松戸とルワンダをつなぐ「なかよし幸蕎麦」:食文化を通じた平和教育と障害福祉の新たな挑戦
千葉県松戸市に拠点を置く特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトが、一般社団法人happy choice(ハッピーチョイス)が運営する就労継続支援B型事業所「ハッピーワーク松戸」および「戸定そば幸」と連携し、アフリカのルワンダで「Peace Noodle Project なかよし幸蕎麦」を計3回実施しました。
このプロジェクトは、「支援される側から支援する側へ」というコンセプトのもと、障害のある方々が事業所で育んだ「働く力」を、ルワンダの子どもたちや教員の学びと笑顔につなげることを目的としています。

「なかよし幸蕎麦」プロジェクトがルワンダで実現した国際交流と食育の現場
「なかよし幸蕎麦」プロジェクトでは、単に完成したそばを提供するだけでなく、参加者がそば粉に触れ、生地をこね、麺棒で延ばし、切り、茹で、そして一緒に味わうまでの全工程を体験しました。この体験を通じて、言語や文化、年齢の違いを超えた自然なつながりが生まれました。
この取り組みは、単なる日本文化の紹介に留まらず、食を通じて互いを理解し、学び合い、平和な関係を育む教育プログラムとして展開されました。


ルワンダ滞在中には、Kibagabagaの教員との交流やMiyoveでの地域教育活動を含む、計3回の蕎麦打ち交流が実施されました。
参加した教員や子どもたちは、そば粉が麺になる過程に興味津々で、実際に麺棒で生地を延ばす作業などに挑戦しました。完成品を受け取るだけでなく、自らの手で作ることで、食材の変化、道具の役割、力の加え方、そして仲間との協力といった、身近な科学や仕事の仕組みを体験的に学びました。

説明する人、挑戦する人、順番を待つ人、応援する人といった役割が自然に生まれ、「一緒につくる」こと自体が国際交流の時間となりました。

ルワンダの収穫感謝祭「Umuganura」で教員と蕎麦打ち交流
2026年8月7日には、約10年にわたり交流を続けてきたKibagabaga Primary Schoolで、現地の教員との蕎麦打ち交流が行われました。
この日は、収穫や食に感謝するルワンダの文化行事「Umuganura」にあたりました。なかよし学園は千葉県産のそば粉を持参し、戸定そば幸での交流を通じて学んだ技術をもとに、教員たちと生地をこね、延ばし、切り、茹で、食べるまでを体験しました。
普段は子どもたちに学びを伝える先生たちが、新しい文化に触れ、試行錯誤しながら学習者になることで、教える側と教えられる側を固定しない学びが生まれました。材料、技術、工夫、協力の大切さを共有する、貴重な食文化交流となりました。

Miyoveで学ぶ「食・仕事・教育・平和」のSYSTEM
2026年8月11日には、なかよし学園が継続的に活動してきたMiyoveで、蕎麦打ち実習が実施されました。
この日の教育活動では、「SYSTEM」を主要テーマに掲げ、身の回りの道具や社会の仕組みについて考察しました。教育によって力を身につけ、その力を仕事につなげ、所得を得て、自分や家族の生活を安定させ、さらに他者を支える。この循環が、地域と世界の平和につながるというメッセージが伝えられました。
そば作りにおいても、食材を育てる人、粉に加工する人、技術を習得する人、調理する人、届ける人、食べる人といった多くの人の仕事と役割が連携することで、一杯のそばが完成します。「なかよし幸蕎麦」は、この目に見えないつながりを、子どもから大人までが体験的に理解できる教材としての役割も果たしました。

障害福祉事業所の「働く力」が世界に貢献:松戸から広がるインクルーシブな社会モデル
「ハッピーワーク松戸」は、千葉県松戸市にある就労継続支援B型事業所です。ここでは、障害のある方々が、そば店スタッフ、農業スタッフ、そば製品スタッフとして技術を習得しながら働く機会を得ています。運営する「戸定そば幸」では、店舗での接客や調理、そばに関わる製品づくりなどを通じ、一人ひとりに合わせた働き方と社会参加を支援しています。
【専門用語解説】就労継続支援B型事業所とは?
就労継続支援B型事業所は、障害者総合支援法に基づく福祉サービスの一つです。一般企業での就労が困難な障害のある方に対し、雇用契約を結ばずに生産活動の機会を提供し、知識や能力の向上を支援する施設を指します。利用者は自分のペースで働くことができ、工賃(給与ではなく成果に対する報酬)を受け取ります。
なかよし学園はこれまで、この事業所を訪問し、利用者の皆さんが働く姿やそば作りに関わる仕事を学んできました。そこで育まれた技術や仕事が海を越え、ネパールに続き、今回のルワンダでも子どもや教員の学びを生み出したのです。


福祉の現場で「支援を受ける人」と見られることのある人々が、その仕事と技術によって世界の誰かを支える存在になる。これこそが、なかよし学園とhappy choiceが進める「支援される側から支援する側へ」というインクルーシブな社会モデルです。

Peace Noodle Projectが目指す「世界とつながる学び(CoRe Loop)」と平和教育
Peace Noodle Projectは、麺料理を完成品として提供するだけの食料支援ではありません。共に材料に触れ、作り方を学び、失敗し、助け合い、同じ食卓を囲む過程を、文化交流、食育、科学教育、職業教育、インクルーシブ教育、そして平和教育へとつなげる取り組みです。
そばを作る人、技術を教える人、海を越えて届ける人、初めて生地に触れる子どもたち、そしてその笑顔が松戸へ還ってくる。日本の地域で生まれた仕事が世界の学びを支え、海外から還ってきた反応が、日本で働く人たちの誇りと次の仕事につながる。この循環は、なかよし学園が展開する「世界とつながる学び(CoRe Loop)」の実践でもあります。

なかよし学園プロジェクト代表の中村雄一氏は、「一杯のそばを一緒に作ることから、人と人が出会い、理解し合い、助け合う関係が始まる。Peace Noodle Projectを通じて、そんな小さな平和の場を世界各地に増やしていきたい」と語っています。
また、事務局長の中村里英氏は、「松戸で大切に育てられてきた蕎麦作りが、海を越え、ルワンダの子どもやお母さん方、先生たちの新しい体験と笑顔につながった。ルワンダで生まれた笑顔や言葉、子どもたちが挑戦する姿を、今度は松戸で働く皆さんへしっかりと還すことまでが、『なかよし幸蕎麦』であり、なかよし学園のCoRe Loopだ」と、プロジェクトの循環と意義を強調しています。


ハッピーワーク松戸・戸定そば幸と特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトについて
一般社団法人happy choiceが運営する「ハッピーワーク松戸」は、千葉県松戸市にあり、障害のある方々がそば店、農業、そば製品に関わる仕事を通じて技術や能力を身につける就労継続支援B型事業所です。「戸定そば幸」では、店舗経験を持つスタッフによる技術指導と、福祉スタッフによる個別支援を組み合わせ、一人ひとりに合った働き方を支援しています。
戸定そば幸
〒271-0092 千葉県松戸市松戸1117
ウェブサイト: https://happy-choice.org/soba_sachi/

特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトは、日本国内の学校、自治体、企業、福祉事業所などと連携し、日本で生まれた学び、仕事、技術、教材を海外の教育現場で実装する「世界とつながる学び(CoRe Loop)」を展開しています。物資や教材を届けるだけでなく、現地での活用、子どもや教員の反応、手紙や作品などを日本へ還し、次の学びと行動につなげる循環を大切にしています。
ウェブサイト: https://nakayoshigakuen.org
この「なかよし幸蕎麦」プロジェクトは、障害福祉分野における新たな国際貢献の形を示し、食文化を通じて世界中の人々とつながり、平和を育む可能性を広げています。松戸から始まったこの取り組みが、今後さらに多くの地域へと広がり、インクルーシブな社会の実現に貢献していくことが期待されます。




