか
  6. 入社後に心がけたこと
  7. 最後に

1.自律神経失調症の方が経験した悩みとは

診断が難しいため、原因不明のまま仕事に行けない・続かないという状況が生じて、仕事をやめる決断に追い込まれた方も少なくないでしょう。

アンケートにもそのような悩みがたくさん届いています。

1-1 季節や天候の影響を受けやすい


「特に夏に弱く、休みがちになる。パニック発作の不安感も出やすいので職場まで辿り着かない。血管迷走反射で失神。」
「疲れや暑さで体調不良になりやすく、急激に緊張感が高まると、手の指が痺れて固まってしまう。また、酷い時は吐き気もありました。このようなことから、夏場の暑い時期の仕事や、トラブルが発生した時は、精神的にもダメージが大きかったと思います。」
「自律神経失調症により、特に気圧、気温の変化によって急激な頭痛、目眩が起こり仕事にかなり支障が発生している」

自律神経失調症の大きな特徴のひとつは、気候などの外的な環境に身体が適応できなくなること。つまり、暑ければ汗をかき体温を下げ、寒ければ震えて体温を上げるというコントロールができなくなることで、体のあちらこちらに不調が出てきます。それゆえに、その日の天候に体調が左右されてしまいます。

1-2 生活リズムの乱れが大きく影響する


「うつ病と自律神経失調症によって生活リズムの不順が生まれ、うまく時間通りに動けない」
「勤務内容によっては人よりも疲れやすい状態であり、特にシフト制の勤務になると睡眠リズムが狂って不眠障害にまでなってしまい、体調を崩すもととなってしまいます。」
「体調不良があると訴えていたが、人手が足りないという理由で通常よりも多く夜勤の勤務を入れられたり残業をしたりと、勤務時間をかえって増やしているような気がしました。」

自律神経失調症の方にとって、夜勤やシフト制の勤務など、生活リズムが乱れやすい勤務体制は、症状を悪化させる可能性があります。

また、残業が多い、休日がとれないなど忙しすぎる職場は、身体の疲れだけでなくストレスがたまりやすく、精神的に追い詰められやすい状況を作り出してしまいます。

1-3 理解してもらえない


「障害者枠で工場に知的障害の従業員を積極的に雇っていたが、私は虚弱体質だけどその他は健常者と同じ職務なので、メンタル面のケアがおろそかだった。」
「病気のことは直属の上司へ打ち明けたものの、あまり理解をしてもらえず治療に専念することが出来ないまま、体調に細心の注意を払いながら退職まで勤務を続けました。」

自律神経失調症の方にとって、もっとも辛いのは周りに「理解されない」ことではないでしょうか?。

「疲れやすい」「やる気がでない」「頭痛」などは、多くの人が経験しがちな症状であるがゆえに、深刻さを理解してもらうのは難しいようです。ちょっとした疲れだから、そのうち治る程度の解釈になりがちです。

さらに、周りから批判的な目で見られたり「怠けているだけ」などと勘違いされることもあるかもしれません。その状態が続くと、解雇や退職という道を選ばざるをえないということもあります。

1-4 生活への不安


「身体に異変が起き、通勤できなくなってしまった時は、今後の生活への不安で頭が真っ白になりました。」
「体調の良い日のみバイトに行っています。将来の不安が大きいです。」

自律神経失調症は、調子のよい時と悪い時の差が激しい病気です。先にも述べたように、天候にも大きく左右されます。

体調が朝にならないとわからないこともあり、当日いきなり仕事を休む日々が続くと、人としての信頼に関わってきます。それが原因で、仕事に行きにづらくなることや、続けられなくなる負のスパイラルに発展すると、将来への不安がどんどん膨らんでしまいます。

でも、がっかりすることはありません。
自律神経失調症でもできる仕事や職場はたくさんあります。実際に多くの方が、自分の体調をコントロールしつつ復職・仕事復帰に成功しています。

では、自律神経失調症の方が続けられる職場と続けられない職場では、何が違うのでしょうか?

2.続かない職場と続けられる職場

2-1 続かない職場

まずはアンケートから、自律神経失調症の方にとって「続かない職場」の特徴をいくつか挙げてみましょう。

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Written by

今井 靖之

findgood編集者、ライター。

大手電機メーカーで半導体電子部品のフィールドアプリケーションエンジニア、インターネットサービスプロバイダのプロモーションやマーケティングに従事。以後フリー。

身内に極めて珍しい指定難病者を抱える。

神奈川県川崎市在住。サブカルヲタク。「犬派?猫派?」と聞かれたらネコ派、猫同居中。