ゴールボールメダリスト浦田理恵さんが豊橋市で特別授業を開催!アジアパラ競技大会の魅力を児童と分かち合う

2026年10月18日に開幕する「愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会」を前に、愛知県内の小学校や特別支援学校では、メダリストやパラリンピアンが児童と交流する事業が実施されています。その一環として、6月24日には豊橋市立高師小学校にゴールボールメダリストの浦田理恵さんが訪問し、競技の魅力と夢に向かって努力を積み重ねることの重要性を児童たちに伝えました。

アジアパラ競技大会とは?豊橋市が会場に

「愛知・名古屋2026アジア競技大会」は、45の国と地域から選手が参加し、43競技で熱戦が繰り広げられるアジア最大のスポーツの祭典です。4年に一度開催され、日本での開催は1994年の広島大会以来、32年ぶりとなります。

その後に続く「愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会」(10月18日〜24日)では、同じく45の国と地域の選手が18競技で競い合います。この舞台の中心となるのは愛知県であり、豊橋市内では市民球場で野球、市総合体育館で空手、テコンドー、そしてパラ競技のゴールボールが開催される予定です。

ゴールボールとは?「静寂の中の格闘技」の魅力

ゴールボールは、視覚障害のある人のために考案された球技です。選手は視力の程度にかかわらず全員がアイシェード(目隠し)を着用し、鈴の入ったボールを転がすように投げ合います。1チーム3人で対戦し、自陣のゴールを守りながら相手ゴールへの得点を競う競技です。

時速50キロにもなるボールを寝転がって阻止する守備は迫力満点であり、「静寂の中の格闘技」とも称されています。日本代表は強豪として知られており、浦田さんはパラリンピックに4大会出場し、ロンドン大会で金メダル、東京大会で銅メダルを獲得しました。2022年に現役を引退した後も、後進の育成や競技普及に携わっています。

ゴールボール体験で音を頼りに全身で守る

この日は、パリ・パラリンピックでゴールボール男子日本代表をヘッドコーチとして金メダルに導いた工藤力也さんも来校しました。まず、5年生全員でパスリレーに挑戦。児童たちは目を閉じてボールを手渡し、ボールから聞こえる鈴の音や、バスケットボール大のボールの重さ(1.25キロ)を確かめました。

次に、ディフェンスの基本姿勢を学びました。幅9メートル、高さ1.3メートルのゴールを3人で守るゴールボールでは、両手両足をしっかりと伸ばして体全体でボールを止めます。児童たちは、ボールがバウンドする音を頼りに、素早く体を左右に倒していました。

体育館で、多くの生徒が体操服姿で床に伏せている。前方にはマイクを持つ講師がおり、背後のスクリーンにはパラリンピックでのメダル獲得実績などが表示されている。運動指導や講演会が行われている様子。

メインのゴールボール体験では、児童たちが3対3で対戦しました。コート内のラインには、テープの下に紐が通っており、その凹凸を手や足で感じることで自分の位置を把握します。アイシェードを着用した児童たちは、互いに声を掛け合いながらプレー。一瞬の鈴の音を頼りに、全身を使ってボールを止めました。競技中は音が重要なため、観戦する児童たちも静かに見守る場面が見られました。

浦田さんも児童2人とチームを組んで参加。浦田さんのシュートを児童が止めると、ひときわ大きな歓声が上がりました。

体育館の床で、キャップとゴーグルを着用した子供たちが青いボールを使って何かゲームをしている様子。運動会の競技か体育の授業のようだ。

体育館で行われているパラスポーツ体験イベントの様子。目隠しゴーグルをつけた参加者を笑顔の女性がサポートしており、子供たちが集中して活動している。背景には「アジアパラ競技大会」のバナーが見える。

ゴーグルを頭につけた女性が、二人の子供たちと笑顔で交流している様子。体育館のような屋内で、スポーツ指導やレクリエーション活動が行われている場面です。

小さな積み重ねが金メダルにつながる!メダリストからのメッセージ

浦田さんは20歳のときに病気で視力を失いました。当時はできないことが増え、頑張ることを諦めてしまったと語ります。そんな絶望の中にいた浦田さんを救ったのが、ゴールボールとの出会いでした。2004年のアテネパラリンピックで日本女子代表が初出場で銅メダルを獲得した活躍をテレビで見て、「見えなくても、世界と戦えて、全身で頑張る姿がかっこいい、あんな風に輝いてみたいと思った」と振り返ります。

講話では、児童たちへ次のように語りかけました。

「見えないから何もできないと決めつけるのではなく、どうやったらできるようになるのか考え始めました。皆さんも勉強やスポーツなどで、もう無理だと諦めそうになるときはあると思います。でも、そんなときこそチャンスです。『どんな工夫をすればできるようになるだろう』『どんな風に努力を重ねたらクリアできるかな』と考えてください。小さな一歩でも、まずは挑戦してみる。チャレンジする気持ちの積み重ねが、私を日本代表へ、そして金メダルへと導いてくれました。

金メダルは特別な才能や力があるだけでは取れません。今の自分ができる小さな積み重ねをちょっとずつ積み上げた先にあります。だから、みんなにも取れる。自分だけの金メダルを見つけてください。自分は何が好きか、何がやりたいのか、自分にしっかり問いかけてください。自分の頑張りたいことが見つかると、毎日がすごく楽しくなります。

見えなくなっていろんなことを諦めていた私ですが、夢を持つことで苦しい練習にも耐えられました。皆さんも一歩ずつ、自分自身の金メダルに向かって頑張ってください」

体育館でブラインドゴーグルをつけた人が青いボールを転がしているパラスポーツの様子。周りには複数の子供たちが座って見学しており、体験イベントか教室のようだ。

代表の児童は「私の夢は先生になることです。浦田さんのように諦めず、努力して夢を叶えていきたいです。今日は本当にありがとうございました」と感謝を伝えました。その後、児童たちは「チャレンジ宣言」と書かれた紙に、自分の目標や挑戦したいことを書いて貼り出し、最後は浦田さんの「GO!」の掛け声に合わせ「チャレンジ!」と元気よく応え、記念撮影に収まりました。浦田さんが持参した金メダルと銅メダルにタッチしながら、児童たちは体育館を後にしました。

ゴールボールを体験した児童からは、「目が見えない状態なので、最初は顔にボールが当たるのでは、と怖かったけれど、とても楽しかったです。豊橋で行われる試合も見てみたいです」という感想が聞かれました。

またこの日は、同校OBで前回のアジアパラ競技大会で金メダルを獲得した卓球・八木克勝選手もサプライズで登場し、児童たちとの交流を深めました。

豊橋市民向けゴールボール無料招待とチケット情報

愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会のゴールボール競技では、豊橋市内在住の方を無料招待する企画が実施されます。トップ選手の迫力あるプレーを間近で観戦し、パラスポーツの魅力を体験する貴重な機会となるでしょう。

豊橋市民向けゴールボール無料招待の概要

  • 対象: 豊橋市内在住の方

  • 競技日程: 2026年10月17日(土)、10月19日(月)~10月23日(金)

  • 競技会場: 豊橋市総合体育館

  • 申込方法: 2026年7月1日(水)~8月17日(月)に豊橋市ホームページより申込み

ピンクのユニフォームとアイシェードを着用した2人の女性ゴールボール選手が、青いボールをブロックしようとダイブしている瞬間を捉えた画像です。手前の選手は空中に浮き、真剣な表情でボールに集中しています。視覚障がい者スポーツの激しさと集中力が伝わる一枚です。

アジア競技大会・アジアパラ競技大会のチケット好評発売中

選手たちの熱い戦いをぜひ会場でご覧ください。

上記ページから、豊橋市で開催される競技(野球、空手、テコンドー)の競技日程や、チケットの詳細が確認できます。

まとめ

ゴールボールメダリスト浦田理恵さんの特別授業は、子どもたちにパラスポーツの魅力だけでなく、夢に向かって努力することの大切さを伝える貴重な機会となりました。2026年に愛知・名古屋で開催されるアジアパラ競技大会は、障害福祉に関心のある方にとって、パラスポーツの感動を間近で体験できる素晴らしいイベントです。豊橋市民向けの無料招待やチケット情報も活用し、ぜひ会場で選手たちを応援してみてはいかがでしょうか。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77