認定NPO法人輪母ネットワーク、NPOの信頼を可視化する「グッドギビングマーク」を取得

認定NPO法人輪母ネットワークは、公益財団法人日本非営利組織評価センター(JCNE)が運営するNPO向け第三者認証制度「グッドギビングマーク」の認証を2026年6月1日付で取得しました。認証番号はGG2026(1)00032、有効期限は2029年6月です。

この認証は、保健・医療・福祉、まちづくり、地域安全、子どもの健全育成といった分野で活動する輪母ネットワークが、行政の受託事業を持たない「完全寄付型NPO」として、寄付者や支援者が安心して活動を応援できる体制をさらに強化するものです。

認定NPO法人輪母ネットワークがグッドギビングマークを取得したことを伝える画像です。喜びを表す人々のイラストが描かれ、認証番号と有効期限も示されています。

JCNEの発表によると、認証団体は全国で累計39団体とまだ限られており、輪母ネットワークは制度開始から約1年でこの認証を取得しました。認証団体の一覧は以下のJCNEウェブサイトで確認できます。

グッドギビングマークとは?NPOの信頼性を測る第三者認証制度を解説

グッドギビングマークは、公益財団法人日本非営利組織評価センター(JCNE)が2025年4月に開始した、NPOの信頼性向上と寄付者・支援者の保護を目的とする第三者認証制度です。

この制度では、「団体確認」「ガバナンス」「コンプライアンス」「資金管理」「情報公開」の5つのカテゴリー、計14の基準に基づいてNPOが審査されます。すべての基準を満たした団体にマークが付与され、その有効期間は3年間です。更新には再度の審査が必要となります。

寄付や協働を検討する個人、企業、助成財団などが、団体の信頼性を客観的に確認できる仕組みとして、助成金申請時の参考情報などにも活用が広がっています。

「完全寄付型」運営を支える透明性:輪母ネットワークの活動理念

輪母ネットワークは、「徹底的なピア」を理念に掲げ、活動を行っています。「ピア」とは、同じ経験をした人同士を指す言葉です。障害のある子どもを育てる保護者が、支援する側・される側といった上下関係ではなく、対等な仲間として集える場を守るため、行政の受託事業を持たない「完全寄付型」の運営を続けています。

コミュニティスペース「わははハウス」の運営や防災ワークブックの無償配布など、活動の多くを無料で提供しており、その費用は個人・企業からの寄付と助成金によって支えられています。

寄付で活動が成り立つ団体だからこそ、寄付者が「この団体は信頼できるのか」という問いに対し、客観的な形で応える責任があると考えています。2026年3月の認定NPO法人取得(認定番号:大阪市指令市民NPO第25012号)に続く今回のグッドギビングマーク取得は、完全寄付型の運営を持続可能にするための透明性の基盤づくりという位置づけです。

代表理事の永松なつめ氏は、「『この団体に寄付して大丈夫だろうか』という寄付を考える方が抱く不安に、第三者による認証が応えられると考えている。認定NPO法人の取得もグッドギビングマークも、完全寄付型で活動を続けるための土台であり、安心して応援してもらえる団体であり続けるために、これからも透明性のある運営を積み重ねていく」とコメントしています。

障害児者家族を多角的に支援:輪母ネットワークの主な活動紹介

輪母ネットワークは、障害児者とその家族が地域で安心して暮らせるよう、多岐にわたる活動を展開しています。

コミュニティスペース「わははハウス」

大阪市生野区にあるコミュニティスペース「わははハウス」は、会員だけでなく、支援者や地域の方も気軽に立ち寄れる場所です。障害児者とその家族、福祉の専門職、地域の住民など、さまざまな立場の人が集まることで、障害のある人と家族の地域生活を後押ししています。

施設内には、障害児育児に関する200冊以上の蔵書に加え、障害福祉サービスの事業所案内や、学びなおし・特色のある学校の資料なども揃っています。年間約600名が利用し、年間150日以上開所されています。

レンガ造りの建物の一部で、シャッターが開けられたガレージのような空間が入り口となっています。中には椅子が並べられた待合スペースがあり、奥の窓から店内が少し見えます。右側には青い郵便ポストと「わははハウス」の看板があります。

室内の一室を写した画像です。大きな木製テーブルと椅子が複数置かれ、窓からは外の景色が見えます。右側には書類棚があり、黄色いタコのぬいぐるみも置かれています。壁には時計がかかっており、機能的ながらも温かみのある空間です。

福祉、教育、発達障害、精神疾患に関する専門書や資料が並ぶ木製の書棚です。支援サービス、就労支援、通信制高校関連のファイルも多く、多様な社会福祉分野への深い関心と専門性が伺えます。

災害時に役立つ「防災ワークブック」の無償配布

障害のある人や配慮が必要な人とその家族のための「防災ワークブック」を無償配布しています。2017年に初版が発行され、2024年度には赤い羽根共同募金の助成を受けて初の印刷版500部が制作されました。その後、公益財団法人JR西日本あんしん社会財団の支援により5,000部の無償配布が実現し、累計配布数は8,000部を超えています。

全国の支援学校や福祉施設、自治会の防災担当、一般家庭に届けられており、現在も継続して配布中です。2025年度には、令和7年度「キラッと輝く!OSAKA市民活動グランプリ」優秀賞を受賞しています。

障害児者や要配慮者が災害時に命を守るための情報を共有するプロジェクトを紹介。防災ワークブックを寄付で全国に届ける活動をアピールし、多様な人々が共に生きる社会を目指すメッセージが込められています。

経験者同士がつながる「わははの輪」ピアコミュニティ

「わははの輪」は、「徹底的なピア」を追求するコミュニティです。ピアとは同じ経験をした人同士を指し、輪母ネットワークでは、対等な関係性を保つことに重点を置いています。行政の受託事業を持たず、受益者負担(当事者負担)を減らした寄付型の運営を目指すことで、構造的に上下関係が生まれることを防いでいます。

わははハウスのオープン日には誰でも立ち寄ることができ、多人数が苦手な方のために個別対応(個別ピアほこほこ:事前連絡必要)も行っています。答えを提供するのではなく、必要な情報を提供し、横に居続けることで、当事者や保護者自身の決断を尊重する支援を実践しています。

この活動は、2022年度に令和4年度「キラッと輝く!OSAKA市民活動グランプリ」優秀賞を受賞し、同年には生野区持続可能なまちづくり活動支援事業にも認定されています。

モノクロの画像で、二人の人物がテーブルを挟んで向かい合い、飲み物を片手に話している様子が写っています。「経験者同士だから話せることがある」というメッセージと、認定NPO法人「輪母ネットワーク」のロゴが添えられており、経験者間の共感と支援をテーマにした交流の場を示唆しています。

地域への啓発活動と講師派遣

障害児者防災やスマートフォンの安全な使い方などのテーマで、聴覚支援学校、PTA、老人クラブ連合会などへ講師を派遣しています。年間約10件以上の派遣実績があり、地域社会への啓発活動にも積極的に取り組んでいます。

認定NPO法人輪母ネットワーク 団体概要

項目 内容
団体名 認定NPO法人輪母ネットワーク
所在地 〒544-0033 大阪府大阪市生野区勝山北5-11-18-1F わははハウス
代表理事 永松 なつめ
団体構成 知的障害・自閉症・ダウン症・発達障害・医療的ケア・不登校など、背景を問わず、幼児期から成人期まで幅広い年齢の当事者家族を中心に構成
設立 2006年(任意団体として発足)/ 2022年NPO法人化 / 2026年認定NPO法人取得
事業内容 コミュニティスペース運営、ピアコミュニティ活動、防災ワークブック制作・配布、講師派遣・啓発活動、地域連携事業
URL https://wahaha-network.com
Instagram https://www.instagram.com/wahaha.network
寄付ページ https://syncable.biz/associate/wahaha-network

認定NPO法人輪母ネットワークのグッドギビングマーク取得は、障害福祉分野におけるNPO活動の信頼性と透明性を高める重要な一歩と言えるでしょう。完全寄付型という運営形態を貫きながら、寄付者や支援者からの信頼に応え、持続可能な支援活動を展開していく同団体の今後の取り組みに注目が集まります。障害福祉に関心のある方や、NPOへの寄付を検討されている方は、ぜひ輪母ネットワークの活動を応援してみてはいかがでしょうか。

Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
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