離島・へき地における在宅医療・介護の現状と課題
日本の多くの地域では人口減少が進んでおり、特に離島やへき地、過疎地域では、若年層の流出や地域インフラ、医療・介護サービスの維持が深刻な課題となっています。総務省統計局の「令和7年国勢調査 人口速報集計結果」によると、2020年以降に人口が増加した都道府県は2都県のみであり、この傾向は今後も続くと見られています。
このような状況の中、株式会社土屋は、重度の障害や難病のある方が24時間・365日自宅で介護のサポートを受けられる公的サービス「重度訪問介護」を全国47都道府県で提供しています。重度訪問介護とは、重度の肢体不自由者や重度の知的障害・精神障害者などで常時介護が必要な方に対し、自宅での身体介護、生活援助、外出時の移動介護などを提供する制度です。
同社は2025年より、過疎化が進む地域やへき地への事業所開設プロジェクトを開始しました。その第一弾として、同年11月には和歌山県新宮市(和歌山南部エリア)に「ホームケア土屋 和歌山南」を開設しています。
和歌山南での「重度訪問介護」普及への道のり
「ホームケア土屋 和歌山南」開設当初、この地域では数年間「重度訪問介護」の利用が確認されていませんでした。そのため、「ニーズがないのではないか」という声も聞かれたといいます。しかし、約半年間の活動を通じて、ALS(筋萎縮性側索硬化症)のある方を含む複数のクライアントへの支援が開始されました。ALSとは、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉が徐々にやせて力がなくなっていく病気で、人工呼吸器などの医療的ケアが不可欠となるケースも少なくありません。
この過程で、行政や介護事業者、クライアントが「重度訪問介護」という制度を十分に知らないケースがあることも明らかになりました。本来必要な支援が届いていなかった実態が浮き彫りになったのです。
今回のイベントは、和歌山県南部エリアでの取り組みを具体的な事例として、当事者家族、行政関係者、民間介護事業者がそれぞれの立場から、地域で暮らし続けるために必要な在宅医療・介護支援のあり方を議論する場となります。
議論される主なテーマ:都市と地方の格差、制度と現場の乖離、そして未来
シンポジウムでは、多角的な視点から離島やへき地における在宅医療・介護の課題と解決策が議論される予定です。主なテーマは以下の通りです。
-
都市と地方で、重度訪問介護の利用環境にはどのような差があるのか
-
制度上は支援が可能であっても、現場で支援が届きにくくなる要因は何か
-
家族介護に依存せざるを得ない状況が、本人や家族の生活にどのような影響を与えているのか
-
ALSなど重度の障害がある方が地域で暮らし続けるために必要な支援とは何か
-
国、自治体、民間事業者、地域社会は、それぞれどのような役割を担うべきか
これらの議論を通じて、地域に根ざした持続可能な在宅医療・介護システムの構築に向けた具体的なヒントや提言が生まれることが期待されます。
イベント概要と参加方法
この重要なシンポジウムへの参加を希望される方は、以下の詳細をご確認ください。
| イベント名 | 『離島やへき地介護の未来を、那智勝浦から考える』 |
|---|---|
| 日時 | 2026年10月18日(日)10:30〜13:00(会場受付:10:00〜) |
| 会場(予定) | 休暇村南紀勝浦 (〒649-5312 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町宇久井)/ オンライン配信 |
| 開催形式 | 会場参加(限定50名)+オンライン配信のハイブリッド形式 |
| 主催 | 株式会社土屋 |
| 参加費 | 無料 |
| 申し込みリンク | https://form.run/@event20261018 |
※イベントは途中入退室が可能です。
登壇者紹介:多様な視点から課題に迫る
本イベントには、国や地方自治体の担当者、当事者ご家族、そして介護事業者の専門家、さらにフリーアナウンサーが登壇し、多角的な視点から議論を深めます。(以下、敬称略)
国・自治体関係者
-
大竹 雄二(厚生労働省 障害福祉課 課長)
2000年に厚生労働省に入省後、主に医療、介護、社会保障のデジタル化、障害者雇用などを担当。地域医療や在宅医療、医療介護連携にも携わってきました。2025年より現職。 -
和歌山南部エリアの行政ご担当者
当事者ご家族
- 「ホームケア土屋 和歌山南」の開設に伴い「重度訪問介護」を活用することになった、和歌山南部エリアで暮らしている当事者ご家族が登壇します。
介護事業者(株式会社土屋)
-
高浜 敏之(株式会社土屋 代表取締役 兼 CEO)
慶應義塾大学卒業後、社会福祉運動の現場で経験を積み、2020年8月に株式会社土屋を設立。「探し求める 小さな声を ありったけの誇らしさと共に」をミッションに、重度訪問介護をはじめとする地域生活支援を全国で展開しています。 -
星 敬太郎(株式会社土屋 ホームケア土屋スーパーバイザー)
介護現場のアテンダントとしてキャリアをスタートし、同社では全国展開する重度訪問介護事業の統括を担っています。現在はスーパーバイザーとして、全国47都道府県でのサービス展開と認知拡大に尽力しています。 -
奥永 孔太郎(株式会社土屋 ホームケア土屋 ゼネラルマネージャー)
「ホームケア土屋」のゼネラルマネージャーとして、ALSや重度障害など高度な支援を必要とする方々へのケアを支える仕組みづくりを牽引。「重度訪問介護を、もっと必要な人に届ける」ことをミッションに活動しています。 -
矢田 良(株式会社土屋 ホームケア土屋和歌山南 オープニングスタッフ・アテンダント)
短時間の訪問介護事業所で約10年の経験を積み、ALSの方の支援現場立ち上げなども経験。2025年4月に株式会社土屋に入社し、同年11月のホームケア土屋 和歌山南開設に初期メンバーとして参画。営業やサービス周知活動に尽力し、開設当初から2名の利用者支援を実現しました。
MC・モデレーター
- 町 亞聖(フリーアナウンサー)
1995年に日本テレビにアナウンサーとして入社後、報道キャスターや厚生労働省担当記者として医療・介護問題を取材。フリー転身後も「十年介護」「受援力」などの著書を出版し、医療と介護を生涯のテーマに啓発活動を続けています。元ヤングケアラーとしての経験も持ちます。
株式会社土屋の地域社会への貢献
株式会社土屋は、高齢者や障害を持つ方々がより良い生活を送れるよう、介護サービスを提供するトータルケアカンパニーです。同社は、豊富な経験と知識を持つ介護の専門家集団として、一人ひとりのニーズに合わせたサポートを提供しています。クライアントの生活を豊かにするため、常に質の高いサービスを提供し、安心して暮らせる環境づくりを目指しています。
会社概要
-
会社名:株式会社土屋
-
本社所在地:岡山県井原市井原町192-2 久安セントラルビル2F
-
代表取締役:高浜 敏之
-
従業員数:2,684名(2025年10月末時点)
-
設立:2020年8月
-
事業内容:
-
障害福祉サービス事業及び地域生活支援事業
-
介護保険法に基づく居宅サービス事業
-
講演会及び講習会等の企画・開催及び運営事業、研修事業、訪問看護
-
離島・へき地の在宅医療・介護の未来へ向けた一歩
今回のシンポジウムは、離島やへき地における在宅医療・介護の課題解決に向けた具体的な議論を促し、地域社会全体で支え合う仕組みを考える貴重な機会となるでしょう。重度訪問介護の普及や、都市部と地方でのサービス格差の解消は、障害を持つ方々が住み慣れた場所で自分らしく生きるために不可欠です。
障害福祉に関心のある方、地域医療・介護の未来を考える方にとって、このイベントは多くの学びと気づきをもたらすはずです。ぜひ参加を検討し、ともに地域の未来を創る一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。



