この記事で分かること

  • 株式会社kumapriへの社名変更と佐賀市への本社移転に関する最新動向
  • 発達障害や不登校、学習の困りごとを抱える子どもに向けた「教育×福祉」の統合アプローチ
  • 佐賀県佐賀市が誇る教育・障害福祉の歴史的背景(大隈重信・石井亮一の功績)
  • 学習支援システム**「くまプリ」の特徴**と、放課後等デイサービス・児童発達支援等での活用可能性
  • 読者の疑問を解消する障害福祉・発達支援に関するよくあるQ&A

発達障害の特性や不登校、集団学習への苦手意識など、日常の勉強や学校生活に悩みを抱える子どもたちやそのご家族は少なくありません。「うちの子に合う支援方法はあるのだろうか」「福祉施設と教育の場はどのように連携しているのだろう」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

障害福祉・発達支援の分野では、これまで「福祉による生活面のサポート」と「教育機関による学習のサポート」が別々に捉えられがちでした。しかし近年、その境界を越えて子ども一人ひとりの認知特性に合わせた包括的な支援を行う取り組みが広がっています。

本記事では、2026年10月1日付で「株式会社同立有志会ホールディングス」から商号変更し、佐賀県佐賀市へ本社を移転した「株式会社kumapri(くまプリ)」の最新リリースをもとに、発達支援の現状と未来の展望を解説します。専門用語の丁寧な解説やよくある質問も掲載していますので、読者のみなさまが障害福祉への理解を深め、今後の支援の選択肢を見つける一助となれば幸いです。


障害福祉・発達障害をめぐる現状とは?「教育」と「福祉」を融合させる必要性

子どもたちの発達や学習に関する課題が多様化するなかで、障害福祉サービスや発達支援のあり方にも大きな変化が求められています。

児童発達支援・放課後等デイサービスにおける現場の課題

発達に特性のある子どもや学習上で困りごとを抱える子どもは、集団指導を中心とする従来の学習環境において「勉強についていくのが難しい」「自分のペースで学べない」といった壁に直面することがあります。

これまで福祉の現場(放課後等デイサービスや児童発達支援など)では、主に生活習慣の自立や運動面・行動面のサポートが中心となる傾向がありました。一方で、学習面のサポートは教育機関や学習塾に委ねられることが多く、「福祉」と「教育」の連携が十分に行き届かないケースが存在していたと指摘されています。

子どもが学ぶことを諦めずに自信を育むためには、福祉的な配慮を行いながら、その子に合った学習方法を提供する「教育と福祉の一体的なアプローチ」が不可欠と考えられています。

障害福祉分野の専門用語解説

ここで、障害福祉や発達支援を理解するうえで重要な専門用語について整理します。

  • 発達支援: 子ども一人ひとりの発達段階や認知特性、学習上の課題を正しく理解し、健やかな成長と将来の自立に向けた総合的なサポートを行う取り組みです。
  • 児童発達支援: 主に未就学の発達障害児や発達に特性のある子どもを対象に、日常生活における基本動作の指導や知識技能の付与、集団生活への適応訓練などを提供する障害福祉サービスです。
  • 放課後等デイサービス(ほうかごとうデイサービス): 主に6歳〜18歳(小・中・高校生)の障害や発達特性のある子どもが、学校の授業終了後や長期休業期間に通い、生活能力の向上訓練や社会との交流促進、学習支援等を受ける福祉施設です。
  • 認知特性: 見ること(視覚)、聴くこと(聴覚)、言語を通じた理解など、脳が情報を整理・記憶・処理する際の強みや偏りのことを指します。
  • インクルーシブ教育: 障害の有無にかかわらず、すべての子どもが共に同じ場で学べるよう、一人ひとりのニーズに応じた配慮や環境整備を行う教育の考え方です。

「学べないを、なくす。」発達支援の世界を変える株式会社kumapriの挑戦

2026年10月1日、教育・福祉分野で事業を展開する同立有志会ホールディングスは、新たなスタートを切りました。

「同立有志会」から「株式会社kumapri」への社名変更と企業理念

同社は、2026年10月1日付で商号を「株式会社kumapri(くまプリ)」へと変更しました。この新社名は、同社が企画・開発する学習支援システム「くまプリ」に由来しています。

株式会社kumapriは、企業理念として「学べないを、なくす。」を掲げています。子どもを単に「できる・できない」で分類するのではなく、「どうすれば、この子は学べるのか」を追求する姿勢を社名そのものに込めています。

また同社は、単なる事業規模の拡大にとどまらず、「発達支援の世界を変える。」というビジョンを表明しています。発達特性や不登校、学習上の悩みを抱える子どもたちが環境によって学びを諦めなくてよい社会の実現を目指しています。

代表取締役 中村尊裕氏が掲げる「一人ひとりに合った学び」

株式会社kumapriの代表取締役である中村尊裕(なかむら たかひろ)氏は、教育や福祉の現場で子どもたちと向き合ってきた経験から、「『学べない子ども』がいるのではなく、その子に合った学び方にまだ出会えていないだけである」という考えを示しています。

発達特性や不登校の経験があっても、その子に合った適切な方法で小さな「できた」という体験を積み重ねることが、子どもの自信や将来の大きな変化につながるとされています。学習支援・運動・認知へのアプローチを組み合わせ、データやICT・AIテクノロジーを活用しながら支援の質を高める方針が打ち出されています。


なぜ佐賀市へ本社移転?歴史的背景と「佐賀モデル」の全国展開

株式会社kumapriは、社名変更と同日の2026年10月1日付で、本社を従来の奈良県から佐賀県佐賀市(iスクエアビル512号)へ移転しました。今回の移転を、同社では全国展開へ向けた「第二の創業」と位置づけています。

教育と障害福祉の先駆者を生んだ「佐賀」の歴史的ゆかり

同社が新たな本社拠点として佐賀市を選んだ背景には、佐賀が持つ深い教育・福祉の歴史が存在します。

  • 大隈重信(おおくましげのぶ): 佐賀出身であり、早稲田大学の前身となる東京専門学校を創設するなど、日本の近代教育の発展に大きく貢献した人物です。
  • 石井亮一(いしいりょういち): 佐賀市出身であり、日本における知的障害児教育・障害福祉の先駆者として知られています。

偉大な足跡を残した人物を輩出した佐賀の地から、現代の発達特性や不登校、学習上の困難という課題に向き合い、新しい発達支援モデルを発信していく構想です。

九州から全国へ!学習支援システム「くまプリ」の展開と地域連携

佐賀市への移転は、行政・金融機関・地域企業・教育や福祉の関係者との連携を生み出す目的も含まれています。福岡をはじめとする九州各地域へのアクセスを活かしつつ、従来の奈良拠点(奈良県大和郡山市)での活動も継続し、双方のネットワークを融合させて全国展開を進めていくとしています。

学習支援システム「くまプリ」は、直営拠点だけでなく、以下のような多様な現場での活用や事業者連携が想定されています。

  • 学習塾
  • フリースクール
  • 放課後等デイサービス
  • 児童発達支援施設

フランチャイズ展開や全国の事業者との連携を通じて、地域に関わらず質の高い発達支援・学習支援を受けられる環境づくりが推進されます。

ガバナンス強化と将来的な株式上場を見据えた経営基盤

株式会社kumapriは、全国規模での事業展開を支えるため、内部統制やガバナンス体制、人材育成などの経営基盤強化に取り組んでいます。

さらに、社会的な透明性や信頼性を高め、より多くの教育機関や福祉事業者と円滑に連携するために、将来的な株式上場も視野に入れていると発表されています。単に上場を目的とするのではなく、持続的に価値を提供し続ける企業基盤の構築を目指す姿勢が示されています。


Q&A

障害福祉や学習支援システムに関して読者のみなさまから寄せられやすい疑問について、Q&A形式で解説します。

Q1. 学習支援システム「くまプリ」はどのような施設で利用できますか?

A. 「くまプリ」は、直営施設にとどまらず、学習塾やフリースクール、放課後等デイサービス、児童発達支援など、教育・福祉の幅広い現場での導入が想定されています。全国の事業者との連携やフランチャイズを通じて、各地での展開が進められています。

Q2. 発達障害や学習障害がある子どもへの具体的な支援方法にはどのような特徴がありますか?

A. 一律の指導法を適用するのではなく、子ども一人ひとりの発達段階や認知特性、学習上の課題を把握することが重視されます。運動や認知面へのアプローチと学習支援を組み合わせたり、ICTやAI等のテクノロジーを活用したりすることで、その子に最も適した学び方を提供することが目指されています。

Q3. 株式会社kumapriの今後の地域連携や雇用の予定はどうなっていますか?

A. 同社は佐賀県佐賀市を単なる形式的な本店所在地とするのではなく、地元での雇用創出や人材育成、教育・福祉分野での地域連携を積極的に行うとしています。佐賀での「第二の創業」を機に、地域社会とともに成長しながら「佐賀発の発達支援モデル」を確立することが目指されています。


まとめ|発達障害・発達支援の未来を照らす「教育×福祉」の新しい形

本記事では、2026年10月1日に「株式会社kumapri」への社名変更および佐賀県佐賀市への本社移転を行った同社のプレスリリースをもとに、障害福祉と教育の新たな可能性について解説しました。

  • 企業理念「学べないを、なくす。」のもと、教育と福祉の垣根を取り払う支援モデルの構築が進められています。
  • 歴史的ゆかりのある佐賀市を新たな拠点とし、九州から全国へ向けた事業展開や「くまプリ」システムの導入が加速されます。
  • 株式上場も視野に入れた経営基盤の強化を行うことで、持続的で質の高い支援環境の整備が目指されています。

子どもたちがそれぞれの特性に合った学び方と出会い、自信をもって成長できる社会の実現に向けて、今後も障害福祉や発達支援の分野における先進的な取り組みから目が離せません。


Written by

菅間 大樹

findgood編集長、株式会社Mind One代表取締役
雑誌制作会社、広告代理店、障害者専門人材サービス会社を経て独立。
ライター・編集者としての活動と並行し、就労移行支援事業所の立ち上げに関わり、管理者も務める。職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了。
著書に「経営者・人事担当者のための障害者雇用をはじめる前に読む本」(Amazon Kindle「人事・労務管理」「社会学」部門1位獲得)がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0773TRZ77