現代社会が抱える「ひきこもり」問題と家族の課題に光を当てる
日本には146万人ものひきこもりの方がいると言われており、その背景には就職難や社会からの孤立、そして高齢の親がひきこもりの子を支える「8050問題」など、多岐にわたる課題が存在します。
8050問題とは:80代の親が50代のひきこもりの子を支える状態を指す社会問題です。親が高齢になり経済的・体力的に限界を迎え、子も社会との接点を持てないまま孤立が深まるケースが多く見られます。
『月曜のこない部屋』は、まさにこうした現代の家庭が抱える闇と、そこからの再生を目指す人々の姿を克明に描き出しています。物語は、ひきこもり支援施設「リアルステップ(RS)」を舞台に展開され、当事者とその家族が社会復帰への道を探る姿が描かれています。
希望を探す物語:ひきこもり支援施設「リアルステップ」の挑戦
小説のあらすじは、ひきこもり支援施設「リアルステップ」で働く矢島宇宙と、新人の栗本日菜子が、依頼された家を訪ね、当事者を説得し、社会復帰への道を探る仕事をしているところから始まります。ある日、総合病院に勤めていた息子・敦司が5年前からひきこもり、母親の服を切り刻む行動まで始まったという女性が施設を訪れます。
矢島は手紙や電話で敦司との接触を試みますが、応答はありません。栗本とともに自宅を訪ねることで、物語は新たな局面を迎えます。支援施設での具体的な取り組みや、当事者・家族との間に生まれる葛藤、そして小さな希望の光が、読者の心に深く訴えかけるでしょう。
著者・城山真一氏が語る、創作への思いと「家族」の視点
著者である城山真一氏は、この作品について「ひきこもりが長く続く原因は家族にある」と、ひきこもりに関する取材と膨大な資料から感じたことを語っています。また、「ひきこもりというのは、ひきこもる当人だけをいうのでなくその家族も含む」「家族の心も当人と同じようにひきこもっているのではないか」という視点を提示しています。
本人と家族をがんじがらめにし続ける固定化した関係をどう溶かし、もう一度時間を動かすのか。城山氏は、この物語が「出口のない穴でもがいている人々」の何かのきっかけになってくれることを心から願っているとコメントしています。希望の物語だからこそ、きれいごとを抜きにして、あえてザラザラした世界を描いたという著者の言葉からは、この問題への真摯な姿勢がうかがえます。
『看守の流儀』で知られる城山真一氏のプロフィール
城山真一氏は1972年石川県生まれ。『国選ペテン師千住庸介』でデビュー後、『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』で第14回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しました。代表作『看守の流儀』はドラマ化もされています。その他にも、『相続レストラン』『ダブルバインド』『狙撃手の祈り』『看守の信念』『金沢浅野川雨情』など、数々の著書があります。
書籍情報と試し読みの案内

書誌情報
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タイトル:月曜のこない部屋
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著者:城山真一
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定価:2,090円(税込)
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判型:四六判並製
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ページ数:320ページ
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発売:2026年8月7日(金)
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ISBN:978-4-19-866244ー8
第一話第一節を特別公開中
https://note.com/tokuma_bungei/n/n1d0bad46c8ceにて、本書の第一話第一節が試し読みできます。ぜひこの機会に、城山真一氏が描く社会派ドラマの世界に触れてみてください。
『月曜のこない部屋』は、ひきこもり問題とその家族の課題に関心を持つ方々にとって、深い洞察と新たな視点をもたらす一冊となるでしょう。この作品を通じて、社会が抱える見えにくい問題への理解が深まり、より良い支援や共生社会の実現に向けた議論の一助となることが期待されます。

