障害理解と多様性の新たな架け橋「ひだりパグ」プロジェクトが本格始動

Re Designは、障害のある表現者との共創から生まれたキャラクターIP「ひだりパグ」を中心に、絵本制作とぬりえワークショップの本格展開を進めています。2026年1月から2月にかけて実施されたクラウドファンディングでは、目標金額を109%達成し、多くの支援者からの応援を得ました。この成功を足がかりに、ひだりパグの公式HPや公式EC、アパレルライン「WEARt(着るアート)」、絵本紹介noteなどが公開され、ひだりパグの世界観を広げるための基盤が着実に整備されています。

クラウドファンディングの成功を示す画像

障害のある表現者との共創が生み出す「ふつう」への問いかけ

「ひだりパグ」は、左側だけが塗られていないパグのキャラクターです。このユニークな姿には、「見えている世界は、人によって同じではない」という深い問いが込められています。背景には、脳卒中の後遺症として見られる半側空間無視(左側に気づきにくくなる症状)のある表現者との共創があります。しかし、ひだりパグは単に障害を説明するためのキャラクターではありません。「できる/できない」という二元的な見方ではなく、その人の見え方、感じ方、表現の仕方に目を向けるきっかけを提供します。

Re Designは、ひだりパグを通して、子どもから大人まで、あらゆる人々に「ふつうってなんだろう?」という問いを届けています。原画から親しみやすい公式キャラクターへと進化を遂げたひだりパグは、その原点のコンセプトと質感はそのままに、より多くの人々にメッセージを届けるための存在となっています。

原画と公式ひだりパグの変遷を示す画像

絵本「ひだりパグと みえない せかい」で広がる共感の輪

現在制作が進められている絵本「ひだりパグと みえない せかい」は、左側に気づきにくいひだりパグの日常を描いた物語です。靴下を片方だけ履き忘れたり、ドーナツの左側を食べ忘れたりするひだりパグの姿を通して、読者は「みんなと同じようにできない」という状況に直面しながらも、自分らしく生きるひだりパグの世界を体験します。

この絵本が描きたいのは、「できない子をどう変えるか」ではなく、むしろ周囲の大人や社会が持つ「ふつう」の見方を問い直すことです。読者の心に残したい問いは、「あなたのふつうって、なんですか?」というもの。Re Designは、この絵本を通じて、障害理解や多様性理解を難しい言葉で伝えるのではなく、キャラクターと物語を入り口に、自分ごととして考えるきっかけを届けたいと考えています。絵本の詳細や制作背景は、公開中の絵本紹介noteでも紹介されています。

パグがドーナツを見つめるイラスト

体験を通じて深める障害理解:「ひだりパグぬりえワークショップ」の可能性

Re Design代表の伊藤竜司氏(作業療法士)は、愛知医療学院大学の作業療法学部の講義内で、ひだりパグを活用したぬりえワークショップを実施しました。学生たちは「左側だけ塗られていないひだりパグ」に自由に色を塗り、その選択理由や込めたイメージを共有しました。

このワークショップでは、ぬりえが単なる制作活動に留まらず、参加者の内面、価値観、未来像を知る入り口となることが示されました。「港区女子ひだりパグ」と名付けられた作品のように、学生自身の憧れや関心が表現される場面も見られました。ひだりパグぬりえワークショップは、障害理解だけでなく、自己表現、他者理解、多様性理解、さらにはキャリア教育にもつながる可能性を秘めています。

ぬりえワークショップのイラスト

地域イベントで「ふつうってなんだろう?」を体験:2026年6月13日「あつまれ!ふくはぴんち Vol.2」

大学での実践を経て、Re Designは2026年6月13日(土)に開催される「あつまれ!ふくはぴんち Vol.2」に出展します。当日は、来場者向けに「ひだりパグぬりえワークショップ」が開催される予定です。参加者は、ひだりパグに自由に色を塗りながら、自分らしい表現を楽しむことができます。

このワークショップを通じて届けたいのは、正解のあるぬりえではありません。同じひだりパグでも、塗る人によってまったく違う姿になる。その違いに、その人らしさがある。Re Designは、子どもから大人まで、来場者一人ひとりが「ふつうってなんだろう?」という問いを持ち帰るきっかけを創出します。

  • イベント名: あつまれ!ふくはぴんち Vol.2

  • 開催日: 2026年6月13日(土)

  • 出展内容: ひだりパグぬりえワークショップ、Re Design関連プロダクトの紹介・販売、絵本制作の紹介

  • 対象: 子ども、親子、教育・福祉関係者、地域の方、ひだりパグに関心のある方

イベントの詳細については、主催者情報をご確認ください。

あつまれ!ふくはぴんち Vol.2 公式サイト

キャラクターIPで社会とつながるRe Designの多角的な取り組み

Re Designは、クラウドファンディング達成後、公式HPと公式ECを公開し、ひだりパグの世界観を多角的に届けています。公式HPでは、Re Designの活動、ひだりパグ、絵本制作、ワークショップ、企業向けのIP活用について紹介しています。公式ECでは、Re Designの世界観を身につけるアパレルライン「WEARt(着るアート)」や、ひだりパグ関連グッズを展開。WEARtは、アートやキャラクター、そして「問い」を日常に持ち歩くためのプロダクトとして注目されています。

また、公開中の絵本紹介noteでは、制作中の絵本に込めた想いや、ひだりパグを通して届けたい問いが紹介されています。絵本で知り、ワークショップで体験し、プロダクトで日常に取り入れる。Re Designは、ひだりパグを中心に、キャラクターIPを商品・教育・地域・企業連携へと広げていくことを目指しています。

Re Designウェブサイトのスクリーンショット

作業療法士が挑む「ふつう」のリデザイン:Re Design代表 伊藤竜司氏のコメント

Re Design代表の伊藤竜司氏は、18年以上の作業療法士としての経験から、作業療法の持つ価値が医療や福祉の制度内に留まっている現状に課題を感じてきました。伊藤氏は、「人がどう生きるか」「その人らしさをどう社会とつなぐか」という作業療法の豊かな視点を、キャラクターや絵本、アート、プロダクト、ワークショップを通じて社会に届けたいと考えています。

「ひだりパグは、左側だけ塗られていないパグです。でも、それは未完成という意味ではありません。見方を変えれば、その余白は、誰かの表現が入る場所にもなります。『できないこと』を『問い』に変える。『違い』を『表現』に変える。『ふつう』を少しだけ見直す。ひだりパグを通して、子どもたち、親、学生、医療福祉職、企業、地域の人たちと一緒に、そんなきっかけをつくっていきたいと思っています。」と、伊藤氏は語っています。

今後の展開:ひだりパグが描く多様な未来

Re Designは、今後もひだりパグを中心に、多岐にわたる活動を展開していく予定です。絵本「ひだりパグと みえない せかい」の制作進行、ひだりパグぬりえワークショップの実施、学校・福祉施設・企業向けの教育プログラム化、公式ECでのグッズ・WEARt展開、企業・地域とのコラボレーション、そしてひだりパグを活用した空間装飾・商品開発・研修企画などが挙げられます。

キャラクターIPを通じて、障害理解、多様性理解、自己表現、他者理解を、より身近で楽しい体験として社会に届けるRe Designの活動は、これからも私たちに「ふつう」を問い直し、多様な価値観を受け入れる社会を築くためのきっかけを与えてくれるでしょう。

サーフボードを抱えたひだりパグのイラスト

Re Designとは

Re Designは、作業療法士である伊藤竜司氏が立ち上げたキャラクターIP・デザインプロジェクトです。キャラクター、アート、デザイン、プロダクトを入り口として、その奥にある障害、福祉、共創、そして「ふつうってなんだろう?」という問いに焦点を当てています。作業療法を医療・福祉の枠組みだけに留めず、絵本、ワークショップ、アパレル、アート、企業連携を通じて社会へと広げ、かわいらしいキャラクターやプロダクトをきっかけに、人の見方や社会のあり方を少しだけリデザインすることを目指しています。

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Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77