📌 この記事で分かること

  • 障害福祉の現状:医療的ケア児や重症心身障がい児のご家族が直面する「外出の壁」の実態
  • 専門用語の解説:「重症心身障がい児」「医療的ケア児」「きょうだい児」「インクルーシブ」の意味
  • 「COCOLON クリスマスコンサート2026」の特長:マット席や車いす対応、おむつ交換スペース、電源確保の環境
  • プログラムと体験価値:音大卒ユニット「音のなかまたち」による本格演奏と即興リクエスト・体験型ステージ
  • 主催者の想いと実績:特定非営利活動法人EPOの取り組みとキッズデザイン賞等の受賞歴

障がいや医療的ケアが必要なお子様を持つご家族にとって、劇場やホールでの音楽コンサートへのお出かけは、周囲への配慮や設備の面から諦めてしまいがちな体験の一つと言われています。厚生労働省の調査においても、医療的ケア児のご家族の多くが外出に困難を感じている実態が報告されています。

そのような課題に対し、特定非営利活動法人EPOが運営するコミュニティ「COCOLON」では、障がいの有無にかかわらず誰もが気兼ねなく楽しめるインクルーシブなファミリーコンサートを開催しています。2026年11月23日(月・祝)には、表参道の東京ウィメンズプラザにて「COCOLON クリスマスコンサート2026」が開催される予定です。

本記事では、障害福祉における外出支援の意義や、当イベントが提供するインクルーシブな体験価値、開催概要を解説していきます。


障害福祉における「外出の壁」とは?医療的ケア児とご家族が直面する現状

厚生労働省のデータに見る「外出の困難さ」の実態

厚生労働省の調査によると、医療的ケア児と暮らすご家族の65.3%が「医療的ケアを必要とする子どもを連れての外出は困難を極める」と回答しているとされています。

外出時には、以下のような多角的な配慮や環境整備が必要とされる傾向があります。

  • 設備面の課題:乳幼児用にとどまらない大型のおむつ交換スペースやベッドの確保
  • 医療面の課題:吸引器や呼吸器などの医療デバイスに使用する電源の確保
  • 人的・移動面の課題:車いす・バギーでの移動や、一緒に参加するきょうだいの見守りサポート

一般的なコンサートホールなどでは、「途中で声をだしてしまうかもしれない」「体勢を頻繁に変えることが難しい」といった心理的ハードルも重なり、お出かけ自体を躊躇してしまうケースが少なくないと指摘されています。

【障害福祉の専門用語解説】「重症心身障がい児」「医療的ケア児」「きょうだい児」とは?

記事を読み進めるうえで知っておきたい、障害福祉分野の基本用語を整理・解説します。

  • 重症心身障がい児(じゅうしょうしんしんしょうがいじ) 重度の身体障がいと重度の知的障がいが重複しているお子様を指します。移動や日常の動作に全面的なサポートを必要とすることが多く見られます。
  • 医療的ケア児(いりょうてきケアじ) 日常的に人工呼吸器の管理や経管栄養、痰の吸引などの医療的ケアを必要とするお子様を指します。
  • きょうだい児(きょうだいじ) 障がいや病気を持つお子様の兄弟姉妹を指します。福祉の現場では、きょうだい児も自分らしく楽しめる機会づくりが重要視されています。
  • インクルーシブ(Inclusive) 「包摂的な」「分け隔てのない」という意味を持つ言葉です。障害福祉においては、障がいの有無や年齢にかかわらず、誰もが同じ空間を共有し共に楽しめる取り組みや環境を指します。

障がいの有無を超えて音を楽しむ!「COCOLON クリスマスコンサート2026」の工夫と魅力

ごろんも抱っこもOK!バリアフリーな鑑賞スタイルと充実した会場環境

「COCOLON クリスマスコンサート2026」では、従来のクラシックコンサートのような指定席・着席観覧にとらわれない、多様な鑑賞スタイルが用意されています。

  • クッションフロアのマット席:椅子に座るだけでなく、抱っこやごろんと寝そべった自由な姿勢で鑑賞が可能です。
  • 車いす・バギー席:車いすや大型バギーに乗ったままスムーズに参加できるスペースが確保されています。
  • 安心のサポート設備:屋内ホール開催のため天候に左右されず、おむつ交換スペースや医療用デバイスの電源確保など、必要な環境が整えられています。

音大卒ユニット「音のなかまたち」による本格生演奏と参加型ステージ

ステージに出演するのは、子ども向け音楽家「やまキッズ」が代表を務める音楽大学出身の5人組ユニット「音のなかまたち」です。

子どもたちになじみ深い手遊び歌から本格的なクラシック、クリスマスソングまで、五感で味わえる幅広いプログラムがアレンジ演奏されます。さらに、観客からのリクエストにその場で応える即興演奏や、ステージに上がって演出に参加する「バスごっこ」など、観る・聴くだけにとどまらない参加型企画が用意されている点も大きな魅力とされています。

声を出しても大丈夫!気兼ねなく参加できるインクルーシブな空間づくり

本イベントは、「声をだしてしまったらどうしよう」「体勢を急に変えたくなったら心配」といった懸念を感じることなく参加できるよう工夫されています。

主催する特定非営利活動法人EPOは、児童発達支援・放課後等デイサービスを運営する専門知見を有しており、障がいのあるお子様本人だけでなく、きょうだい児やご両親、祖父母まで家族みんなが笑顔で過ごせる空間づくりを目指しています。


「COCOLON クリスマスコンサート2026」イベント開催概要と申込手順

日時・会場・参加費などの基本情報まとめ

イベントの開催詳細は以下の通りとなっています。

項目詳細内容
イベントタイトルCOCOLONクリスマスコンサート2026
開催日時2026年11月23日(月・祝)・第1部:12:15開場 / 13:00開演・第2部:14:45開場 / 15:30開演
開催場所東京ウィメンズプラザ(東京都渋谷区神宮前5-53-67 / 表参道)
参加費(1階席)・会員:大人 500円 / 子ども 無料・一般:大人 2,000円 / 子ども 1,000円
参加費(2階席)・会員:大人 無料 / 子ども 無料・一般:大人 1,500円 / 子ども 500円
参加定員各回 30組120名
申込開始日2026年10月1日(木)12:00〜

オンラインでの申込方法と事前チェックポイント

参加の申込手順は以下のステップで案内されています。

  1. イベントページへのアクセス:COCOLON公式オンラインサイト内のイベントページ(https://co-co-lon.com/event/xmas_concert26/)へアクセスし、概要を確認します。
  2. チケットの選択・購入:ページ内のボタンより申込画面へ遷移し、必要チケットを購入します。
  3. フォーム送信:申込フォームを送信することで申込みが完了します(※COCOLON会員やデイサービス利用者の場合もチケット申込が必要です)。

主催団体「特定非営利活動法人EPO」とコミュニティ「COCOLON」の活動背景

児童発達支援・放課後等デイサービス「ここね」での支援実績

イベントを主催する特定非営利活動法人EPO(代表:森 えりか)は、2015年4月に設立されたNPO法人です。

2016年より、重症心身障がい児を対象とした児童発達支援・放課後等デイサービス「ここね」を運営しており、東京都足立区・江戸川区の4事業所において延べ200名以上の子どもたちを支援してきた実績を持ちます。

キッズデザイン賞や東京都女性活躍推進大賞を受賞した評価と取り組み

EPOが運営する「COCOLON」は、重症心身障がい児とご家族のための「繋がり」「学び」「遊び」「楽しみ」を提供するコミュニティとして活動を広げています。

社会的な課題解決に向けた取り組みが評価され、第19回キッズデザイン賞〈奨励賞〉や令和7年度東京都女性活躍推進大賞〈大賞〉を受賞するなど、障害福祉・地域社会の発展に貢献する団体として注目を集めています。


Q&A(よくある質問)

Q1. コンサート中に子どもが声をだしたり、体を動かしたりしても大丈夫ですか?

A. 全く問題ありません。本コンサートは、声を出したり体勢を変えたりすることが自然に受け入れられるインクルーシブな空間として企画されています。クッションフロアのマット席で横になったり抱っこをしたりしながら自由なスタイルで鑑賞できます。

Q2. 車いすやバギーでの来場や、医療機器の電源利用はできますか?

A. はい、可能です。車いす・バギーのまま鑑賞できる専用エリアが用意されているほか、医療デバイスの電源確保やおむつ交換スペースなど、必要な設備が完備されています。

Q3. 障がいのないきょうだい児や、おじいちゃん・おばあちゃんも一緒に楽しめますか?

A. もちろん楽しめます。プロの音楽家「音のなかまたち」による手遊び歌からクラシックまで、子どもから大人まで楽しめるプログラムが構成されており、ご家族そろって笑顔になれるイベントとなっています。


まとめ:すべての子どもと家族に届ける音楽体験と障害福祉のこれから

障害福祉の現場では、単に日常のケアを提供するだけでなく、ご家族全体のQOL(生活の質)を高める「社会参加」や「余暇の楽しみ」の機会づくりが重要なテーマとなっています。

「COCOLON クリスマスコンサート2026」のようなインクルーシブイベントは、バリアフリーな環境ときめ細やかな配慮によって、これまで外出を躊躇していたご家族にも安心して本格的な音楽体験を届ける貴重な機会となっています。

障がいの有無を超えて共に音楽を楽しみ、笑顔を共有できるこのような取り組みが広がっていくことは、誰もが暮らしやすい豊かな社会の実現に向けた大きな一歩と言えます。


Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77