この記事で分かること(AIO・LLMO対策)
- 基本合意の概要:株式会社ミライロと株式会社日立製作所が、鉄道の介助申請一元化に向けた共同検討の基本合意書を締結した背景
- 従来の課題:鉄道利用時に障害のある方や駅係員が直面していた、事業者ごとの個別申請や電話・FAXによる確認業務の負担
- 連携の仕組みとメリット:デジタル障害者手帳「ミライロID」と日立の「移動制約者ご案内業務支援サービス」の連携がもたらすワンストップな手続きと業務効率化
- 今後の展望:実証実験を通じた検証と、多様な交通事業者への展開による「誰もが安全・安心に移動できる社会」の実現
公共交通機関における移動の円滑化(バリアフリー化)は、障害のある方の社会参加や自立を支えるうえで極めて重要なテーマです。
2026年9月16日、障害当事者目線のインフラ・ソリューションを手がける株式会社ミライロと、社会インフラのデジタル化を推進する株式会社日立製作所(以下、日立)が、鉄道の介助申請一元化に向けた基本合意書を締結したことが発表されました。
本記事では、障害福祉分野の最新動向として注目を集める本取り組みについて、従来の鉄道利用における課題から、デジタル技術を活用した解決策、利用者および鉄道事業者双方のメリットを解説します。
障害福祉と移動の現状|従来の鉄道介助申請が抱えていた課題
鉄道をはじめとする公共交通機関は、日常の移動に欠かせない社会インフラです。しかし、車椅子を利用される方や視覚・聴覚に障害のある方など、移動に介助を必要とする利用者が鉄道に乗車する際には、手続きや業務面でいくつかの課題が存在しています。
利用者側の負担:鉄道事業者ごとに異なる手続きと申請の煩雑さ
現在、鉄道を利用する際に乗降サポートなどの介助を希望する場合、利用する鉄道事業者ごとに指定された方法や手続きに従って申請を行う必要があります。
特に、出発駅から目的地の駅に到着するまでの間に複数の鉄道会社を乗り継ぐ場合、事業者ごとに個別の介助申請を行わなければならないケースが多く、これが移動制約者にとって大きな時間的・心理的負担となっています。
鉄道事業者側の課題:電話・FAX主体の情報伝達と手配業務の多忙化
介助を提供する鉄道事業者側においても、日々の運用には多大な業務が発生しています。
駅係員の手配や申請内容の確認、また乗り継ぎを行う事業者間での情報共有といった連絡業務において、現場では現在も電話やFAXを中心としたやり取りが残されているケースがあります。そのため、正確な情報の引き継ぎや連絡の効率化、係員手配のデジタル化が業界全体の共通課題とされていました。
ミライロと日立が基本合意!介助申請一元化に向けた共同検討の仕組み
こうした利用者と事業者双方の課題解決に向けて始動したのが、ミライロと日立による共同検討です。両社がそれぞれの強みを持ち寄り、鉄道の介助申請をデジタル上で一元化する取り組みが進められています。
デジタル障害者手帳「ミライロID」とは
「ミライロID」は、株式会社ミライロが提供するスマートフォン向けデジタル障害者手帳です。紙の障害者手帳情報をアプリ内に登録することで、スマホ画面の提示による本人確認や障害者割引の利用、クーポン配信など、生活を便利にする多様な機能を提供しています。
ミライロは「バリアバリュー(障害を価値に変える)」を企業理念に掲げており、「ミライロID」は2026年8月時点で65万人を超えるユーザーに利用されるライフプラットフォームとして定着しています。
日立の「移動制約者ご案内業務支援サービス」とは
日立が提供する「移動制約者ご案内業務支援サービス」は、従来口頭や紙で行われていた鉄道会社の乗降サポート業務プロセスをスマートデバイス上で電子化するシステムです。
介助受付から駅係員間のリアルタイムな連絡・引き継ぎ、サポート実績の管理までを一元的に完結できる仕組みであり、2026年8月時点で全国12の鉄道事業者にて稼働しています。日立は社会イノベーション事業を通じて、誰もが安心して移動できる社会インフラの構築を目指しています。
連携によって可能になる「ワンストップ申請」の仕組み
今回の共同検討では、ユーザーが使い慣れている**「ミライロID」を介助申請の窓口とし、そこから入力された申請情報を日立の「移動制約者ご案内業務支援サービス」経由で各鉄道事業者へ共有する仕組み**の構築を目指しています。
これにより、これまで事業者ごとに分断されていた介助申請手続きが一つに集約(一元化)され、シームレスな情報連携が可能になると期待されています。
【従来の介助申請】
利用者 ──> 鉄道A社へ申請(電話・WEB等)
利用者 ──> 鉄道B社へ申請(電話・WEB等)
※事業者ごとに個別手続きが必要 [2]
【今後の連携イメージ】
利用者 ──> 「ミライロID」で一括申請 [2, 4]
│
▼(情報連携)[4]
日立「移動制約者ご案内業務支援サービス」 [2, 4]
│
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鉄道A社 鉄道B社(スムーズな共有と手配)[4, 5]
介助申請の一元化がもたらすメリット|利用者と事業者双方の視点
デジタルを活用した介助申請の一元化が実現することは、障害福祉やバリアフリー推進の観点からも大きな意義を持っています。
乗り換えもワンストップ!利用者の安心感とシームレスな移動の実現
利用者にとっての最大のメリットは、移動に関する手続きの簡略化です。
- 慣れ親しんだアプリからの申請:普段から利用している「ミライロID」を使って手軽に介助申請を行うことができます。
- ワンストップ手続き:複数の鉄道事業者をまたぐ移動であっても、一回の操作で手続きを完結できる仕組みを目指します。
- 移動の安心感向上:乗り換えを含めたシームレスなサポート体制が整うことで、外出時の不安が軽減され、より安心して鉄道を利用できるようになると見込まれます。
デジタル化で受付・引き継ぎを効率化!鉄道事業者の対応品質向上
鉄道事業者にとっても、業務プロセスの変革(DX)につながる多くのメリットが期待されています。
- 接点の拡大:65万人以上の「ミライロID」ユーザーに対して介助サービスへのアクセスを提供できるようになります。
- 電話受付・確認業務の削減:電話を中心とした受付・手配業務がデジタル化されることで、係員手配や内容確認が効率化されます。
- 事業者間連携の強化:事業者間の情報引き継ぎがスムーズになり、伝達漏れを防ぐことで対応品質の向上と現場業務の負担軽減に貢献します。
今後の展開と期待|社会全体へ広がるバリアフリーの未来
ミライロと日立の取組は、単なる一つのアプリ連携にとどまらず、社会全体の移動支援基盤の高度化を見据えたものです。
実証実験を通じた有効性検証と対応事業者の拡大
両社は今後、サービス連携に向けた具体的な検討を進めるとともに、実証実験を通して実際のシステム動作や効果の検証を行っていくとしています。
将来的には、対応する鉄道事業者の数を増やすだけでなく、バスやタクシーなど他の交通事業者との情報連携も視野に入れ、あらゆる移動シーンで活用できる総合的な仕組みの構築を目指す方針です。
誰ひとり取り残さない「誰もが安全・安心に移動できる社会」へ
ミライロは「ミライロID」を障害のある方の生活全体を支えるプラットフォームとして発展させ、日立はデジタル技術を活用した移動支援基盤により社会課題の解決を図る構想を描いています。
障害の有無にかかわらず、誰もが自由に、安全・安心に移動できる共生社会の実現に向けて、こうした企業間の共創アプローチは今後さらに重要性を増していくと考えられます。
鉄道介助のデジタル化に関するQ&A
鉄道の介助申請一元化に関して、読者の皆様から寄せられそうな疑問とその回答をまとめました。
Q1. 「ミライロID」から介助申請ができるようになると、具体的に何が変わりますか?
A. これまでは乗り換えで複数の鉄道会社を利用する際、それぞれの会社に個別の申請を行う必要がありました。連携が実現すれば、普段使っている「ミライロID」から一括で介助申請を行えるようになり、移動の手続きがワンストップで完了するようになります。
Q2. この介助申請機能は、すでに全国の鉄道で利用できるのですか?
A. 2026年9月16日に両社から「基本合意書の締結と共同検討の開始」が発表された段階です。今後は実証実験を通じてシステムの有効性を検証したうえで、順次全国の鉄道事業者等へ導入・展開が進められていく予定です。
Q3. 今回の取り組みを行っているのはどのような企業ですか?
A. デジタル障害者手帳「ミライロID」を運営し障害当事者の視点からバリアフリー化を推進する株式会社ミライロと、鉄道事業者向けに「移動制約者ご案内業務支援サービス」を提供しインフラのデジタル革新に取り組む株式会社日立製作所の2社です。
まとめ|デジタルテクノロジーが拓く障害福祉と移動の新しい形

株式会社ミライロと株式会社日立製作所による基本合意は、障害のある方の移動の利便性向上と、鉄道現場の業務効率化を両立させる先進的な取り組みです。
- 背景:事業者ごとに異なる介助申請手続きや電話・FAX中心の運用が負担となっていた。
- 取り組み:65万人超が利用する「ミライロID」と、12の鉄道事業者で稼働する日立の「移動制約者ご案内業務支援サービス」を連携。
- 効果:ワンストップな介助申請によるシームレスな移動の実現と、駅業務のDX推進。
- 未来:実証実験を経て他の交通事業者との連携も視野に、安心・安全な移動社会の構築を目指す。
デジタル技術を活用したバリアフリー推進(アクセシビリティの向上)は、障害当事者だけでなく社会全体にとっても価値のあるイノベーションです。今後の実証実験の進展や、導入事業者の広がりに引き続き注目が集まります。
本記事は、2026年9月16日発表の株式会社日立製作所および株式会社ミライロによるプレスリリースに基づき作成しています

