ひきこもりは他人事ではない社会課題|厚生労働省が「ひきこもりVOICE STATION 2026」を開催
「ひきこもりVOICE STATION 2026」は、ひきこもりに関する地域社会に向けた広報事業として、今年で6年目を迎えます。この事業は、イベントや動画、アート作品など多岐にわたるコンテンツを通じて当事者の声を発信することで、ひきこもりに対する社会全体の理解を促進し、当事者やその家族が地域社会の目を気にすることなく、必要な支援を受けられる状態の実現を目指しています。
ひきこもりに関する現状と認識のギャップ
ひきこもりVOICE STATION事務局が実施した調査によると、「ひきこもりの問題は本人や家族だけでなく、地域や社会にとっても重要な問題」と考える人は52.5%に上ります。また、「『8050世帯』の課題(80代の親と50代の子が同居し、孤立や困窮に陥る世帯)が今後ますます深刻化する」と答えた人も57.7%いました。ひきこもりになるきっかけや年齢が多様であるという認識も46.8%と、一定の理解は広まっていることがうかがえます。
しかし、その一方で、身近な社会問題として「ひきこもり」を挙げる人はわずか8.2%にとどまっています。この結果は、ひきこもりが社会課題として認識されつつも、自分自身や家族に関わる問題としては十分に捉えられていない現状を示唆しています。
「ひきこもりVOICE STATION」は、このような認識のギャップを埋め、「共感とつながり」をテーマに、ひきこもりを特別な誰かの問題ではなく、自分たちの社会の課題として考える対話の場を全国に広げていくことを目指しています。
著名人も参加!「ひきこもりVOICE STATIONフレンズ」が活動を開始
ひきこもりに関する誤解や偏見をなくし、当事者の声を社会へ届けるため、「ひきこもりVOICE STATIONフレンズ」が結成されました。メンバーは、演出家の宮本亞門さん、お笑いタレントの山田ルイ53世さん、インフルエンサーのまいきちさんの3名で、いずれもひきこもり経験があります。
宮本亞門さん:クリエイティブプロデューサーとして当事者に寄り添う
2004年に東洋人として初めてオン・ブロードウェイで「太平洋序曲」を上演し、トニー賞4部門にノミネートされた実績を持つ宮本亞門さんは、ミュージカル、ストレートプレイ、オペラ、歌舞伎など幅広いジャンルで活躍する演出家です。高校時代にひきこもりを経験しており、「ひきこもりVOICE STATION」には2023年度から携わっています。自身の経験を踏まえ、ひきこもり経験者や家族とともに経験を朗読劇にする「人生ドラマグラフワークショップ」なども実施し、当事者に寄り添った活動を続けています。
山田ルイ53世さん:自身の体験を執筆活動でも発信
1975年生まれ、兵庫県出身のお笑いタレント、山田ルイ53世さんは、中学2年から6年間のひきこもりを経験しました。その経験は著書『ヒキコモリ漂流記完全版』などで詳しく語られています。執筆業でも才能を発揮し、「一発屋芸人列伝」で「第24回 編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞を受賞。現在はラジオパーソナリティ、ナレーション、コメンテーターなど多方面で活躍しています。自身のひきこもり体験を日頃から発信し、社会に問いかける活動を続けています。
まいきちさん:Z世代を代表するインフルエンサーとして発信
2005年大阪府生まれのまいきちさんは、TikTokをきっかけにSNS総フォロワー数220万人を超えるZ世代のインフルエンサーです。中学1年生の頃に人間関係のストレスからひきこもり状態を経験しました。現在はドラマやバラエティなど活躍の場を広げながら、自身のひきこもり体験を発信し、多くの若者から支持を集めています。
この3名の「ひきこもりVOICE STATIONフレンズ」は、全国キャラバンをはじめとする年間を通しての活動に参加し、当事者・経験者と社会をつなぐ架け橋として、誰もが安心して声を上げられる社会づくりを後押ししていきます。
当事者の声が「カルタ」に!「ひきこもりボイスカルタ大賞」で思いを共有
ひきこもり当事者やその家族の体験や思いを、より親しみやすい形で社会に届ける新たな試みとして、「ひきこもりボイスカルタ大賞」が初開催されます。
この企画では、ひきこもり当事者やその家族から、自身の経験や思いを詠んだ川柳(ひきこもりボイス川柳)を募集します。選ばれた作品は「あ」から「わ」までの「ひきこもりボイスカルタ」として制作され、ひきこもりの日々の葛藤、家族や社会との関係、生活での出来事など、普段語られることのない声がカルタを通じて社会に発信されます。
完成したカルタは「ひきこもりVOICE STATION」の公式ホームページやSNSに掲載されるほか、都内主要ターミナル駅に巨大ポスターとして掲出される予定です。さらに、公開された44作品の中から「大賞」や「審査員特別賞」などが選考され、2027年1月に開催される「ひきこもりVOICE STATIONフェス」で発表・表彰式が行われます。
【募集概要】
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応募資格: ひきこもり当事者、ご家族
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募集テーマ: ひきこもり状態であった時の「思いやエピソード」
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締切: 2026年11月23日(月・祝)
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賞: ひきこもりボイスカルタ大賞、宮本亞門賞、山田ルイ53世賞、まいきち賞、審査員特別賞
全国6都市を巡る「ひきこもりVOICE STATION 全国キャラバン」開催
ひきこもりに関する理解促進と支援体制の整備を目指し、過去5年間で全国28都道府県を巡回してきた「ひきこもりVOICE STATION 全国キャラバン」が、本年度も全国6都市で開催されます。

今年のキャラバンには、「ひきこもりVOICE STATIONフレンズ」のメンバーがいずれかの会場に参加します。各エリアの経験者、家族、支援者とともに、それぞれの体験や思いを共有するパネルトークが展開されるほか、会場では「ひきこもりボイスカルタ」の川柳制作ワークショップも実施されます。パネルトーク(セッション1)はオンラインでも同時配信され、全国どこからでも視聴が可能です。
【開催スケジュール】
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大阪府大阪市
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日時:8月22日(土)13:00~
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出演者:宮本亞門、山田ルイ53世、まいきち
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会場:コングレスクエア グラングリーン大阪
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青森県青森市
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日時:9月5日(土)13:00~
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出演者:まいきち
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会場:青森県労働福祉会館
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岐阜県岐阜市
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日時:9月13日(日)13:00~
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出演者:山田ルイ53世
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会場:岐阜商工会議所
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山梨県甲府市
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日時:10月10日(土)13:00~
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出演者:山田ルイ53世
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会場:かいてらす(山梨県地場産業センター)
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岡山県岡山市
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日時:10月17日(土)13:00~
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出演者:宮本亞門
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会場:岡山国際交流センター
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宮崎県宮崎市
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日時:11月14日(土)13:00~
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出演者:まいきち
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会場:ひなたキャンパス
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【参加方法】
各会場とも入場無料です。オンライン参加も可能(セッション1のみ)。
- 申込フォーム: ひきこもりVOICE STATION イベント申込
リアルな体験を伝えるコンテンツ「こもリアル」や「VOICES」も続々登場
「ひきこもりVOICE STATION」では、当事者のリアルな声や体験を伝えるための多様なコンテンツが展開されています。
ショートドラマ「こもリアル」

ひきこもり当事者や家族の体験談をショートドラマ化した「こもリアル」は、宮本亞門さんが監修を務めています。不登校やひきこもり経験を持つ俳優が当事者役を演じ、俳優の田中要次さん、国仲涼子さんも出演しています。多様なひきこもり像を描いた昨年度の全6話8本のショートドラマは、累計280万回以上再生されるなど、大きな反響を呼びました。
ドキュメンタリー動画シリーズ「VOICES」
当事者本人が自身の言葉で語るドキュメンタリー動画シリーズ「VOICES」も新たな作品を製作中です。「こもリアル」がドラマ形式であるのに対し、「VOICES」は当事者がひきこもりに至った背景や日々の思い、社会との関わり方など、一人ひとり異なる経験をありのままの声で伝えることを目的としています。
バーチャル展覧会「バーチャル!“HIKIKOMORI”ANYONE?他人事じゃないかも展」

「壁の向こうの声を、クリエイティブでつなぐ」をテーマに、様々な分野で活躍するクリエイターが当事者の思いを受けて制作した作品や、当事者と一緒に制作した作品を展示するバーチャル展覧会も開催中です。音楽クリエイターのヒャダインさんと経験者による音楽映像作品や、漫画家ひうらさとるさんによる漫画作品など、映像・アートを通じた多彩な作品が当事者の声を届けています。
- バーチャル展覧会URL: バーチャル!“HIKIKOMORI”ANYONE?他人事じゃないかも展
これらのコンテンツは、「ひきこもりVOICE STATION」公式ホームページで視聴できます。
- ひきこもりVOICE STATION 公式HP: https://hikikomori-voice-station.mhlw.go.jp
2027年1月開催「ひきこもりVOICE STATIONフェス」で集大成
本年度のプロジェクトの集大成として、2027年1月には都内でシンポジウム「ひきこもりVOICE STATIONフェス」が開催される予定です。
このイベントには、「ひきこもりVOICE STATIONフレンズ」の3名が出演し、『ひきこもりボイスカルタ大賞』の発表なども行われます。本年度のプロジェクトを総括し、ひきこもり当事者や家族の声を広く届けながら、参加者一人ひとりが誰もが生きやすい社会について考える機会を提供することが期待されます。
イベント内容は変更される可能性もあるため、詳細は随時公式ホームページで確認することをおすすめします。
まとめ
ひきこもりは、約50人に1人が経験しうる、私たち全員が関わりうる身近な社会課題です。厚生労働省が主催する「ひきこもりVOICE STATION 2026」は、当事者の声を多様な形で社会に届け、理解を深めるための重要な取り組みと言えるでしょう。
宮本亞門さん、山田ルイ53世さん、まいきちさんといった「ひきこもりVOICE STATIONフレンズ」の活動や、全国キャラバン、ひきこもりボイスカルタ大賞、ショートドラマ「こもリアル」などのコンテンツを通じて、ひきこもりに対する新たな視点や共感が生まれることが期待されます。ぜひ、これらのイベントやコンテンツに触れ、ひきこもりという社会課題について一緒に考えてみませんか。
最新情報や各イベントへの参加申し込みは、以下の公式ホームページをご確認ください。
- ひきこもりVOICE STATION 公式HP: https://hikikomori-voice-station.mhlw.go.jp

